バイオマーカー「FGF23(線維芽細胞増殖因子 23)」提供開始

犬猫の慢性腎臓病(CKD)によるリン・カルシウム代謝異常をいちはやく捉える

~リン制限開始時期の指標・食事療法による治療効果の判定に期待~

ニュースリリース

2020年10月15日

富士フイルムVETシステムズ株式会社(社長:藤原 清隆)は、犬猫の慢性腎臓病(以下、CKD)によるリン・カルシウム代謝異常を一般的な血清リン検査より早期に捉えることが期待できるバイオマーカー「FGF23(線維芽細胞増殖因子 23)」の受託検査サービスを 10月15日より開始いたします。

CKDは伴侶動物にとって罹患率の高い疾患の一つで、合併症としてリン・カルシウム代謝異常が挙げられます。高リン血症はCKDの悪化との関連が知られていますが、血中リン濃度の上昇はCKDが進行した段階でないと認められず、リン・カルシウム代謝異常の早期発見が困難でした。また、現在リン・カルシウム代謝異常に対する治療として、食事療法によるリン制限やリン吸着剤の投与が行われますが、その治療開始時期の指標を明確にすることが必要と考えられています。

バイオマーカー「FGF23」は、骨から産生され、腎尿細管でのリン再吸収抑制とビタミンDの合成抑制により血中リン濃度を低下させるホルモンで、CKD症例における血中リン濃度上昇に対し代償的に濃度が上昇します。FGF23は、CKDの早期から濃度が上昇することが研究データで報告されており、リン制限開始時期の指標や食事療法による治療効果の判定、生存期間の予後因子としての臨床活用が期待されます。腎疾患の診断・治療に関する国際的ガイドラインを定める組織 IRIS(the International Renal Interest Society:国際獣医腎臓病研究グループ)で取り上げられるなど、注目度の高いバイオマーカーです。

富士フイルムVETシステムズは今後も、動物医療現場に新たな可能性を提案し、より先進的な製品を提供することで、さらなる動物医療の質の向上に貢献していきます。

1. 検査名
FGF23(犬・猫の血清又は血漿中の FGF23 濃度を測定する検査)
2. サービス提供開始日
2020年10月15日
3. 主な仕様
対象動物 犬、猫
対象検体 血清、ヘパリン血漿
検体量・保存 0.3mL・凍結
測定方法 CLEIA 法
参考基準範囲 犬:161~527pg/mL 、 猫:102~466pg/mL
報告日数 4営業日以内
4. IRIS Stage分類による血清リン濃度と血清FGF23濃度の比較データ
犬において血清リン濃度はStage3~4で上昇するのに対し、血清FGF23濃度はStage2から上昇が認められ、FGF23が早期のリン・カルシウム代謝異常を捉えることができる可能性が示唆されました。

健常犬および CKD 罹患犬ステージ別
血清リン濃度

健常犬およびCKD罹患犬ステージ別
FGF23濃度

(J Small Anim Pract.2020 Oct;62:基準範囲上限を赤線で示した。)

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