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放射性医薬品事業は、2022年3月にPDRファーマ株式会社に承継しました。
富士フイルム富山化学株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役社長:岡田 淳二、以下 富士フイルム富山化学)は、本日、放射性医薬品「ライアットMIBG-I 131静注」(一般名:3-ヨードベンジルグアニジン(131I))(以下、「ライアットMIBG」)について、「MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ」を適応症として製造販売承認を国内で取得しましたので、お知らせいたします。
褐色細胞腫は副腎髄質*1に、パラガングリオーマは副腎外の傍神経節*2にそれぞれ発生する神経内分泌腫瘍*3です。褐色細胞腫・パラガングリオーマは、国内患者数が約3,000名と推定され、希少がんに分類されています。褐色細胞腫・パラガングリオーマの多くは、外科的切除により完治しますが、治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマは、有効な治療法がないため、アンメットメディカルニーズが高い疾患といわれています。
「3-ヨードベンジルグアニジン(131I)」は、欧米では既に承認され、褐色細胞腫・パラガングリオーマの治療薬として広く利用されています。国内では、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて医療上の必要性が高い医薬品として評価される中、富士フイルム富山化学*4は開発企業を求める同省の公募に応じて「ライアットMIBG」の臨床開発を進め、2021年1月に製造販売承認申請を行いました。
「ライアットMIBG」は、副腎髄質ホルモンのノルアドレナリン*5の類似物質である3-ヨードベンジルグアニジン(MIBG)に放射性ヨウ素(131I)を結合させた治療用放射性医薬品です。ノルアドレナリンと同様のメカニズムで腫瘍に特異的に取り込まれ、131Iから放出されるβ線によって腫瘍細胞を傷害し、治療効果を発揮します。今回の承認により、「ライアットMIBG」を用いた核医学治療*6が褐色細胞腫・パラガングリオーマの新たな治療選択肢として普及することが期待されます。
なお、「ライアットMIBG」を含む当社放射性医薬品事業については、本年9月2日に富士フイルム株式会社が発表した「富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業のペプチドリーム株式会社への譲渡」により、譲渡が完了する2022年3月以降、ペプチドリーム傘下で事業活動が行われる予定です。
富士フイルム富山化学は、現在取り組んでいる新薬開発を進めるとともに、製造設備・インフラなどを活用した受託ビジネスを推進することで、事業の継続的成長を図り、医療のさらなる発展に貢献していきます。
製品概要
販売名 | ライアットMIBG-I 131静注 |
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一般名 | 3-ヨードベンジルグアニジン (131I) |
承認年月日 | 2021年9月27日 |
効能または効果 | MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ |
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