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多様化するクラウド活用ニーズに応えるデータ運用を、安価で安全な磁気テープで実現するソフトウエアソリューション「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」が実現する世界

膨大なデータの活用力と費用対効果で、クラウドネイティブ時代に注目されているオブジェクトストレージですが、クラウドサービスの利用条件や、企業のストレージ構成によっては、長所であるはずのデータ運用やコスト面で課題が生まれてくることがあります。オブジェクトストレージの利点を活かし、企業のさまざまな「データを使う」目的に最適な「データの保管」を実現するために、安価でセキュアな磁気テープのメリットを最大限に引き出すソフトウエアソリューション「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」がどのようなものか、何が実現できるのか、を解説します。

オブジェクトストレージ × テープストレージという新たなストレージ基盤

クラウドサービスやアプリケーションの利用が進む中で、企業が保有するデータ量はかつてないほど大きくなり、今後も増え続けていくことになるでしょう。
現在、多くのクラウドサービスでストレージ基盤となっているオブジェクトストレージは、容量の拡張性に優れ、データの出し入れも容易ですが、ユーザー視点に立つと、データ運用上の課題もあります。
膨大なデータを一か所に置いたままで「クラウドロックイン」の状態になると、システム障害や攻撃を受けたときのリスクが分散できませんし、他のクラウドサービスを利用するためのデータ移行が大変です。
また、「データの取り出し費用」や「増え続けるデータの保管費用」など、データ量の大きさがコストに反映することも問題です。さらに、機密情報など社外に置くことが難しいデータは「オンプレミスで保管」しなければならず、単純にハイブリッドな環境を構築すれば管理の一元化を妨げることになります。
このような課題を解決し、オブジェクトストレージの長所を最大限に活用するためには、課題の本質である「コスト」と「安全性」、そして「長期的な運用」に優れたストレージ機能を組み合わせることが有効でしょう。
そこで、いま世界でも注目されているのが、オブジェクトストレージとテープストレージを連携した新しいストレージ基盤の形です。容量当たりの単価が安く、ほとんど電力を消費しないテープシステムは、膨大なデータ保管を「低コスト」で実現します。また、物理的なオフライン管理ができるので、システム障害や災害の影響を受けにくい「安全性」にも優れています。メディアとしての技術的進化もめざましく、富士フイルムではテープ一巻あたりの容量も、圧縮時で最大400TBまでのロードマップが引かれているなど、今後訪れるペタバイト時代まで使い続けられる「将来性」も備えています。
そして、このテープストレージとオブジェクトストレージをS3互換APIで連携し、メディアを問わずシームレスに、オブジェクト形式のデータ保管を実現するソフトウエアが「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」なのです。

「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」の特長

「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」を使えば、従来はオンプレミスサーバやクライアントのファイルデータ、メールなどのSaaSデータ、NAS製品の階層化データ、といったそれぞれごとに紐づく形でアーカイブやバックアップを組んでいたものを、S3互換 APIで連携できるものなら何でも統合することが可能です。統合化されたオンプレミス上では、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)のリージョンに該当する論理ボリュームにバケットを作成してデータをアップロードできます。アップロードしたデータは、ストレージクラス「Glacier」として自動的にテープに保管され、論理ボリュームごとに「正・副・予備」までデータの冗長度合いを設定可能で、必要に応じて堅牢性を高めることができます。また、テープの可搬性のメリットを活かして、副(予備)テープを別拠点に送ることで、大容量データを社内ネットワークに負荷をかけず、アベイラビリティゾーン同様に拠点障害対応を取ることが可能です。

運用面でも、S3 API準拠とオブジェクト形式の保存により、現在利用されている多くのクラウドサービスやアプリケーションと、テープストレージを簡単に連携することが可能です。例えばオブジェクトストレージのILM機能であれば、「ファイル名や拡張子」「ファイルが変更されていない時間」「設定サイズより大きいファイル」など、既定されているILMのポリシーを指定するだけで、自動的にテープへの書き込みが行われます。
また、業界標準のAmazon S3と同じ技術を採用しているので、クラウド用アプリケーションをほぼそのまま利用できるのも、自社クラウド構築を考えている企業にとっては大きな利点です。

S3互換APIで磁気テープと連携するとは?

クラウド活用を推進するストレージ基盤を実現

データのサイロ化を解決し、自由なクラウド利用を可能に

現在の、あるいは将来的なハイブリッドクラウド環境を見据えるなら、オブジェクトストレージ+テープストレージには大きな可能性が期待できます。
クラウド活用において、企業が直面する大きな課題の一つが「データのサイロ化」でしょう。ガバナンス単位や利用サービスごとに予算を組んでストレージを導入している状況では、オンプレミスはもちろん、クラウド上でもデータがサイロ化してしまいます。
さまざまなクラウドサービスを自由に選択し利用していくためのストレージ基盤を想定するなら、クラウドで使いたいデータをテープストレージに集約することでデータレイクとして統合化し、利用したいサービスごとにAPIでデータを送る、といった使い方も「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」で可能となります。

分散・サイロ化されたデータを集約しAPIでクラウド活用

セキュアで低コストのリモートワークインフラを構築

また、これからの働き方として定着していくであろうリモートワーク環境も、企業が生産性や業務効率と安全性の両立に努力しなければならない課題となっています。社員が会社から支給されているPCであればVPNで安全性は確保されますが、VPNゲートウェイを設置して全てのデータへのアクセスを行うとなると、構築コストが大きくなってしまいます。また、パブリッククラウドやオープンネットワークを使うことが主となるBYODのような利用環境であれば、全てのデータをパブリッククラウド上に置くことは、セキュリティリスクが大きく困難です。

そのような場合、リモートワーク環境のPCでは画面表示と操作入力のみを行い、データのやり取りはパブリッククラウド上のOSを利用するシンクライアント的な使い方が有効です。セキュリティ上パブリッククラウドに置けないデータをオンプレミスで保有しながら、パブリッククラウド上のOSとS3互換APIでデータをやり取りすれば、オンプレミスへのアクセスポイントにだけVPNゲートウェイを設置すればよいので、構築にコストもかからず、安全で快適なリモートワークが実現できます。

リモートワークでもAIP連携で安全・低コストなデータ活用環境を構築

APIであらゆるバックアップデータを「一か所に集めて貯める」だけでも十分な価値

現状の課題解決という点では、もうひとつ、さまざまなストレージのバックアップ統合という使い方も考えられます。AmazonやBOXなど、クラウドストレージは仕事でも気軽に使われています。事業所や部署単位で個々に利用しているケースも多いでしょうし、データのバックアップを個別に行っていると横断的な使い方ができず、コストも増えてしまいます。企業が利用するクラウドストレージのほとんどはS3互換APIで繋げられるので、オンプレミスも含めて、バックアップを一つのテープシステムに統合するだけでも、コストや冗長性が向上できるのではないかと思います。
また、「貯める」という点に特化するなら、とにかく保管だけしておいて、何かあった時に取り出せればよいIoTのログなどは、センサーからダイレクトに貯められるので構成も容易です。

S3互換APIでバックアップを一元的に統合

クラウドネイティブ時代をむかえ、増え続けるデータの利用価値はますます高まり、企業が求めるクラウド活用の形もさらに多様化していくでしょう。
「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」は、磁気テープの優位性を最大限に活用して企業のストレージ環境をシンプルに統合し、データ運用の制約や閉塞感から解放された自由なクラウド活用を実現できるソリューションです。
データレイクを資源とするAI活用や、公開APIによるモバイルサービス開発、IoTデータ分析から導き出す生産性改革、社内業務の自動化推進など、企業の目的やシステム環境において、新たなデータの「貯め方」「使い方」を見つけていける可能性を備えています。
富士フイルムは、今後もお客さま個々のニーズや課題とともに、「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」で、どのようなデータソリューションを実現できるか、一緒に考え、取り組んでいきたいと思っています。データ保管や運用のお悩み、今後取り組みたいクラウド活用に向けた構想など、ぜひお気軽にご相談ください。