2020年にキャリア入社後、デンマーク拠点でバイオ医薬品プラントの制御システムの設計などを担当しています。大学では化学工学を専攻し、石油精製・分離に関わる気液平衡や液液平衡などを研究していました。
前職では約11年間にわたり、国内外の石油精製・石油化学プラントの制御システム設計に携わり、特にアジア地域を中心に海外駐在の経験を積んできました。しかし、エネルギー業界における脱炭素の潮流に伴い、石油業界ではプラント閉鎖が増え、将来への不安が募るようになりました。
そこで、今後の成長性が期待できるとともに、社会貢献を実感できる分野で自分の専門技術と海外経験を生かすことを目標に転職活動を開始。海外で医薬品プラントの建設プロジェクトに携わるチャンスがある富士フイルムエンジニアリングに入社することを決めました。
2020年8月に入社し、同年10月より富士フイルムグループのバイオ医薬品の受託製造拠点であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS(以下、デンマーク拠点)に駐在しています。
デンマーク拠点では、生産能力の増強を目的としたバイオ医薬品プラントの建設プロジェクトが進行中です。第1次プロジェクトは、設計・工事から試運転・立ち上げまでを完了し、2024年に本稼働を開始しました。現在は、2026年度稼働を見据えた第2次建設プロジェクトの途上にあり、私は培養工程における制御システムの設計検証や試運転、さらにGMP(医薬品の製造管理基準)検証に至るまで一貫して携わっています。培養工程はプラント全体の中枢をなす重要な部分です。制御システムの観点からプラントの安定稼働を支えるとともに、自動化による効率化の実現を目指しています。
総勢300人の多国籍のエンジニアとともに、欧州最大級のバイオ医薬品プラントを建設
デンマーク拠点の建設プロジェクト全体には約300人のメンバーが参画しており、拠点全体の従業員数は2,000人を超えています。欧州最大級のバイオ医薬品プラントを建設するメガプロジェクトであり、世界各地から集結したエンジニアたちと協働して進めていることが、大きな特長の一つです。
多様なバックグラウンドを持つエンジニアとともにプロジェクトを完遂するため、目標設定や進め方に誤解が生じないよう、丁寧なコミュニケーションと粘り強い取り組みを心掛けています。例えば、指示を行う際には「何をするか」だけでなく、「なぜそれが必要なのか」という目的意識を明確に伝えた上で、タスクを細分化して依頼することを常に意識しています。
デンマークを含む多くの欧米諸国では、個々の業務範囲が明確に定められ、範囲外の業務には基本的に互いに関与しない文化が根付いています。この傾向が行き過ぎると、制御システムに不具合が生じても迅速な復旧が難しくなるリスクがあるため、私は自ら率先してトラブルの兆候を早期に発見し、プロジェクトメンバーと目的意識を共有しながら迅速に対応することを心掛けています。
デンマークに赴任した直後、新型コロナウイルス感染症の影響によるロックダウンが発生しました。リモートワークを余儀なくされる中で、機器納入の遅延、協力会社エンジニアの入国遅れなど、コントロールが難しいトラブルが相次いだ上に、自分にとって未経験の医薬品プラントの建設に携わることへの不安が強くありました。
こうした厳しい環境の中で大きな支えとなったのは、さまざまな専門分野のスペシャリストがそろう、当社国内メンバーの全面的なサポートでした。経験豊富なメンバーとリモートでコミュニケーションを重ねることで、医薬品製造に不可欠な品質・安全性を担保するGMP対応などの知識を身に付けながら、プロジェクトを前進させることができました。
幅広い知識や技術を身に付けながら、世界をフィールドに仕事ができる!
第2次建設プロジェクトの大型プラントをスムーズに立ち上げることが最優先課題です。第1次の経験を生かし、設計や工事、試運転がより円滑に進むように全力で取り組んでいます。
また、日本から駐在している立場として、自身が発揮すべき価値を常に意識しています。短期契約のメンバーが多い中で、将来のメンテナンスを見据えた長期視点での設計や、運転性を考慮した自動化の推進など、長期にわたり関わるからこそ可能な貢献を目指しています。
バイオ医薬品の受託製造事業は富士フイルムグループの成長ドライバーであり、デンマークを含む欧米の複数拠点で大規模な設備増強が進行しています。デンマークで培った経験を基に拠点間に横串をとおし、バイオ医薬品プラントに関するグローバルスタンダードの確立と全体最適化を実現することで、当社の技術基盤の強化に貢献できるエンジニアへと成長していきたいです。
国内だけでなくグローバルを舞台に活躍できるチャンスがあること。同僚も、デンマークや英国、米国に赴任しています。いずれの国々も日本人にとってはなじみやすく、家族を伴っても安心して駐在できると思います。ワークライフバランスも非常に良いと感じています。大規模なプラント建設プロジェクトに関われるチャンスがあることも、自分にとっては大きなやりがいとなっています。
富士フイルムエンジニアリングは、医療用医薬品などのBtoB製品からデジタルカメラなどのBtoC製品に至るまで、幅広い事業分野の生産設備に携わることができるため、エンジニアとして多様な経験を積みながら成長できる環境が整っています。国内だけでなく海外での活躍を目指す方にとっても、非常に魅力的な会社だと自信を持ってお勧めします。
飛行機に2時間も乗れば、欧州のほとんどの国々にアクセスできるため、気軽に海外旅行を楽しんでいます。
- 06:00
起床
- 08:00
プロジェクト朝礼会
建設現場で工事進捗や試運転スケジュールを確認します。- 09:00
技術支援の打ち合わせ
時差の関係で日本のメンバーに支援してもらう際には朝一番で打ち合わせを行います。- 10:00
改造仕様の打ち合わせ
制御システム改造について仕様検討や品質影響をプロジェクト関係者と議論します。- 11:00
グループ定例会
既存プラントの運転状況やトラブル事例をヒアリングし、必要に応じて建設プロジェクトの設計に反映します。- 12:00
食堂で同僚とランチ
- 13:00
試運転支援
プロセス担当や試運転担当と協力して、自動レシピを実機で機能検証します。- 15:00
デスクワーク
打ち合わせ結果を基にシステム改造や設計図書改訂を実施します。- 17:00
退社
- 18:00
夕食
現地の料理は高カロリーなので、日本食を自炊することが多いです。- 23:00
就寝
- * 本記事は掲載当時の内容に基づいております。