趣味のバイクいじりを究める中で仕事との好循環が生まれています
工業高校で機械工学系を専攻して富士フイルムに入社しました。小さいころから機械いじりが好きで、高校ではCADや工作機械の使い方などを学びましたが、ものづくりが本当に面白くなってきたのは、入社して設計部門に配属されてからでしたね。やっていくうちに奥深さが分かって、この仕事をずっとやりたいと思うようになり、以来、機械設計の仕事一筋です。
写真用のプリント機器や現像機器から始まって、電子回路基板のパターンを印刷する機械、インクジェットプリンターなど、さまざまなものを設計してきました。10年ほど前に富士フイルムビジネスエキスパートに移籍し、現在は、実際の製品ではなく、医療用の内視鏡の組み立て工場で使う治具(補助工具)の設計支援を行っています。
自分の設計したものが形になって機能を持った動きをする。それが実際にどこかに設置されて、使われているのを見るのが楽しいですね。「このマシンのこの部分は俺が設計した」と思えるのが、やりがいです。
現在の自宅は、会社まで原付で数分、歩いても10分弱のところです。3階建てで、1階はすべてガレージ。2階・3階に妻と子ども3人(中1・小6・小2)で住んでいます。1階のガレージは完全に私の趣味の車とバイクのためのスペースです。車やバイクは若いころから好きで乗っていましたが、本格的にはまったのは15年ほど前。会社の人に誘われてモトクロスのレースに出たところ、たまたま優勝してしまったのです。荒れたオフロードを走って故障したバイクを、修理屋さんに教わりながら自分で修理するようになった挙句、「自分のガレージがあれば好きなペースで、天候にかかわらず修理ができる」と考えて、今の家を買ってしまいました。まだ独身だったころです。
今気に入っているのは、日本で最初のナナハンであるHondaのCB750など、ビンテージ物のバイクです。自分より「年上」のバイクですが、手をかけるほど愛着が深まる。古いバイクに最新のブレーキをつけたり、バイクを安定して立たせるためのパーツを自前の旋盤で作ったりしています。バイクを載せる台を自作したときには仕事の知識を生かして荷重計算を行ったり、逆に、バイクのフェンダーの取り付け方を仕事で機械のカバー設計に応用したりと、趣味と仕事の好循環が生まれています。趣味を究めたガレージは、専門雑誌でも紹介してもらえました。
私も妻もこの地域の出身で、マンション住まいより、小さくても庭のある一戸建てがよいという点では同じ考えです。私の趣味には関心がなく、時々チクチクと文句を言われたりもしますが(笑)、子どもが家の前でボール遊びできるといった周囲の環境も含めて、ここを気に入ってくれています。
子どもは3人とも小さいころから私のバイクいじりを眺めていて、上の男の子2人は、いつの間にか手伝ってくれるようにもなりました。私がてこずっているのを見かねて、「それよりこっちの道具を使ったら?」と言ってくれたりします。将来、本格的なバイクいじりが一緒にできるようになったらいいなと願っています。
このように趣味に打ち込めるのは、職場も近く、土地に余裕のある西湘エリアに住んでいるからこそ。都会に住んでいたら絶対に無理なことです。もちろん、私の趣味だけでなく、家族にとっても素晴らしい住環境だと思っています。東京のように過密ではなく、自然豊かで暮らしやすい。また、高速に乗れば、1時間ほどで東京や横浜にも、伊豆や静岡にも行ける立地のよさ。家族とはよく、横浜みなとみらいや東京のお台場で1日過ごしたり、伊豆に釣りに行ったりしています。
職場も自分のペースで働ける雰囲気で、私は常々、若い社員たちに「帰れるときには早く帰って、好きなことをしろ」とけしかけています。メリハリをつけたワークライフバランスを実現できる、絶好の環境と言えるのではないでしょうか。