「トラブルが多くて手間がかかる…」磁気テープにそんなイメージを抱いている方も多いと思いますが、現代のテープストレージはハードディスクストレージに比べると故障率も低く、停電、クラッシュ、ウイルス攻撃などによるデータ損失のリスクが極めて低い、最も信頼性の高いメディアとして多くの企業から注目されています。
ストレージ選別でよく比較されるLTOテープ(磁気テープ)とハードディスク(HDD)の比較を以下にてご紹介いたします。
1. LTOテープとハードディスクのサイズ比較
ハードディスク(HDD)よりLTOテープの方がサイズが小さくコンパクトです。
10.5cm×10.2cm×2.1cm(LTO9)
14.6cm×10.2cm ×2.5cm(標準サイズ)
2. LTOテープとハードディスクの総コスト比較
LTOテープにかかる総コストはハードディスクの1/10です。
LTOテープを使ったデータの長期保管は、容量あたりのコストが安く、データの読書きを実行しているときにしか大きな電力を使用しません。
そのため、電気料金、空調や電源施設の設備費など、ランニングコストが非常に安価になります。
また、テープカートリッジを追加するだけで容量拡張することができるため、大容量になればなるほど、コストメリットはは大きくなります。

* テープ装置:80巻テープライブラリ、LTO8ドライブ搭載(非圧縮12TB)
ディスク装置:RAID6構成、高密度実装タイプ、エコモード、Near Line 12TB HDD
3. LTOテープとハードディスクのエラー率
テープのBER(bit error rate:エラー発生率)はHDDに比較して1/10000です。

4. LTOテープとハードディスクの消費電力比較
テープ装置は制御回路以外に常に稼動する必要性がないため、データ読書き実行時にしか大きな電力を使用しません。
そのため、消費電力がかからない効率の良いECOなシステムです。
一方、ハードディスクはアイドリング時(記録再生時以外)にも通電しディスクを回転させ続けるためにある一定の電力を消費します。

* テープ装置 :80巻テープライブラリ、LTO 8ドライブ搭載(非圧縮12TB)
* ディスク製品:RAID6 構成、高密度実装タイプ、エコモード、Near Line 12TB HDD
LTOテープとハードディスクの両方を使うことで、エネルギー消費を削減することが可能です。

* HDD:サーバー15台とディスクストレージ
5. LTOテープとハードディスクの構造の違い
テープは構造上安心のストレージメディアです。
テープは磁性層に塗布する磁性体に酸化鉄を使用しているため、酸化による読み取り/書き込みの失敗は発生しません。
ディスクの表面が損傷した場合、内部の酸化によりデータが読み取れない可能性があります。
6. LTOテープとハードディスクの用途
LTOテープ |
ハードディスク |
---|---|
コールドデータ(参照頻度は低いが保管しておきたいデータ)の保管に最適 |
ホットデータ、ウォームデータ(参照頻度の高いデータ)の保管に最適 |
上書き不可 * |
上書きが可能 |
* WORM機能もあり、データを長期に確実に守りたい場合はテープが向いてます。
LTOテープのデータは、LTFSという機能により、HDDと同じようにPC画面上での管理が可能です。
LTOテープについてもっと詳しく!

LTOテープは容量単価に優れ、GoogleやMicrosoftなど世界的な企業が膨大なデータの長期保管に採用しています。