富士フイルム和光純薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:吉田 光一)は、次世代mRNA医薬の研究開発において高まるmRNAの高純度化および安定性向上に対するニーズに対応するため、mRNA合成の中間体として用いられる5’-モノりん酸化RNAを高純度に合成できる「モノりん酸化アミダイト試薬」を2026年5月20日に発売します。
なお、本製品はCrafton Biotechnology株式会社からライセンス許諾を受け、当社が販売するものです。
新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンとしての実用化により注目が高まったことを背景に、設計や製造が容易で、高い安全性が期待できるmRNA医薬の開発が世界的に加速しています。近年では、感染症ワクチンのみならず、がんワクチンや遺伝性疾患の治療薬など、mRNA医薬の幅広い分野での応用が進み、新たな医薬品開発への期待が一層高まっています。しかし、現在実用化されているmRNA医薬においては、合成工程で生じる不純物の除去や、生体内の安定性の確保といった課題が指摘されています。これらの課題を克服するため、mRNAの高純度化および安定性の向上を目的に、化学合成mRNA※1や環状mRNA※2など、新たなRNA設計・合成技術の開発が盛んに進められています。これらの技術の開発においては、mRNA医薬を製造するための中間体である5’-モノりん酸化RNAに高い純度が求められます。
今回発売する「モノりん酸化アミダイト試薬」は、化学的合成法であるホスホロアミダイト法※3を用いた高純度な5’-モノりん酸化RNAの合成を可能にする試薬です。従来のモノりん酸化アミダイト試薬は、脱保護工程における塩基処理で不安定なRNAが分解されてしまうことから、RNAの合成に用いることが困難でした。本製品は、塩基処理に代わりUV照射による脱保護工程を可能にすることで、RNAの合成への適用を実現しました。さらに、独自に設計した疎水性置換基であるニトロベンジル(Nb)タグを導入することで、トリチルオン精製※4と同様の原理に基づく逆相高速クロマトグラフィーを用いた5’-モノりん酸化RNAの効率的な分離・精製を可能とし、高純度化を実現しました。「モノりん酸化アミダイト試薬」を用いて、5’-モノりん酸化RNAを高純度かつ効率的に合成できるようになることで、がんワクチンや遺伝性疾患の治療薬など、革新的なmRNA医薬の研究開発の加速が期待されます。なお、本製品は当社の国内工場で生産されます。
当社は、約20年前に核酸合成用試薬事業を開始して以来、核酸医薬品製造における顧客ニーズに応じた試薬および原料の提供を行ってきました。今後も国内外でmRNA医薬の研究開発に取り組む研究者を支援するべく、製品ラインアップのさらなる充実を図っていきます。そして「次の科学のチカラとなり、人々の幸せの源を創造する」というミッションのもと、社会や顧客のニーズに応える高機能・高品質な製品を開発・提供し、医療をはじめとする幅広い分野の産業や学術研究の発展に貢献していきます。
- ※1 酵素を用いずに全ての工程を化学的合成法で合成したmRNA。修飾核酸の位置特異的な導入を可能にし、配列均一性などの特長を持つことから、高性能・高効率な次世代mRNA医薬への応用が期待される。
- ※2 RNAの5’末端と3’末端が結合して環状になった一本鎖mRNA。核酸分解酵素に対する耐性が高いため、翻訳効率が向上すると言われ、次世代mRNA医薬への応用が期待される。
- ※3 任意の配列に従ってオリゴヌクレオチドを固相合成用支持担体上で合成する手法。
- ※4 オリゴヌクレオチド合成後の精製において、5‘末端に付加された疎水性のジメトキシトリチル(DMT)保護基を利用し、逆相高速クロマトグラフィーを用いて精製する一般的な手法。
| 製品名 | 2-Cyanoethyl [2,2-dimethyl-1-(2-nitrophenyl)propyl] N,N-Diisopropylphosphoramidite |
| 発売日 | 2026年5月20日 |
| 製品コード | 035-26411 |
| CASRN🄬 | 2892148-78-4 |
| 規格 | 核酸合成用 |
| 容量 | 250mg |
| 希望納入価格(税抜) | ¥35,000 |
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| <報道関係> 富士フイルム和光純薬株式会社 経営企画部 | TEL:050-3514-4826 |
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