日本

高感度で迅速な新型コロナウイルスの抗原検査キットの開発を開始

写真現像の銀塩増幅技術を応用

ニュースリリース

2020年10月5日

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キットの開発を開始しました。写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅技術を応用した「銀増幅イムノクロマト法*1」により、迅速かつ高感度検出が可能な新型コロナウイルス抗原検査キットの早期実用化を目指します。なお、本検査キットの開発にあたり、公立大学法人横浜市立大学(神奈川県横浜市)より新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を検出できる抗体の提供を受けます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、今年1月28日に日本国内で指定感染症と定められました。また、3月11日にはWHOによりCOVID-19の感染拡大がパンデミック(世界的大流行)に至っていると認定されました。8月28日に政府が公表した「対策パッケージ」において、季節性インフルエンザとの同時流行に備え、新型コロナウイルスの検査の拡充について、簡易な抗原検査を1日平均20万件程度とするとされています。

抗原検査は、迅速に検査を実施でき、その場で結果を確認できるというメリットがありますが、PCR検査に比べて感度が低く、その高感度化が求められています。

富士フイルムは、2011年から独自の「銀増幅イムノクロマト法」を用い、インフルエンザなどの感染症を対象とした「感染症迅速検査装置」および専用試薬を販売しています。発生初期などのウイルスや細菌の量が少ない状態でも検出でき、15分以内と短時間で判定結果が得られる高感度な抗原検査システムとして、多数の医療機関でご使用いただいています。

さらに、近年では「銀増幅イムノクロマト法」を応用した目視で検査可能な装置不要の「結核迅速診断キット」を欧州薬事*2へ適合させました。尿を検体とし微量な結核菌特有成分を目印となる標識と結合させ、その周りに大きな銀粒子を生成させることで、高感度検出を実現。現在、開発途上国への供給に向けてWHOの推奨を取得するための臨床評価を各国の研究機関にて実施しています。

今回当社は、新型コロナウイルスの抗原に対しても、「銀増幅イムノクロマト法」を応用することで抗原検査の高感度化が可能なことを確認しました。今後、検体中の新型コロナウイルス抗原の有無を迅速かつ、高感度に検査可能な抗原検査キットの開発を進めます。

【今回開発する抗原検査キットに応用する銀増幅技術】
[図]今回開発する抗原検査キットに応用する銀増幅技術

富士フイルムグループは、これまでPCR検査用試薬や、全自動で簡便・迅速なPCR検査が可能な全自動遺伝子解析装置「ミュータスワコー g1」*3用の検査試薬を供給し、新型コロナウイルス検査の迅速化に貢献してきました。今後も医療現場のニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて、新型コロナウイルス検査の効率化と医療の質の向上に貢献していきます。

  • *1 イムノクロマト方式とは、試薬に滴下した検体(鼻腔ぬぐい液など)中に被検物質(ウイルス等)が存在すると、試薬中の標識抗体と結合して抗原抗体複合体が生成され、この複合体があらかじめ検出ライン上に線状に塗布された抗体に捕捉されると、陽性(抗原あり)を示す色付きのラインが表示される検査方式のこと。簡便迅速に結果を得られることから、処置を急ぐ必要がある感染症の検査に多用されている。
  • *2 欧州連合(EU)の体外診断用医療機器指令98/79/EC(IVDD)
  • *3 医療機器届出番号 27B3X00024000016 製造販売業者 富士フイルム和光純薬株式会社

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