このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。
富士フイルム富山化学株式会社(本社:東京都中央区/社長:岡田 淳二、以下 富士フイルム富山化学)は、治療用放射性医薬品「ルタテラ®静注」*1(一般名:ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu))(以下、「ルタテラ」)を、2021年9月29日より発売いたします。
「ルタテラ」は、放射性リガンド療法*2の一種であるペプチド受容体放射性核種療法(Peptide Receptor Radionuclide Therapy;PRRT)に用いられる医薬品(ペプチド受容体放射性核種療法剤)として、日本で初めて承認されたもので、本剤の適応症は、「ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍」*3です。
神経内分泌腫瘍は、ホルモンやペプチドを分泌する神経内分泌細胞に由来する腫瘍で、全身のさまざまな臓器、なかでも膵臓、消化管および肺に多く発生します。選択できる薬物療法が限られていることから、アンメットメディカルニーズの高い疾患と言われています。現在、神経内分泌腫瘍に対してより有効な治療法が求められる中、海外ではPRRTによる治療が行われています。
「ルタテラ」は、ソマトスタチン類似物質に放射性同位元素のルテチウム177を標識した医薬品です。神経内分泌腫瘍に高率で発現するソマトスタチン受容体に結合し、ルテチウム177から放出される放射線でがん細胞を直接攻撃します。
富士フイルム富山化学は、「ルタテラ」の発売に向けて、2021年9月6日より本剤の受注を開始します。今後、すでに販売している診断用放射性医薬品「オクトレオスキャン®静注用セット」*4(インジウムペンテトレオチド(111In)注射液調製用)に、治療用放射性医薬品である「ルタテラ」を加えることで、神経内分泌腫瘍の診断から治療までのトータルソリューションを展開していきます。
なお、「ルタテラ」と併用するアミノ酸輸液「ライザケア®輸液」(以下、「ライザケア」)*5も、「ルタテラ」と同日に発売します。
富士フイルム富山化学は、PRRTによる治療の国内での実現に向けて、2015年に製薬大手ノバルティスのグループ会社であるAdvanced Accelerator Applications International S.A.と、PRRTに用いる「Lutathera®」*6の国内開発・販売などに関するライセンス契約を締結しました。その後、国内での臨床試験の実施と製造販売承認申請を経て、2021年6月23日に販売名「ルタテラ®静注」として国内製造販売承認を取得しました。
富士フイルム富山化学は、高付加価値な医薬品の提供を通じて、医療のさらなる発展に貢献していきます。
製品概要
販売名 | ルタテラ®静注 | ライザケア®輸液 |
---|---|---|
一般名 | ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu) | L-リシン塩酸塩/L-アルギニン塩酸塩 |
効能または効果 | ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍 | ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)による腎被曝の低減 |
承認日 | 2021年6月23日 | |
薬価収載日 | 2021年8月12日 | |
受注開始日 | 2021年9月6日 | |
初回お届け日 | 2021年9月29日 | |
薬価 | 1バイアル 2,648,153円 | 1バッグ 1,180円 |
製造販売元 | 富士フイルム富山化学株式会社 | |
製品写真 |
プレスリリースは下記のリンクからご覧いただけます。