
地球温暖化対策:低炭素社会の実現に向けたCO2排出量削減、大気汚染対策:VOC(揮発性有機化合物)抑制に向けた有機溶剤の使用量削減など、ものづくりにおいて、環境と人への配慮が求められる時代。それは、フィルムの生産においても同じです。フィルム生産において、環境と人に配慮した技術があります。それは、水系塗布技術です。
溶媒に有機溶剤ではなく、水を用いるため、VOCレスであり、また、有機溶剤を作る際に生じるCO2も削減できます。更に、製造する段階と製品の臭気が無いため、人にも安全な製品を作ることができます。富士フイルムが長年生産してきた写真フィルムは、水系塗布技術により生み出された製品です。
富士フイルムグループグリーン・ポリシーに則り、温暖化ガス排出量の削減や化学物質管理など、 さまざまな環境保全活動を推進しています。
富士フイルムグループ グリーンポリシーについて
今回の共創のものづくりに関連する、代表的な環境への取り組みを事例を紹介いたします。
この考えに則って、水系塗布技術で商品化したフィルム製品の代表として、日本の科学系の学会や団体で構成されるグリーンサステイナブルケミストリーネットワークから、2002年度に表彰を受けた「水溶媒で塗布する塗布する熱現像感光フィルム」があります。 (http://www.jaci.or.jp/gscn/page_04/newsletter/newsletter-No6.pdf#page=3 )
CR、CTスキャン、MRI等、各種医療用画像診断装置で撮影された画像を出力するために使われる、現像処理液不要の熱現像感光フイルムの製造には、従来、感光材料を溶かし込んで塗布するために、大量の有機溶剤が使われていました。
しかし、富士フイルムでは、この感光材料の塗布を水溶媒で行う研究開発に成功し、製造時に排出する有機溶剤を年間1万トン以上削減しました。
これに伴い、排出抑制に費やす焼却用燃料や焼却時に生じるCO2、有機溶剤を作る段階で生じるCO2も削減でき、環境に配慮した製品となりました。
また、このフィルムは、現像処理の溶剤成分の廃液や臭気、診断時の溶剤成分による臭気もないため、医療現場にも歓迎される人にも安全な製品になりました。
このように水系塗布技術は、人と環境に配慮した化学技術なのです。
水系塗布が環境対応で優れる理由
- 環境に配慮 フィルム生産における有機溶媒の排出量削減や排出ガス削減などで、環境影響を軽減させることが可能
- 人に安全 人が直接触れたりする製品や、人が住む環境に関する製品において、有機溶媒による臭気や残留有機溶媒を削減することが可能

富士フイルムホールディングスは、事業活動でのCO2排出量ゼロを目指し再生可能エネルギー導入目標を設定しました。
- 2030年度に購入電力の50%を再生可能エネルギー由来の電力に転換
- 2050年度にはすべての購入電力を再生可能エネルギー由来電力に転換し、さらに、自家発電システムに使用する燃料を水素燃料に転換するなど、新たな技術を取り入れていくことにより、当社が使用するすべてのエネルギーで、CO2排出量ゼロを目指す。
本目標は、RE100の趣旨に沿った取り組みとして、RE100を運営する国際NPO「The Climate Group」より認められ、RE100に加盟しました。
(詳細:https://www.fujifilmholdings.com/ja/news/2019/0425_01_01.html )
富士フイルムグループは、今後再生可能エネルギーの導入・活用や、自家発電システムの燃料転換・新技術導入により、脱炭素化社会の実現に貢献していきます。
共同開発や受託製造の共創のものづくりにおいて脱炭素社会の実現のために、製品ライフサイクル全体でのCO2排出ゼロを目指す皆さま。私たちは、サスティナブル社会の実現にも貢献致します。
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