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市場トレンド

大容量で高い拡張性×優れた経済性と安全性
「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」がつなぐ価値

オブジェクトストレージ × テープストレージという新たなデータ活用基盤

膨大なデータの活用力と費用対効果で、クラウドネイティブ時代に注目されているオブジェクトストレージですが、サービスの利用条件やストレージ構成によっては、長所であるはずのデータ活用のしやすさやコストメリットが十分に発揮できなくなることがあります。オブジェクトストレージの利点を引き出し、企業のさまざまな「データを生かす」目的に最適な「データの保管」を実現するために、安価でセキュアなテープストレージのメリットを最大限にもたらすソフトウエアソリューション「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」がどのようなものか、何が実現できるのかを解説します。

オブジェクト形式のテープストレージがもたらす圧倒的なコストパフォーマンス

SNSやデータ共有などのクラウドサービスの利用を通じて、実はすでに多くの企業や個人がデータ保管に利用している「オブジェクトストレージ」。企業の保有データ量がかつてないほど大きくなり、扱うデータの種類も多様化する中で、大容量データの長期保管性と拡張性に優れ、データの出し入れも容易なことから、大きく注目されています。今まで企業がオブジェクトストレージを使うには、クラウドかディスクシステムの導入・構築、というのが一般的でした。そこに「オブジェクト形式でデータ保管するテープストレージ」という新たな選択肢をもたらしたのが「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」です。

磁気テープを記録媒体とするテープストレージは、オールクラウドやオールディスクのストレージと比べて、圧倒的なコストメリットを生み出します。
容量当たりの単価が非常に安く、Information Storage Industry Consortium (INSIC) がまとめた「INSIC Report 2019」で紹介されたストレージシステムのコスト比較では、1PB(ペタバイト)のデータ容量が年間10%ずつ増加し、それを10 年間保管した場合、オールディスクに対して86%、オールクラウドに対しても66%のコストダウンを実現できると示されています。

特にアーカイブデータにおいては、法的義務や将来の資産的活用のために、その保管期間が長期化しています。テープストレージは、実はメディア自体の耐久性・保存性や、運用ベースのランニングコストにおいて、クラウドやディスクストレージよりも優位性を備えており、データライフサイクルの観点から、これらと組み合わせることで圧倒的なコストパフォーマンスを発揮します。

このように、テープストレージは現状のストレージ基盤に部分的に組み込むだけでも十分なコストメリットを生み出します。特にディスクベースのオブジェクトストレージをすでに利用している企業であれば「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」により、データを同じオブジェクト形式のまま、テープストレージをアーカイブ層として運用できます。記録媒体の中でも圧倒的な低コストを実現する磁気テープは、データストレージのTCO削減戦略に新たな可能性を提示します。

記録メディア別の10年間の予想総コスト比較
記録メディア別の10年間の予想総コスト比較図

出展: INSIC ロードマップ INSIC Report 2019

記録メディアのコスト特性比較
記録メディアのコスト特性比較表

2つのストレージの連携で基盤全体のTCOを削減

オブジェクトストレージは、データ容量に応じた柔軟なスケールアウトが可能なことから、容量比のコストパフォーマンスが高いストレージですが、見過ごされがちな課題もあります。一つは、クラウドベースのオブジェクトストレージを利用した場合や企業のデータ運用方法次第で、本来のコストメリットが見いだせなくなることです。もう一つは、増え続ける一方の企業データに対して、運用管理のTCO最適化も継続的な問題になること。これらの課題を解決するのがテープストレージとの連携です。

データ記憶領域の「圧迫」コスト

どんな形式のデータでも、「タグ」となる豊富なメタデータと組み合わせて放り込めて、すぐに取り出せるのがオブジェクトストレージです。しかし、ストレージ一般の問題として、ほとんど触れられないコールドデータに圧迫され、頻繁に更新されるホットデータが容量の2 ~3割になってしまう課題は残ります。Webサービスやアプリケーションとの親和性が高いオブジェクトストレージだからこそ、その用途を活性データに集約すべきです。コールドデータに埋もれたストレージ容量は、「隠れたコスト」と言えます。

こうしたストレージ内のデータを分類・整理し、その中のコールドデータを「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」でテープストレージにアーカイブすることで、オブジェクトストレージ容量の効率化が図れます。

クラウドベースの場合は、「動かす」コストも重要に

また、すでに多くの企業が利用しているクラウドベースのオブジェクトストレージの場合には、「データ移動のコスト」にも注意が必要です。アーカイブのためのクラスは保管容量に対する費用対効果が高い設定になっていますが、反面、データを取り出す際のダウンロードコストがかかります。動かすデータ量が大きくなれば、その費用も比例して大きくなります。結果的にクラウドロックインの状態になり、DXで期待されるデータ分析やサービス利用に、予定外のコストがふくらむという課題が、近年は多く聞かれるようになってきました。

そこで、オンプレミスのテープストレージでオブジェクト形式のデータを保有しておき、「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」によって必要なデータを必要なサービスへ適材適所に配置するという柔軟な運用が、大きな解決策になります。

クラウドロックインを避けデータ運用を効率化
クラウドロックイン回避説明図
ストレージの7~8割はコールドデータ
ホットデータとコールドデータの比率

「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」の機能的特長
─S3互換API によるデータ統合─

さらに、「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」がもたらす価値としては、企業のデータ運用基盤の統合があります。従来はオンプレミスサーバやクライアントのファイルデータ、メールなどのSaaS データ、NAS製品の階層化データ、といったそれぞれにひもづく形でアーカイブやバックアップを組んでいたものを、S3互換APIで連携できるものなら何でも統合することが可能です。

統合化されたオンプレミス上では、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)のリージョンに該当する論理ボリュームにバケットを作成してデータをアップロードできます。アップロードしたデータは、ストレージクラス「Glacier」として自動的にテープに保管され、論理ボリュームごとに「正・副・予備」までデータの冗長度合いを設定可能で、必要に応じて堅牢性を高めることができます。また、テープの可搬性のメリットを生かして、副(予備)テープを別拠点に送ることで、社内ネットワークに負荷をかけず、アベイラビリティゾーン同様に拠点障害対応を取ることが可能です。

運用面でも、S3互換APIとオブジェクト形式でのデータ保管により、現在利用されている多くのクラウドサービスやアプリケーションと、テープストレージを簡単に連携することができます。例えばオブジェクトストレージのILM機能であれば、「ファイル名や拡張子」「ファイルが変更されていない時間」「設定サイズより大きいファイル」など、既定されているILMのポリシーを指定するだけで、自動的にテープへの書き込みが行われます。

また、業界標準のAmazon S3と同じ技術を採用しているので、クラウド用アプリケーションをほぼそのまま利用できるのも、自社クラウド構築への移行を考えている企業にとっては大きな利点です。

セキュリティ強化への期待 ─ランサムウェア対策─

近年、DXの発展やテレワークの定着により、サイバー攻撃の脅威が増加しています。IoTの普及やワークスペースの広がりは、企業に新たなネットワークを生みだし、セキュリティリスクを拡大しているとも言えます。中でも企業に甚大な被害をもたらす脅威として挙げられるのが、コンピュータのデータを勝手に暗号化して使えないようにし、データの暗号化を解除する条件として金銭を要求するランサムウェアです。

ランサムウェアは、感染したコンピュータに物理的に接続されているストレージ、またはネットワークを経由してアクセス可能なストレージのデータをすべて暗号化してしまいます。パソコン内蔵のハードディスクやSSDだけでなく、データセンターにあるファイルサーバーのデータや、パブリッククラウドのオンラインストレージも、コンピュータのネットワークドライブとしてデータを書き込める状態になっていれば、暗号化されてしまうおそれがあります。

このような手口の犯罪に対し、オフラインの物理的な隔離(エアギャップ)を作れるテープストレージにバックアップデータを保管することは有効な手段です。
これによりランサムウェアに感染した場合でも、コンピュータのストレージを完全に消去・初期化してランサムウェアの存在を消し去ったのちにバックアップデータを復元すれば、データ消失という最悪の事態を回避できます。

さらに、潜伏型の巧妙な攻撃も警戒するなら、ディスクイメージを丸ごとオフラインにバックアップするだけでなく、重要なデータファイルだけをコンピュータから物理的に隔離しておくと、ランサムウェア対策の効果はより高まります。「FUJIFILM オブジェクト アーカイブ」により、テープストレージとの連携をストレージ基盤に組み込み、オフライン環境にデータを保管するという選択肢はマルウェアから企業のデータ資産を守る上でも重要です。

ランサムウェア対策