ハイブリッドクラウド化が先行する欧米では、テープへのデータ保管運用は既に標準的なクラウドエコシステムの一部となっています。
クラウドとテープストレージを組み合わせて活用することで、企業が長期的なデータ保管をするにあたって大きなメリットを得られます。
その詳細について解説いたします。
クラウドテクノロジーは、データ管理にも大きな変革をもたらしました。欧米では、10年ほど前には、ほとんどのデータはファイルシステム上に保管され、ネットワーク共有によって管理されていました。しかし、今日では、オブジェクトベースのデータ管理がファイルシステムよりも一般的となり、より大規模な管理を従来よりもシンプルに行えるようになっています。テープ業界では、これらのテクノロジーを活用し、クラウドとのシームレスなインターフェースを備えた製品を提供しています。これらの製品では、業界標準のAPIを利用して、テープとクラウドの間で、データの移動と管理を行うことができます。テープへのデータ保管は、クラウドエコシステムの一部と位置付けられ、ネイティブクラウドアプリケーションから、特別な技術や専用のソフトウエアを必要とすることなく、テープにデータの読み書きを行うことができます。クラウドテクノロジーとテープテクノロジーを組み合わせて活用することにより、スケーラブルで、安全なデータ運用を、低コストで実現できます。
デジタルデータを長期にわたってアーカイブ管理することは、企業にとって重要な必須課題です。企業には、データ保管に関する法的責任と義務が生じており、データの漏えい、侵害や損失が発生した場合には、巨額の制裁や損失などが生じる場合もあります。企業は、技術やサービスの障害発生に対する、責任と経済的負担に備えなければなりません。
CIO(最高情報責任者)やデータ保護責任者は、マルチクラウドおよびハイブリッドクラウドに広く点在するデータのコンプライアンスを確保し、法的課題に対処することが求められます。これらの課題に関しさまざまな意思決定が必要とされる一方で、実践的なガイドラインはあまりありません。ハイブリッドクラウドコンピューティングの世界における、データのアーカイブとセキュリティの課題に対処するには、次のような指針が役立ちます。
重要な要素のほとんどはコストとスケール、そしてセキュリティである
- コスト
- 多くの企業では、価値を計ることができないデータの保管コストの評価に苦慮しています。近年では、日々生成されるデータ量が爆発的に増加しています。それらのすべてに長期的な価値があるかどうか・・・
- スケール
- アーカイブ戦略には、スケーラビリティが求められます。データの平均増加量は年率30%と言われており、現在の1PBは、10年後には13PBとなります。ITコストが比較的据え置かれる現状では・・・
- セキュリティ
- 米国国立標準技術研究所(NIST)のコンピュータセキュリティ部門では、連邦情報セキュリティ管理法(FISMA)のためのテクノロジーガイダンスを提供しています。例えば・・・