K.T.
2016年度 新卒入社
物質化学工学科
私が所属する部署では、患者さんが安心して医薬品を服用できるよう、さまざまな品質試験を行っています。医薬品の原料や有効成分、製造された医薬品(注射剤や経口剤)の品質確認、製造環境のモニタリングなどです。私は、製造された注射剤の理化学試験を担当しています。また、品質試験で不正やねつ造が発生すると医薬品の品質を保証できず、患者さんとの信頼関係が崩れてしまうので、品質試験で用いる分析機器の電子システムや試験室管理の改善にも力を入れて取り組み、不正を防止する体制構築を進めています。
低分子医薬品製造で40年以上培った技術力を生かし、医療現場で感染症予防や治療に不可欠なβラクタム系抗菌薬を製造しています。本医薬品は政府から特定重要物資にも指定され、国産化のニーズが高まっており、近年は、ペニシリン系抗生物質の合成および高度な技術を要する無菌製剤の製造を行う国内唯一のメーカーとして、製造受託にも注力し、安定供給に努めています。昨今規制対応で管理が求められる微量金属(元素不純物)の分析なども、試験法開発からバリデーション、管理戦略立案までを自社で行う高い分析技術を有しています。
さらには、富士フイルムグループの連携を活かし、医薬品市場で成長が顕著であるバイオ医薬品へも事業を拡大中です。
工場では改善、提案活動にも力を入れており、比較的自由に活動テーマの提案が可能です。チームやグループ単位でそのテーマに取り組み、活動内容や成果に顕著な功績が認められた場合には社内表彰制度や活動発表会で表彰され、社員全員でお祝いしています。
富士フイルムグループは、イメージング領域(写真フィルムなど)、ドキュメントソリューション領域(プリンターなど)、ヘルスケア&マテリアルズソリューション領域(医薬品、機能性材料など)とさまざまな事業があります。半年に一度、改善活動の発表会がグループ全体で行われており、会社代表として発表に参加した際はグループ会社の品質管理部の方々と交流し、日々の業務や取り入れたいシステムなどについて情報交換することができました。部内、社内だけの検討では隙があり自己満足になりがちなところも、グループ会社の広い視点を入れることで業界のニーズに沿った改善を実現できています。
フレックスタイム制度を導入しており、仕事とプライベートのバランスを取りやすいことから、「自分や家族を大切にしながら働く」ことを実現できています。通院してから出社する、家族を迎えに行くため早く帰るなど、プライベートの予定も考慮し日々の試験/業務スケジュールを組み立てています。
感染症にかかったときや入院したときに医薬品で症状が楽になり、医薬品の偉大さを実感します。そんな医薬品を製造し出荷する上で重要な関所の役割を担うのが私の所属する部署です。医薬品の原料や有効成分が規格に適合しているか、出荷する製品の品質に問題はないか、漏れなく隅々までチェックし責任をもって患者さんに届けることに誇りを持っており、学生のころから品質管理職を希望していました。
最近は、品質試験で用いる電子システムの構築/改善に関するプロジェクトリーダーを担当し、不正の隙、ヒューマンエラーを撲滅する活動を2年かけて行いました。年々厳しくなる規制に対応するだけでなく、性悪説で自社の試験システムを見直し、データの信頼性を強固なものとしました。ゼロベースでの対策検討、システムの理解/設計など、非常に苦労しましたが、自部署の多くのメンバー、システム部門や品質保証部門、メーカーを巻き込み、隙の無い試験システムを構築できたことはとても達成感がありました。
引き続き、患者さんに自信をもって提供できる医薬品の品質管理を行います。大きな目標としては、工場全体で品質を作り込む品質システム強化を進めていきたいです。そのために、最新規制やGMPについてより理解を深め、グループ会社間の連携やセミナーでさまざまな情報を収集し、業界の動向を先読みして対応できる人間になりたいと思います。
私は「品質管理職&自分と家族を大切にしながら働ける会社」という軸をぶれずに持ち、この会社を選びました。入社してまだ年数は浅いですが、いろいろな最新機器を扱って行う分析業務の楽しさに加え、試験記録やデータの信頼性保証に関するシステム構築、さらにその改善活動を他部署やグループ会社と発信し合い交流するワクワク感を体験し、いろいろなことに挑戦する毎日です。
会社を選ぶときに決めた軸は、入社後壁にぶつかったときも心の支えになります。自分は何を大切にしてどんな風に働きたいのか、向き合って考えてみてください。
お待ちしています!