富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、臨場感溢れる超高精細8K映像の撮影を実現する放送用ズームレンズ「FUJINON HP66×15.2-ESM」(以下、「HP66×15.2」)と「FUJINON HP12×7.6ERD-S9」(以下、「HP12×7.6」)を新たに開発しました。
「HP66×15.2」は、世界最高*166倍ズーム・世界最望遠*11000mmのボックスタイプで、「HP12×7.6」は、世界最広角*17.6mm-望遠91mmをカバーするポータブルタイプです。なお、「HP66×15.2」は2020年夏、「HP12×7.6」は同年秋の発売を予定しています。
今後、富士フイルムは、最先端の映像表現の領域で培ってきた光学技術を活かし、高性能な放送用レンズのラインアップのさらなる拡充を進め、放送業界をリードしていきます。
- *1 8K対応の放送用レンズとして。2020年4月16日時点。当社調べ。
![[画像]](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2020-04/99156688a2e723a104ed40124ae6d100/200416_01_01.jpg)
現在、スポーツ中継やライブ・コンサート中継、ドキュメンタリー番組を中心に、高精細映像の普及がワールドワイドで進んでいます。日本において2018年12月に「新4K8K衛星放送」*2が開始され、また、中国でも8K放送の実用化に向けた動きが加速するなど、4K・8K映像のさらなる普及が期待されています。このような中、4K・8K対応の高性能な撮影機材に対するニーズが高まっており、特に4Kの4倍の解像度となる8K映像の撮影には、非常に高い光学性能を備えたレンズが求められています。
富士フイルムは、長年培ってきた高度な光学技術を駆使し、2001年に8K対応放送用レンズを開発。その後、ラインアップを拡充し、放送業界の高画質化を牽引してきました。
今回開発した「HP66×15.2」と「HP12×7.6」は、超高精細8K映像の撮影が可能な放送用ズームレンズです。8K対応の解像力のみならず、鮮やかな色再現と高いコントラストを実現しているため、ハイダイナミックレンジ(HDR)を活かした階調豊かな映像制作を可能とします。また、本年3月に発売したフォーカスデマンド*3「FUJINON EPD-51A-D02/F02」との組み合わせにより、精緻なフォーカシングが可能。高いピント精度が求められる8K映像の撮影を快適に行うことができます。
「HP66×15.2」は、15.2mmから世界最望遠1000mmまでの焦点距離をカバーするボックスタイプです。世界最高66倍ズームを実現しているため、遠く離れたスポーツ選手の決定的なプレーなどをとらえます。また、「HP12×7.6」は、世界最広角7.6mmから91mmまでの焦点距離を備えたポータブルタイプで、スタジアムなどを広く映した撮影が可能です。
富士フイルムが提供するフジノンレンズは、これまで高い描写力が評価され、世界中の映画、TVCM、スポーツ中継などのさまざまな撮影現場で採用されています。今後も、富士フイルムは、4K・8K対応レンズラインアップのさらなる拡充を進め、多様化する映像制作ニーズに応えていきます。
- *2 「新4K8K衛星放送」は、BS・110度CSで開始された4K・8K放送のこと。
- *3 放送用レンズのアクセサリーで、手元でフォーカスを調整するためのコントローラーのこと。
記
1. 開発品名、発売時期
開発品名 | 発売時期 |
---|---|
8K対応放送用ズームレンズ「FUJINON HP66×15.2-ESM」 | 2020年夏 |
8K対応放送用ズームレンズ「FUJINON HP12×7.6ERD-S9」 | 2020年秋 |
2. 「HP66×15.2」と「HP12×7.6」の主な特長
(1)臨場感溢れる超高精細8K映像の撮影を実現する放送用ズームレンズ
- ナノレベルの精度でレンズ表面を研磨する精密加工技術や、複数のレンズ群を正確に配置し筐体に組み込む機械設計・組立技術などを駆使することで、臨場感溢れる超高精細8K映像の撮影を実現します。
- 非球面レンズと蛍石レンズにより、画像の歪みや周辺解像力の低下を徹底的に抑制。さらに、撮影距離に応じて複数のレンズ群を制御する「フローティングフォーカス方式」を採用しているため、撮影距離の違いによる性能変化を極限まで抑え、近距離から無限遠までシャープな映像を提供します。
- 当社独自の多層コーティング処理「HT-EBC(High Transmittance Electron Beam Coating)」をレンズ表面に施し、光の透過率を向上させたことで、鮮やかな色再現と高いコントラストを実現。HDR を活かした階調豊かな映像制作が可能です。
- 「HP66×15.2」は、15.2mmから世界最望遠1000mmまでの焦点距離をカバーするボックスタイプです。世界最高66倍ズームを実現しているため、遠く離れたスポーツ選手の決定的なプレー、ライブステージ上のアーティストの表情や仕草などをとらえます。また、「HP12×7.6」は、世界最広角7.6mmから91mmまでの焦点距離を備えたポータブルタイプで、スタジアムやライブ会場を広く映した撮影が可能です。
![[画像]](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2020-04/395099057cf6ca6c3cf601a3fa60b173/200416_01_02.jpg)
(2)高性能なフォーカスデマンドや光学式防振機構により快適な8K映像撮影を実現
- 手元でフォーカスの調整を行えるフォーカスデマンド「FUJINON EPD-51A-D02/F02」との組み合わせにより、精緻なフォーカシングが可能。高いピント精度が求められる8K映像の撮影を快適に行えます。
- 高倍率ズームレンズで採用し好評いただいている、高性能な光学式防振機構を搭載。風や足場の揺れによる映像のブレをタイムラグなく的確に補正し、安定した映像撮影を実現します。
(3)9枚絞り羽根採用による自然なボケ味を実現
- 9枚絞り羽根を採用することで、円形に近い絞り形状を実現。より自然なボケ味を活かした映像表現が可能です。
(4)16bit エンコーダー*4を標準装備
- ズームやフォーカスの位置情報などのレンズデータを高分解能で出力できる16bit エンコーダーを標準装備。CG 映像とライブ映像を合成するバーチャルスタジオなど、さまざまなシステムと連携可能です。
- *4 位置情報をデジタル信号に変換するセンサー。16bitの精度で分割して、ズーム・フォーカスの位置情報を電気信号で送出。
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