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市場トレンド

企業にたまり続ける膨大なデータ
保管先は「用途」と「コスト」で考える

IoTやAI・機械学習といった先進技術が実用化され、ビッグデータを高度に分析処理する機会が増えてきた今日、膨大な量のデータをどこに保管すればよいのでしょうか。パブリッククラウドという選択肢があるものの、諸事情により自社内の設備(オンプレミス環境)で取り扱わなければならない場合もあります。今回は、オンプレミス環境にふさわしいストレージについて考えます。

便利なクラウドも大量のデータ保管では
ダウンロード費用やデータ移行に懸念が残る

大容量データの保管場所として、ハードウエアを所有して保守・運用することなく、必要に応じて容量を自在に拡張できるクラウドストレージは魅力的な選択肢です。最近はクラウドサービスの堅牢性・信頼性が高まり、セキュリティ対策も強固になったことから、企業の基幹業務システムで扱うデータをクラウド上に保管する例も増えています。

しかし、さまざまな事情でクラウドを利用できないケースもあります。例えば、ビジネスに極めて重要な機密情報は、クラウドがいくら安全でも社外に出したくないという企業は多く存在します。また日本では、個人情報保護法により、個人情報を本人の同意を得ずに国外に移転することが禁止されています。クラウドベンダーによってはデータセンターを海外に置いている場合もあるため、クラウドを簡単に導入できない状況になっているのです。

パブリッククラウドへの保管リスクは?保管時の検討が必要になるデータ

保管検討が必要になるデータの種類

また、パブリッククラウドでは、保管コストが安いかわりに、データの大量ダウンロード時の料金を高めに設定しているケースがあります。そうなると、例えばIoT導入でセンサーデバイスが生成する大量のデータを保管するためにクラウドを利用する場合、ダウンロードに多大なコストがかかることや、時間のかかるデータ転送の最適化のため高額な通信回線コストを負担しなければならないことが発生します。

このように、大量のデータを一度預けると、ダウンロードの回数や容量を制限せざるを得なくなったり、他サービスに移行しにくくなったりするなどの「クラウドロックイン」が懸念され、最近はデータ保管のクラウド活用で先行する企業の間で、オンプレミス回帰の動きが広がっているのです。

データ分析基盤としてクラウドを利用する場合も、一時的に収集する生データはオンプレミスに保管しておき、必要なデータをクレンジング・抽出してからクラウドへ送信するなどの前処理も必要になるので、何も考えずにクラウドにデータを送り続ければ良いわけではありません。

従来型のストレージでは「コストが高すぎる」危険性も

オンプレミス環境で大容量データを扱うには、どんな方法が考えられるでしょうか。まず、既存の従来型ストレージを更新し、大容量ディスクを追加していくという手段があります。

ストレージベンダー各社が販売する現行のエンタープライズストレージ製品には、1台のストレージ筐体に最大1ペタバイト(約1,000テラバイト)という大容量HDDを内蔵し、外部ストレージを接続すれば数百ペタバイトまで拡張できるものも登場しています。ちなみに従来型ストレージは、基幹業務システムのデータベースなど構造化データの保管に適したブロックストレージ、ドキュメントや画像・動画などをファイル単位で保管するファイルストレージに分けられますが、最近は両方をサポートしたユニファイドストレージも普及しています。

このようなエンタープライズストレージ製品を導入すれば、データ容量が膨大になってもしばらくの間は不自由することはないでしょう。しかし、エンタープライズストレージ製品には、導入コストが非常に高いという課題があります。その製品価格は最小構成で数千万円~数億円。グローバル規模でビジネスを展開する大企業でもない限り、簡単に導入することはできません。

データ保管コスト削減の鍵は、「コールドデータの再配置」

もう一つの選択肢が、既存ストレージに存在する「コールドデータ」の再配置です。データの70%以上は、生成後しばらくしてアクセス頻度が減りアクティブには使われなくなった、いわゆる「コールドデータ」といわれています。これらを、電力を消費する高性能なストレージに保管したままにするのは費用対効果から見てデメリットになります。そこで、コールドデータを大容量・低コストのストレージに再配置する方法が注目されています。こうしたコールドデータの保管先として期待されているのが、「LTOテープ」です。従来型ストレージのデータバックアップ用途に古くから活用されていたテープストレージですが、技術革新を遂げ、コンパクトでいて大容量、トータルコストの圧倒的な低さ、サイバー攻撃リスクの低さなどから、大容量・長期保管のアーカイブデータ用ストレージとして、今世界的に注目されているのです。

ストレージ領域におけるホットデータ、ウォームデータ、コールドデータ

富士フイルムでは、NASなど既存ストレージと接続し、コールドデータなどを自動で再配置する製品「ディターニティ オンサイト アーカイブ アタッチモデル」を提案しています。大容量データの保管・活用の費用対効果を高める選択肢の一つとして、ぜひご検討ください。

企業の膨大なデータを低コストで保管するLTOテープストレージソリューション