株式会社サンジゲン様はアニメーション作品における3DCG制作を中心に、作品の企画・制作、撮影、モニターワークなどを手掛けるアニメーション制作会社です。1作品30~50TBにものぼる制作データを、信頼性が高く安価な磁気テープで保管しています。しかし、データを再活用したいクリエイターの要請に応じ、システム・開発部が書き出す作業負荷や時間がかかるのが課題でした。 (取材:2020年12月)
課題
制作終了後のアニメ作品の膨大なデータを探して書き戻す作業が負荷に
――導入までの経緯は?
システム・開発部 金田氏 当社では3DCGを使ったアニメーション制作を行っています。4K対応などの高解像度化、表現手法の複雑化が進み、1つの作品で総データ容量が30~50TBに上ることもあります。当社ではハードディスク(HDD)にあるこれらのデータを保護するため、週次・月次でテープライブラリ装置でテープへコピーし、バックアップしています。それとは別に、テレビや劇場での放映が終了したあと、制作した作品データ(CG、撮影、デジタル作画などの素材・制作データ、作業履歴データなど)を大切にアーカイブ(長期保管)するため、HDDからテープライブラリ装置でテープへ1巻1巻コピーして棚に保管していました。
制作部 田邊氏 アーカイブした過去の作品データは、制作後もさまざまな理由で活用するので、HDDへ書き戻す作業が不定期に発生します。例えば、アニメーターやモデラーが、他の作品の制作時に過去作品のアセット(素材データ)やエフェクトを参考にしたり、DVD化や作品以外のアミューズメント用途に再利用したり、第二期の制作に発展する場合などに、アーカイブデータが必要になるためです。
従来の仕組みでは、テープに保存されている内容はHDDに戻さないと分からず、クリエイターがシステム・開発部へ「いつ頃のこの作品にこんなデータがあるはずなので、探してほしい」と依頼していましたが、数時間、時には数日かかることもあり、データをあきらめることもありました。
システムチーフ 中村 公栄氏
システム・開発部 中村氏 アーカイブした過去の作品データは、
アーカイブする作品数・データ容量が増大化するにつれ、
また、
そこで、
- アニメーション作品の3DCGデータなど過去の膨大な制作データをテープで保管。再活用したいクリエイターの要請に応じ、システム・開発部が検索、書き出す作業が大きな負担だった。
- 従来システムではHDDへ書き戻してみないとデータの中身が分からず、欲しいデータを得るまで数時間、時には数日かかっていた。
導入企業情報
株式会社サンジゲン
●代表者:代表取締役 松浦 裕暁氏
●創 業:2006年3月
●本社所在地:東京都杉並区上荻1-2-1 インテグラルタワー17F
●URL:http://www.sanzigen.co.jp/
アニメーション作品における3DCG制作を中心に、作品の企画・制作、撮影、モニターワークなどを手掛けるアニメーション制作会社。2006年に松浦 裕暁氏が、フリーランス集団「三次元」を基に創業した。2011年からは、映像コンテンツ受託・コンテンツ開発制作・ライセンス管理事業を展開するウルトラスーパーピクチャーズの傘下。主な代表作品には「蒼き鋼のアルペジオ」「ブブキ・ブランキ」
本内容は、基本的に実例に基づいていますが、顧客情報の保護などの観点から一部内容の改変を行い構成しています。