STEP3:購入をしてもらう段階
関心客から新規購入客に育成するにはどうすれば良いのか?
今回は、お客様を育成する5STEPアクションの3つ目「関心客を新規購入客に育成する、STEP3お客様に(はじめて)購入してもらうアクション」ついてご紹介します。「1.お客様の心理」「2.アクションで大切なこと」「3.効果を高めるツール活用」の3つが大切になります。
1.お客様の心理→商品購入への関心が高まっているが、まだ迷っている。
商品購入の関心が高まっているお客様(=関心客)は、購入しようかなと思いながら、本当にこの商品でいいのかまだ迷っていて決断できない状態です。このようなお客様には、詳しい自社商品の情報のみをお伝えしても、購入までスムーズに至らないでしょう。
例えば、皆さんが一消費者として、百貨店にコートを買いにいったとします。数多くのブランドショップがある中で、1店目で良い商品があっても、いきなり購入しないでしょう。他のショップにもっと良いコートがあるかもしれないからです。
皆さんが実施されている関心客向けのアクションは、商品に高い関心を持っているけど、決断まで至らないお客様を前提に実施されていますか?
2.アクションで大切なこと→他社商品も含めてマッチしていることを伝える
そこで大切なのが、自社商品が他社商品と比べて本当にお客様にマッチしていることをさまざまな角度から伝えることです。以下では代表的な3つの視点を紹介します。
まず、1つ目は、企業であれば“会社1社1社が目指している方向”、消費者であれば“お客様一人ひとりのライフスタイル”と商品が合致していることを伝えます。「お客様が本当に求めていること」からのアプローチです。
2つ目は、「他商品との比較」です。自社商品・おすすめ商品が、いかに他商品よりも相応しいのか、丁寧に伝えます。意外と現場で実施されていません。実施のためには、他社商品を研究する必要があるからでしょう。
3つ目は、「購入後のアフターフォロー」について伝えることです。購入後にちょっとした不具合や、何らかのトラブルがあった場合の対応を伝えます。法人の担当者が一番に気にすることです。
上記3つの視点を伝え、納得してくれても、商品購入に至らない場合があります。それは、タイミングが合わなかった時です。その場合、フォローが大切です。そのまま、放っておくと、いざ、購入のタイミングになった時に、他の企業や店舗にとられてしまいます。継続的なフォローを行うことで、いざタイミングになった時に、確実に商品を購入いただくことができます。
ポイント
●商品/サービス情報だけでは、購入までスムーズに至らない。
●自社商品の購入決断を、お客様の視点で、さまざまな角度から促す。
関心客から新規購入客に育成するにはどうすれば良いのか?
ここからは、大切な要素3つのうちの3つ目「アクションの効果を高めるツール活用」についてお話します。この段階のツールには、法人向け営業であれば、個別の提案書、継続訪問、フォローメールなど、エンドユーザー向け営業であれば、個別の提案書、来店御礼状、商品説明カード、POP、ディスプレイなどがあります。
今回は、個別の提案書について詳しくお話します。基本は法人向け営業を前提にしていますが、エンドユーザー向け営業においても、住宅・自動車の高額商品はもちろん、個別対応が大切な美容室・学習塾などでも提案書は活用できます。
以下4つのチェックポイントを示していますので、自社の提案書を思い浮かべながら読んでください。
3.効果を高めるツール→個別の提案書、4つのチェックポイント
- ●チェックポイント1:提案書に「現状と改善点」は書かれていますか?
- 個別の提案書は、ある特定のお客様に向けて作成されるので、そのお客様が抱えている個別の課題、改善点からはじまります。いきなり自社商品の説明からはじまる提案書は、提案書の体裁を整えた商品パンフレットです。お客様が抱えている個別の課題は、お客様からヒアリングさせていただきます。
- ●チェックポイント2:提案書に「お客様に必要な商品の特徴」は書かれていますか?
- 現状と改善点のページからいきなり自社商品の紹介になると、現状と改善点のページが自社商品を紹介するための単なる前フリではないかと思われてしまいます。まずは、お客様に必要な商品の特徴を丁寧に伝えます。
- ●チェックポイント3:提案書に「商品購入による未来」は書かれていますか?
- お客様に必要な商品を購入した暁には、お客様先でどんな未来があるのか、説明します。今は、単に使っている商品が古くなったからといって商品を購入しません。未来が描けていなければ、商品を購入しません。
- ●チェックポイント4:提案書に「顧客視点の自社商品の紹介」は書かれていますか?
- 自社商品について、お客様の視点から伝えます。お客様の視点とは、「商品の概要」はもちろん、「お客様が商品を使うことによってどんなメリットがあるのか」「どんなお客様が使っているのか」「どんな使い方をしているのか」「どんな点に満足いただいているのか」「何社・何人のお客様に実際に使われているのか」などです。
ポイント
●4つのチェックポイントで、「個別の提案書」を確認してみよう。