日本

デンマーク拠点のバイオ医薬品の製造設備を大幅増強

1,000億円の大型投資でバイオ医薬品の開発・製造受託事業の拡大を加速

原薬の生産能力を倍増、原薬から製剤・包装までワンサイト・ワンストップで対応できる受託体制も確立

ニュースリリース

2020年6月9日

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、バイオ医薬品*1の開発・製造受託事業の拡大を加速させるため、バイオ医薬品CDMO*2の中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(以下FDB)のデンマーク拠点に約1,000億円の大型設備投資を行います。本投資は、原薬製造設備の増設や製剤製造ラインの新設など、バイオ医薬品製造設備を大幅に増強するものです。
富士フイルムは、増強した製造設備を2022年から2023年にかけて順次稼働させ、デンマーク拠点におけるバイオ医薬品の原薬生産能力を倍増させるとともに、同拠点にて原薬から製剤・包装までワンサイト・ワンストップで製造受託が行える体制を構築します。

富士フイルムは、FDBの米国(ノースカロライナ州・テキサス州)や英国(ビリンガム市)の3拠点に対して、バイオ医薬品の生産能力増強や高効率・高生産性の技術開発のための投資を積極的に行い、バイオ医薬品の開発・製造受託の事業拡大を進めています。2019年8月には、20,000リットル動物細胞培養タンク6基などの大量生産設備や優れた人材を有する、バイオ医薬品大手Biogen Inc.の製造子会社を約980億円で買収。FDBの第4の拠点(デンマーク拠点)として始動させています。現在、デンマーク拠点の高度な製造インフラや豊富な製造実績に、FDBが持つ、高品質な医薬品を安定的に提供できる技術などを掛け合わせることで、新規顧客や既存顧客からの新薬製造受託、新型コロナウイルス感染症の治療推進プロジェクト*3からの治療薬製造受託も獲得し、受注を急拡大させています。

今回、富士フイルムは、受注拡大や今後も高まる受託ニーズに対応するため、デンマーク拠点に約1,000億円を投じてバイオ医薬品の製造設備を大幅に増強します。
まず、デンマーク拠点の原薬の生産能力を倍増するために、原薬製造ラインを拡張し、既存の動物細胞培養タンクと同サイズのタンクを6基増設します。これにより、デンマーク拠点は20,000リットル動物細胞培養タンクを12基保有し、CDMO業界、さらにはバイオ医薬品業界でも数少ない大規模な原薬製造拠点となります。
また、新棟を建設し、デンマーク拠点で初めて製剤化に対応した大型製剤製造ラインを新設。約3,500万本/年の充填ができる最新鋭の全自動型製剤製造システムの採用により、大量受託を可能とします。さらに、包装ラインには、薬液が充填されたシリンジ(注射器)を多品種のオートインジェクター*4へ組立可能な装置や汎用性の高い自動ラベル貼付・梱包設備などを導入し、幅広い顧客ニーズに応えていきます。
富士フイルムは、これらの設備投資を通じて、バイオ医薬品の原薬から製剤・包装までワンサイト・ワンストップで大量生産できる体制をデンマーク拠点にて構築し、顧客の利便性をより一層向上させることで、さらなる事業成長を図っていきます。

富士フイルムは、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の生産プロセスを開発し、少量生産から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを活かして、バイオCDMO事業*5で掲げていた2021年度売上目標1,000億円を達成します。さらに、今回の設備投資による増収効果なども加えて、2025年度には2,000億円以上の売上を目指していきます。今後も高品質な医薬品の安定供給を通じて、医薬品産業のさらなる発展に貢献していきます。

  • *1 低分子医薬品では実現できない作用を持つ、たんぱく質などの生体分子を活用した医薬品。インスリンや成長ホルモンの他に、ワクチン、抗体医薬品、遺伝子治療薬などを含む。
  • *2 Contract Development & Manufacturing Organizationの略。薬剤開発初期の細胞株開発から生産プロセス開発、安定性試験、治験薬の開発・製造、市販薬の製造までの幅広いサービスを製薬企業などに提供する。
  • *3 ビル&メリンダ・ゲイツ財団がウェルカム財団やMastercardと立ち上げた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療推進プロジェクト「COVID-19 Therapeutics Accelerator」。本プロジェクトは、COVID-19に対する治療薬などの迅速な開発・製造を支援するもの。
  • *4 自動注射器のことで、注入ボタンを押したり、皮膚に押し当てたりすることで、薬液を注入できる製剤(あるいは剤形)のこと。
  • *5 バイオ医薬品のみならず、低分子医薬品の開発・製造受託も含む。
【設備投資の概要】

1. 拠点

FUJIFILM Diosynth Biotechnologies のデンマーク拠点
(現在、「Biogen (Denmark) Manufacturing ApS」であるが、各国の薬事当局への届出を経て「FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApS」に社名を変更予定)

2. 所在地

デンマーク ヒルロッド市

3. 総投資金額

約1,000億円

4. 投資内容

【原薬製造ライン】
・既存建屋の増床
・20,000リットル動物細胞培養タンク(6基)などの導入

【製剤製造ライン】
・新棟の建設
・全自動型製剤製造システムの導入

【包装ライン】
多品種のシリンジ用デバイスの組立が可能な機器や自動ラベル貼付・梱包装置などの導入

5. 着工時期

2020年6月

7. 稼働時期

原薬製造ライン:2023年秋
製剤製造ライン:2023年夏
包装ライン:2022年春

(参考)FUJIFILM Diosynth Biotechnologies概要

FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)は、英国・米国・デンマークに拠点を有し、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行っています。30年以上にわたる実績・経験を持ち、業界をリードする独自の高生産性技術「pAVEway™」「Apollo™X」を活用した細胞株開発からプロセス開発、治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスを提供しています。
FDBは、英国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(FDBK)、米国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(FDBU)とFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC(FDBT)*、デンマークのBiogen (Denmark) Manufacturing ApS(FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSに社名を変更予定)で構成されており、FDBKとFDBUは三菱商事株式会社より20%の出資を受けています。

  • * FDBTはFDBUの100%子会社。

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