ラジオアイソトープ(RI)

「ラジオアイソトープ」は、放射性(ラジオ)の同位元素(アイソトープ)のこと。
「放射性同位元素」または「放射性核種」と呼びます。

アイソトープ

アイソ(iso)は「同じあるいは均しい」を意味し、トープ(tope)は「場所あるいは位置」を意味します。
アイソトープとは、元素の性格の規則性を示す周期表の同じ位置(同じ原子番号)を表します。

元素の中心にある原子核は、プラスの電荷を持つ陽子と電荷を持たない中性子などの粒子から出来ています。陽子の数は同じで、中性子の数が異なっている元素は、電荷に関係する化学的性質はとても似ていますが、重さ(質量)が異なってくるのです。これらの元素のことをアイソトープ(同位元素)といいます。

ラジオアイソトープ(RI)

アイソトープの中で陽子の数と中性子の数の兼ね合いから、原子核が不安定になるものが出てきます。原子核が不安定ですから、外にエネルギーを放出して安定になろうとします。この時、外に出てくるものが放射線です。アイソトープのなかで放射線を出すものをRIといいます。
多くの核種は放射線を出すことから、RIのことを単にアイソトープと呼ぶこともあります。

半減期

半減期ごとに放射能は指数的に減少します。

RIは、自然界に存在するもの(約70種類)のほか、原子炉や加速器(サイクロトロンなど)などで人工的に作られるものを含めると、約2600種類存在します。

RIの放射能(放射線を放出する能力)が半分に減るまでの時間を、半減期といいます。半減期はRIにより固有で、極めて短いものから、長いものまでいろいろ存在します。

半減期、放射線の種類、エネルギーなどの性質が放射性医薬品として優れているRIが利用されています。

現在、放射性医薬品として使用されている主なRIは、99mTc(テクネチウム99m)、123I(ヨウ素123)、201Tl(タリウム201)、67Ga(ガリウム67)、131I(ヨウ素131)、133Xe(キセノン133)、18F(フッ素18)などです。

主なラジオアイソトープ(RI)の半減期

元素記号 元素名 半減期
81mKr クリプトン81m 13.10秒
15O 酸素15*1 2.037分
13N 窒素13*1 9.965分
11C 炭素11*1 20.39分
18F フッ素18*1 109.8分
99mTc テクネチウム99m 6.01時
123I ヨウ素123 13.27時
90Y イットリウム90 64.10時
111In インジウム111 2.805日
201Tl タリウム201 72.91時
67Ga ガリウム67 3.261日
133Xe キセノン133 5.243日
131I ヨウ素131 8.021日
51Cr クロム51 27.70日
59Fe 鉄59 44.50日
89Sr ストロンチウム89 50.53日
125I ヨウ素125 59.40日
  • *1 PET検査用RI

放射線の種類

放射線はα(アルファ)線、β(ベータ)線などの「粒子線」と、X(エックス)線、γ(ガンマ)線などの「光子線」とに分けられます。

粒子線は電荷を持つα線、β線と、電荷を持たない中性子線などがあります。
光子線はX線とγ線があります。

α線、β線、γ線は不安定な原子核がより安定な原子核に移行する際に放出され、このように原子核が変化していくことを、壊変あるいは崩壊といいます。

放射線には宇宙線、大地からの放射線など、私たちの身の回りにある自然放射線と人工的につくられた人工放射線とがあります。

放射線を出す能力のことを「放射能」といい、強さは単位時間に崩壊する原子核の個数で表します。単位はベクレルを用い、1秒間に1個の原子核が崩壊するとき1ベクレルと呼びます。

α線、β線、γ線

[図] α線、β線、γ線

α線は、プラスの電荷を持つ陽子2つと、電荷をもたない中性子2つからできたヘリウム元素の原子核です。β線は高速の電子です。
電荷をもつ粒子が細胞に衝突すると電荷を与える「生物学的作用」を利用して、がんの治療などに用いられます。

X線、γ線は電磁波(光)の一種です。γ線は原子核から放出されますが、X線は原子核の外から放出されます。X線、γ線は物を透過する力が強いため、この性質を利用して診断に利用されています。