日本

英国拠点に遺伝子治療薬専用のプロセス開発・原薬製造施設を新設

最先端医療の遺伝子治療分野の受託ビジネスを欧州に展開

2021年春より受託サービスを開始

ニュースリリース

2020年10月7日

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、バイオ医薬品*1の開発・製造受託事業をさらに拡大するため、バイオ医薬品CDMO*2の中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ、以下FDB)の英国拠点に設備投資を行い、遺伝子治療薬専用のプロセス開発および原薬製造の施設を新設します。今後、本施設を順次稼働させ、2021年春に生産プロセス開発、同年秋に原薬製造の受託を開始する予定です。

富士フイルムは、今回の設備投資を通じて、遺伝子治療分野の受託ビジネスの展開エリアを、従来の米国市場のみならず、欧州市場にも拡大させ、事業成長を加速させていきます。

遺伝子治療薬は、疾患の原因となる遺伝子を持った患者に、ウイルス*3などを利用して外部から正常な遺伝子を導入することで疾患を治療する、最先端のバイオ医薬品です。遺伝子治療薬の製造には、複数の遺伝子を細胞に導入する高度なバイオテクノロジーやウイルスの封じ込め技術・設備などが求められ、また製造に最適なプロセスの開発も必要であることから、優れた技術と設備を有するCDMOに遺伝子治療薬の生産プロセス開発と製造を一括して委託するニーズが高まっており、受託ビジネスの需要も急伸しています。

富士フイルムは、2014年に米国市場で遺伝子治療薬のプロセス開発・製造受託ビジネスを開始しました。現在、さらなるビジネス拡大を図るため、FDBの米国テキサス拠点に遺伝子治療薬専用のプロセス開発棟の新設と製造設備の増強を進めています。2021年には遺伝子治療薬の生産プロセス開発から原薬製造、製剤化までをワンストップで受託できる体制を構築する計画です。

今回、富士フイルムは、欧州市場においても遺伝子治療薬のプロセス開発・製造受託ビジネスを展開するため、FDBの英国拠点に同薬専用のプロセス開発および原薬製造の施設を新設します。本施設には、細胞培養・精製のプロセス条件の実験・分析機器や細胞培養タンクなどを導入するとともに、FDBの米国テキサス拠点で培ってきた遺伝子治療薬のプロセス開発ノウハウや製造技術も投入。生産プロセス開発から、初期の臨床試験に用いる治験薬などの原薬製造までを行い、顧客の新薬の早期開発を支援していきます。さらに、現地の受託要請や顧客の新薬開発の進展などに応じて、大量生産に必要な原薬製造設備のさらなる増強も検討していきます。

今後、富士フイルムは、FDBの英国拠点および米国テキサス拠点の設備を活用して、遺伝子治療薬の開発・製造受託ビジネスを拡大していきます。

富士フイルムは、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の生産プロセスを開発し、少量生産から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを生かしてさらなる事業成長を図るとともに、高品質な医薬品の安定供給を通じて顧客の新薬創出をサポートし、アンメットメディカルニーズへの対応など社会課題の解決、さらにはヘルスケア産業の発展に貢献していきます。

  • *1 低分子医薬品では実現できない作用を持つ、たんぱく質などの生体分子を活用した医薬品。インスリンや成長ホルモンの他に、ワクチン、抗体医薬品、遺伝子治療薬などを含む。
  • *2 Contract Development & Manufacturing Organizationの略。薬剤開発初期の細胞株開発から生産プロセス開発、安定性試験、治験薬の開発・製造、市販薬の製造までの幅広いサービスを製薬企業などに提供する。
  • *3 遺伝子を体内の細胞へ導入する際に、正常な遺伝子を内包したウイルスを運び屋として用いる。運び屋としてのウイルスは、ウイルスベクターと呼ばれ、アデノ随伴ウイルス(AAV)やレンチウイルスなどが用いられる。
【新設する遺伝子治療薬専用のプロセス開発・原薬製造施設の概要】

1. 拠点名

FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited (英国ビリンガム市)

2. 導入機器

生産プロセス開発設備:細胞培養・精製のプロセス条件の実験・分析機器など
原薬製造設備:細胞培養タンク(10ℓ×1基、50ℓ×1基)など

3. 着工時期

2020年12月

4. 稼働時期

生産プロセス開発施設:2021年春
原薬製造施設: 2021年秋

(参考)FUJIFILM Diosynth Biotechnologies概要

FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)は、英国・米国・デンマークに拠点を有し、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行っています。30年以上にわたる実績・経験を持ち、業界をリードする独自の高生産性技術「pAVEway™」「Apollo™X」を活用した細胞株開発からプロセス開発、治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスを提供しています。

FDBは、英国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(FDBK)、米国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(FDBU)とFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC(FDBT)*、デンマークのBiogen (Denmark) Manufacturing ApS(FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSに社名を変更予定)で構成されており、FDBKとFDBUは三菱商事株式会社より20%の出資を受けています。

  • * FDBTはFDBUの100%子会社。

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