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データ管理効率化

「Googleがテープを使う」 から見るデータ保管の考え方

磁気テープ例: FUJIFILM LTO8

バックアップやアーカイブなどデータの保管目的に利用するストレージには、さまざまな選択肢があります。最近はクラウドサービスとして提供されるオンラインストレージ、オンプレミス環境のネットワークに接続したNASなどが一般的ですが、最も古くからあるテープストレージを使い続ける企業も少なくありません。実は、クラウド事業で名を馳せるアメリカの先進的企業でも、依然としてテープを使用し続けている例も報告されています。なぜテープストレージは廃れることなく利用されているのでしょうか。その理由を探ってみましょう。

メディアも取り上げたGoogleのインシデント

2011年に、ある有名企業に興味深いインシデントが行ったことで、各メディアが取り上げました。これは同年2月に、米Googleのメールサービス「Gmail」に障害が発生し、一部のメールデータが消失するというインシデントが発生したというものです。Googleでは、後にO'Reilly Mediaから出版されている運用解説書「Site Reliability Engineering」の第3部26章“Data Integrity: What You Read Is What You Wrote”(全文はこちら:https://landing.google.com/sre/sre-book/toc/index.html)内でこのインシデントを紹介しています。

同社によると、同インシデントはストレージのソフトウェア・アップデートに予期せぬバグが含まれていたことが原因であり、全ユーザーのうち0. 02%未満(ただし数万アカウント)のユーザーが一時的にメールを利用できなくなったそうです。

Googleはこうしたインシデントの発生に備え、万全なバックアップを実施していました。上記の著によれば、このインシデントは、本来はデータ消失時にすぐに利用できるコピー(一次バックアップデータ)も同時に消失するという深刻なものでした。しかし、Googleではバグのあったストレージのソフトウェア・アップデートを中止して元のバージョンに戻し、さらに別にバックアップしておいたデータをすべて戻すという手順で復旧させています。復旧までに多少の時間は要したものの、結果的にすべてのメールデータが消失の被害を免れ、データ保護対策の重要性をうたうクラウドサービス事業者としての面目を保つことができました。

テープバックアップによりデータを復旧

このインシデントで注目されたのが、Googleが講じていたバックアップの手段です。Gmailのメールデータは、多重化(コピーを作成)して複数のデータセンターで保持していましたが、今回のインシデントのように・・・