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検査サービス

国内各地の検査ラボで、形態学、微生物学、血液学、尿など約300項目の検査を受託しています。全国の獣医療施設から直接検体を集荷して検査し、迅速に検査結果をお返しします。  

ウサギの採血方法

参考基準範囲

分類 項目 参考基準範囲 単位
生化学19項目 総蛋白(TP) 5.9~7.8 g/dL
アルブミン(Alb) 4.6~6.3
A/G比 2.0 ~6.5 -
総ビリルビン(T‐Bil) 0.0~0.4 mg/dL
AST(GOT) 0~36 U/L
ALT(GPT) 12~72
ALP 25~81
γ-GTP(GGT) 0~18
リパーゼ(Lip) 71~296
尿素窒素(BUN) 10.9~28.0 mg/dL
クレアチニン(Cre) 0.6~1.4
総コレステロール(T‐Cho) 0~74
中性脂肪(TG) 28~222
カルシウム(Ca)*1 13.4~16.0
無機リン(IP) 1.6~4.1
血糖(Glu) 115~214
ナトリウム(Na) 140~149 mEq/L
カリウム(K) 3.7~5.5
クロール(Cl) 98~113
血球計算 白血球数 2700~8500 /μL
赤血球数 498~710 ×104/μL
ヘモグロビン 11.9~15.7 g/dL
HCT(ヘマトクリット) 34.3~50.4 %
MCV 63.3~74.5 fL
MCH 20.7~24.1 pg
MCHC 30.7~34.7 %
血小板 14.6~61.9
×104/μL

 

  • *1 Caについては、現時点では臨床的意義が明確になっておらず、今後検討の余地があります。

ウサギの診療において、ポイントとなる特有の生化学項目

Glu

移動や診察などの軽いストレスでも高値となることがあります。また異物などによる急性腸閉塞でも、顕著に上昇します。消化管うっ滞のある症例では、高血糖は肝リピドーシスを示している可能性があるため、予後が悪くなります。
ウサギのアミラーゼは主に唾液中に含まれており、膵臓の役割は他の種よりも重要ではありませんが、膵炎などで血糖異常を引き起こす可能性があります。低血糖は、末期粘液性腸疾患・肝不全・その他慢性疾患で発生する可能性があります *2

T-Cho・TG

高値の原因として、脂肪が多い食事・肥満・肝疾患などの可能性があります。採食不良による高T-Cho・TG血症は末期の肝リピドーシスの可能性があり、予後不良の指標となります。また、膵炎・糖尿病・ネフローゼ症候群・慢性腎臓病とも関連しています。一方、低T-Cho・TG血症は肝不全・慢性栄養失調・妊娠中でみられることがあります*2 *3

BUN

様々な原因で腎不全がみられますが、腎臓に肉芽腫病変を形成するエンセファリトゾーン症にも注意が必要です。その他、高BUNとなるのは、脱水や慢性間質性腎炎・糸球体腎炎・腎盂腎炎・腎結石・尿路結石などです。BUNが高いウサギは正常なウサギに比べ、生存率が低く、予後指標になり得ます*4

Ca*5

他の哺乳動物に比べ、ウサギのCa代謝は独特です。ウサギのCa値は他の動物より30~50%高く、変動幅も大きいといわれています。
実際、富士フイルムVETシステムズで今回設定したCaの参考基準範囲は13.4~16.0mg/dLと、犬猫の基準範囲に比べると高めです。犬猫では、VitDによるCa濃度調整が一般的ですが、ウサギではVitDの存在有無にかかわらず、腸管からCaを非常に良く吸収することがウサギでCaが高値となる理由です*2 *6 *7。 

  • *2 Melillo, Alessandro. “Rabbit Clinical Pathology.” Journal of exotic pet medicine vol. 16,3 (2007): 135-145. doi:10.1053/j.jepm.2007.06.002
  • *3 Frances Harcourt-Brown(2001), 「Textbook of Rabbit Medicine」より引用
  • *4 Zoller, Graham et al. “Evaluation of blood urea nitrogen concentration and anorexia as predictors of nonsurvival in client-owned rabbits evaluated at a veterinary referral center.” Journal of the American Veterinary Medical Association vol. 255,2 (2019): 200-204. doi:10.2460/javma.255.2.200
  • *5 Caについては、現時点では臨床的意義が明確になっておらず、今後検討の余地があります。
  • *6 Eckermann-Ross, Christine. “Hormonal regulation and calcium metabolism in the rabbit.” The veterinary clinics of North America. Exotic animal practice vol. 11,1 (2008): 139-52, vii. doi:10.1016/j.cvex.2007.09.002
  • *7 Kumiko S.(2000), Feeding Management of Rabbit:動物臨床医学9(1)1-6

【監修】みわエキゾチック動物病院 院長 三輪恭嗣先生