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健康

健康経営®

5つの重点領域

富士フイルムグループでは、従業員の健康推進に対する取組を加速させ、社会・会社・事業が共に成長していくことを目指し、健康経営推進の重点5領域として「生活習慣病・喫煙・がん・メンタルヘルス・長時間労働」について健康管理KPIを設定しています。これを受け、富士フイルムマニュファクチャリングは、2025年度中期経営目標の達成に向け「経営の最重要資源は人材である」のもと、健康維持・健康増進に向けた活動を推進しています。

項目 KPI 2025年度目標 2024年度目標 2025年度目標 2025年度目標
生活習慣病対策 BMI値25以上(比率) 21.0% 26.7% 27.4% 28.3%
HbA1c6.0以上(比率) 6.0% 9.8% 10.6% 9.4%
喫煙 喫煙率 12% 14.7% 18.6% 17.7%
がん対策 胸部X線受診率 100% 100% 100% 100%
胃がん検診受診率 100% 98.6% 95.5% 93.1%
大腸がん検診(便潜血)受診率 100% 98.9% 97.6% 95.5%
乳がん検診受診率 90%+ 96.9% 95.6% 94.7%
子宮頸がん検診受診率 90%+ 95.9% 92.9% 88.3%
便潜血陽性者の再検査/精密検査受診率 100% 100% 100% 100%
心の健康保持・増進対策 休業率*
(アブセンティーズム)
0.8% 2.5% 2.6% 2.4%
長時間労働リスク対策 長時間労働人数(80H以上/月) 0名 0名 0名 0名
定期健康診断受診率 健康診断・人間ドック 受診率 100% 100% 100% 100%

 

* メンタルヘルス疾患で1週間以上休業した従業員比率を実績調査
(測定基準 数値が低い方が良い状態)
(調査対象者数 2022年:1737人、2023年:1626人、2024年:1710人)

7つの健康行動と健康風土の醸成

生活習慣病をはじめとした心身の不調や疾患の予防・重症化を防ぐためには、健康的な生活習慣を身につけることが重要で、そのための行動変容として「7つの健康行動」の実践を勧めています。健康増進の「風土化・当たり前化」の浸透と加速を図るため「健康意識の高い人」に牽引役を担ってもらいたい、と考えています。「7つの健康行動実践宣言」は、7つの健康行動の実践状況について「全行動の実践継続者 」「全行動の実践挑戦者 」を宣言、将来に向けた健康増進のトップランナーを育む企画です。

7つの健康行動の実践と効果

毎年、従業員に実施しているアンケートの結果から、「7つの健康行動」を実践している項目数と「ワークエンゲイジメント」「プレゼンティーズム」「健診結果の異常なし者比率」に相関関係が見られてきています。7つの健康行動は「健康増進の当たり前」という会社の風土づくりの成果を実感しています。

7つの健康行動と健診結果「異状なし」者の比率

「7つの健康行動」実践項目数

多様な働き方への取組

2024年3月に設立したDE&I*推進委員会は、委員長を代表取締役社長とし、「育児・介護と就労の両立支援」「男性育児参画の当たり前風土の醸成」「多様な人材の活躍支援」など、職場における多様な働き方を改善し支援することで、従業員のワークエンゲージメントの向上に努めています。

  • * ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョン

2024年度に実施した「育児・介護・治療と仕事の両立支援に関するアンケート」から、育児では28%,介護では14%,治療では34%の従業員が仕事との両立を続けており、そのうち育児で8%,介護で5%,治療で5%で仕事との両立に困っているという回答を受け、個別面談等を通じた支援を進めています。 さらに、5年後に介護が生じる可能性について従業員アンケートを実施、働き盛り世代の介護離職の予防に向けた「備えの大切さ」について伝え始めています。

育児と仕事の両立状況
介護と仕事の両立状況
治療と仕事の両立状況
運動習慣の定着化

運動習慣の提案と定着化のため、健康保健組合との協働によりウォーキングイベント「みんなで歩活(あるかつ)甲子園」を開催しています。国内グループ会社38社(2025年春)が参加しての開催で、部門ごと/職場ごとのチーム結成に加え、事業所内他部門メンバーとの混成チームを編成することで運動習慣定着化の支援はもとより、従業員同士のコミュニケーションを深めることで業務における横連携を強化し、組織と会社の活性化に努めています。(投資金額 約20万円(アプリ健康ポイント、応援イベント費用等))

開催時期 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度
参加率 95.6% 92.7% 93.5% 91.9%

 

従業員家族や地域の皆様と 楽しみながら 健康を考える

従業員家族や地域の皆様、取引先様への感謝の気持ちを伝える感謝祭(事業所ごとの夏祭り)に「健康推進ブース」を出展、肥満・転倒や循環器疾患などの予防のきっかけ作りとして、体組成計を用いた体脂肪率や筋肉量測定・動作年齢測定や血管年齢測定など、来場者参加型のイベントを通じて、子どもから大人までの幅広い年齢層が、楽しみながら家族や仲間の健康について考える機会となりました。(投資金額 約53万円(測定機器、景品等))

感謝祭健康推進ブース(参加者 全事業所計 延べ1000人)

富山事業所

竹松事業所

海老名事業所

鈴鹿事業所

「スポーツエールカンパニー」認定

富士フイルムマニュファクチャリングは、社内ウォーキングイベントやラジオ体操を推進しており、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に積極的に取組む企業として、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2025 プラス」に認定されました。

食の改善(労働組合との協働)

労働組合と共催で「野菜摂取量測定」イベントを実施、自身のからだを「見える化」することで食生活の改善に向けた動機づけを図っています。また、組合からの健康相談には、組合広報誌に「脂質異常予防と食・運動」に関するコラムを掲載する等、産業医・保健師と組合ヘルスケア部会が協働で組合員の健康課題の解決にあたっています。

健康的な食生活に向けた気づきと実践を支援するために、健康情報アプリでは志向に合わせた健康情報や管理栄養士のレシピ紹介を、社員食堂ではカロリー・食塩相当量等の表示、生活習慣病予防が期待される「ヘルシーメニュー」、少なめ「小盛ごはん」等を提供しています。

野菜摂取量測定イベント(参加者 全事業所計 456人)

鈴鹿事業所

海老名事業所

メンタルヘルス対策

業務パフォーマンス低下の管理特性とした休業率は、2024年度2.5%と前年度からの改善傾向を確認しています。メンタル疾患による不調者(プレゼンティーズム)・休業者(アブセンティーズム)への働きかけを重点施策として推進し、対象の従業員には「セルフケア教育」を、管理監督者に対しては「ラインケア研修」を、さらに集団データを分析し「職場の改善計画」を策定し、実施結果を検証しています。結果、健康問題を保有する不調者では平均休業日数から症状の改善が見られるなど、生産性の低下防止(維持・向上)のための手ごたえを感じています。

ストレスチェック 点数 健康リスク
評価項目 量的
負荷
コント
ロール
上司の
支援
同僚の
支援
量-コント
ロール判定
(A)
職場の支援
判定
(B)
総合健康
リスク判定
A×B/100
測定基準 点数が
低いほど
良い
点数が高いほど良い 点数が低いほど良い
2022年度 平均 8.6 7.8 7.7 8.1 100 98 98
標準偏差 2.13 1.92 2.11 2.03
2023年度 平均 8.4 7.8 7.7 8 98 99 97
標準偏差 2.14 1.96 2.21 2.06
2024年度 平均 8.2 7.8 7.8 8.1 97 97 94
標準偏差 2.15 1.96 2.20 2.09

 

健康意識アンケートで聴取
(職業性ストレス簡易調査票(57 項目))
(調査対象者数 2022年:1681人、2023年:1615人、2024年:1696人、回答率100%)

業務
パフォーマンス
調査結果
プレゼンティーズム ワークエンゲージメント
出勤しているにも関わらず心身の健康上の問題
が作用してパフォーマンスが上がらない状態
仕事に関連したポジティブで充実した心理状態
「活力」「熱意」「没頭」の要素が揃った状態
評価内容 過去4週間の自身の仕事について評価する 「活力」
仕事をしていると
活力がみなぎるよう
に感じる
「熱意」
仕事に熱心である
「没頭」
仕事に集中している
全体平均
測定基準 病気やけががない普通の状態の時の仕事の損失割合を0とする…点数が低いほど良い 3項目(活力・熱意・没頭)の平均実績が高いほど良い
 
2022年度 14.4% 2.62 3.36 3.73 3.24
2023年度 15.0% 2.69 3.38 3.75 3.27
2024年度 12.2% 2.69 3.38 3.74 3.27

 

健康意識アンケートで聴取

プレゼンティーズム
(測定方法 SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版に7段階で回答し、平均値を算出)
(測定基準 損失割合が低い方が良い状態、0~100%で表わされる)
(調査対象者数 2022年:1681人、2023年:1615人、2024年:1696人 回答率100%)

健康意識アンケートで聴取

ワークエンゲイジメント
(測定方法 ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(短縮版3項目)に7択で回答、
全くない0点、ほとんど感じない1点~いつも感じる6点として、3問の平均値を算出)
(測定基準 3項目(活力・熱意・没頭)の平均値が高い方が良い状態)
(調査対象者数 2022年:1681人、2023年:1615人、2024年:1696人 回答率100%)

定期健康診断後の事後管理(重症化予防)

定期健康診断の結果から、就労を続けながら疾病の悪化を抑制し完治させることが課題と考えています。40歳以上の有所見者には健康保健組合と協働で「特定保健指導」と継続フォローを、40歳未満の若年層にもBMI値/HbA1c値に着目した「プレ特定保健指導」を実施することで生活習慣病リスクを低減、さらに、過去に特定保健指導の対象者で自社基準に合致した場合「拡大特定保健指導」を進めるなど、対象者の生活状況・既往歴や職場での就労状況を把握し「互いの顔が見える支援」に努めています。一方、「血圧」「糖代謝(血糖/HbA1c)」「脂質」では要精密検査・要治療対象者に保健指導と治療管理を行う等、対象となった全員について重症化予防のための事後管理を行っています(治療実施管理率:100%)。その結果、「血圧」「血糖」「糖尿病」等 重点管理率は低下傾向を確認しています。

受診勧奨と治療継続をフォローする取組み

健康診断の結果から二次健診が必要な対象者には受診勧奨レターの送付や面談による受診勧奨を実施、受診が完了するまで産業医と保健師が経過を把握しフォローする仕組みを導入しています。ここで、受診を希望しない従業員には本人の気持ちの傾聴から始め、上長協力のもと担当する業務の調整・近隣の医療機関や専門医の紹介、二次健診で実施される内容の説明と受診予約の支援に至るまで、受診に伴う心理的な負担を軽減し、治療を継続するための働きかけに努めています。これらの取組みにより、2024年度はすべての対象者が二次健診を受診、治療が必要となった方は治療を続けています(実施率:100%)。

早期発見・早期治療(治療と就労の両立支援)

がん検診受診率は2024年度 胃がん98.6%・大腸がん98.9%・乳がん96.9%・子宮頚がん95.9%で、いずれも前年より向上しています。2024年度には、がんの早期発見・早期治療を推進する取組として内視鏡検査の受診勧奨により胃内視鏡受診率は全検診者の96%を超えています。

喫煙率の低下施策

2020年度の事業所全面禁煙の達成後も継続され、社長レター・管理職卒煙宣言・禁煙冊子の配布と保健指導、禁煙パッチ無料配布・禁煙ガム無料配布・オンライン禁煙プログラムと禁煙費用補助制度の提案に加え、「入社・昇格時の禁煙教育」「入社1週間以内での喫煙者面談・卒煙勧奨」「従業員家族に向けたダイレクトメール」「卒煙チャレンジャーへの応援企画(みんなで卒煙隊「家族編」の新設定)」等、複数の改善施策ごとに目標管理を進めることで、2025年度目標の喫煙率12%の達成に向け、会社・健康保険組合・労働組合が協働で、従業員家族の応援に支えながら取組んでいます。

安全と健康

事業所ごとの安全衛生委員会「マネジメントプログラム」は、事業の内容・会社を取巻く周辺事情を踏まえたうえで健康推進課題に労働安全衛生課題を加えることで、心身ともに健康で安全に働ける職場環境を確保することを求めています。すべての事業所に開設された「安全道場」は、「安全と健康は両輪」の考え方のもと、「安全の基本を学ぶ場」「危険を体感する場」「KY(危険予知)の感度を育む場」で構成され、1年を通じて全従業員に対する安全教育を進めています。ここでは、腰痛・転倒の一因とされる運動器の衰えを見える化する取組みとして「ロコモ度テスト」「転倒等リスク評価セルフチェック」を導入、歩行能力・筋力を評価する2ステップテストや動的バランスをみるファンクショナルリーチテストなど、8種類のメニューをこなすことで自身のからだの状態を見える化し、健康増進に向けた気づきを与えています。

安全道場教育
(危険体感エリア)

ロコモ度テスト
(2ステップ)

ロコモ度テスト
(ファンクショナルリーチ)

安全道場教育
(参加者 全従業員が毎年1回受講)

従業員満足度(アンケート調査結果)

健康経営戦略マップで「健康投資」とされる項目を中心として従業員に満足度調査を行っています。その結果、すべての取組において前向きな評価が確認されています。知覚された組織的支援アンケート(SPOSスコア)は3.6となり、知覚された組織的支援が良好であるとの結果を得ています。

あなたは、当社の「健康経営の取り組み」を知っていますか?
あなたは、当社が行っている「健康経営の取り組み」をどう思いますか?
あなたが所属する組織で働くことについて、あなたが抱いている「組織の同意」あるいは「組織の不同意」の度合いについて教えてください。
知覚された
組織的支援
SPOS
評価項目8項目短縮版
測定基準平均点が高いほど良い
2025年度平均3.6

 

健康度アンケートで聴取

知覚された組織的支援調査
(SPOS(Survey of Perceived Organizational Support 8項目短縮版))
(判定基準 7段階リッカート尺度、平均点が高いほど知覚された組織支援が高い)
(調査対象者数 2025年: 1737人 回答率100%)

取引先様・他社との共催イベントとして「健康経営ガイドブックの読み方と新戦略マップへの施策の反映について」を主題とした「健康経営勉強会」を開催(参加企業7社、参加人数 約30人)しています。業種の異なる方々との交流は普段は得られない気づきや刺激を得られる機会で、各社の課題やグッドポイントを共有・自社の取組に応用することで、参加企業が揃って成長できる場となっています。

取引先共催勉強会(参加企業 6社、参加者 約30人)
基本情報
2025.9.1時点 従業員数 平均年齢 男女比 平均勤続年数
正社員 1,044人 43.7歳 男性87.0%
女性13.0%
20.4年

 

  • *「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。