日本

バイオ医薬品の大型製造拠点を米国に新設

2,000億円を超える大規模投資で、バイオ医薬品の開発・製造受託の事業成長を一段と加速

原薬の大量製造に対応、原薬製造から製剤化・包装までワンサイト・ワンストップで受託可能

ニュースリリース

2021年1月7日

富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、バイオ医薬品※1の開発・製造受託の事業成長を一段と加速させるため、2,000億円を超える大規模投資を米国で行い、バイオ医薬品の大型製造拠点を新設します。

新拠点は、原薬の大量製造に加えて、拠点内で原薬製造に続く製剤化・包装までを一貫して受託できる「ワンサイト・ワンストップ」の体制を備える拠点です。2025年春に、バイオ医薬品CDMO※2の中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(以下FDB)の拠点として稼働する予定です。

バイオ医薬品は、副作用が少なく高い効能が期待できることから、大きな市場成長が見込まれています。バイオ医薬品の製造には、高度な生産技術と設備が必要とされるため、グローバルに製薬会社やバイオベンチャーは優れた技術と設備を保有するCDMOにプロセス開発や製造を委託するケースが増えています。また、「注文から納品までのリードタイムをさらに短縮させたい」「原薬製造のみならず製剤化や包装も委託したい」といった声もあり、顧客ニーズが多様化しています。

富士フイルムは、FDBの米国(ノースカロライナ州・テキサス州)、英国(ビリンガム市)、デンマーク(ヒルロッド市)の4拠点に、バイオ医薬品の生産能力増強や高効率・高生産性技術の開発の投資を積極的に行い、バイオ医薬品の開発・製造受託事業の拡大を進めています。2020年6月には、欧州市場の受託ニーズに応えるため、デンマーク拠点に約1,000億円の設備投資を決定。現在、原薬の生産能力を大幅に増強するとともに、拠点内で原薬製造から製剤化・包装までを一貫して対応できる受託体制を構築中です。

今回、富士フイルムは、世界最大のバイオ医薬品市場である米国のFDB拠点の近郊に、新たに2,000億円を超える大規模投資を行い、バイオ医薬品の大型製造拠点を建設します。

新拠点には、FDBの米国内拠点として最大となる20,000リットル動物細胞培養タンクを8基導入。大量の原薬製造受託に対応します。さらに、今後同サイズの培養タンクを最大32基まで拡張できる拠点とし、受注の増加にもフレキシブルに対応していきます。

また、大型の製剤製造ラインや多様な製品形態に対応する包装ラインを設置します。具体的には、年間3,000万本以上の充填ができる最新鋭の全自動型製剤製造システム、薬液が充填されたシリンジ(注射器)を多品種のオートインジェクター※3へ組立可能な装置や汎用性の高い自動ラベル貼付・梱包設備などを導入し、幅広い顧客ニーズに応えていきます。

富士フイルムは、バイオ医薬品市場で大きなシェアを占める米国・欧州で、「ワンサイト・ワンストップ」の受託体制を備えた大型製造拠点を構築し、さらなる事業成長を図っていきます。

富士フイルムは、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の生産プロセスを開発し、少量生産から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを生かして、2024年度にバイオCDMO事業※4で2,000億円の売上を目指します。さらに、今回の設備投資による増収効果なども寄与する2025年度以降も、バイオCDMOの市場成長を大幅に上回る年率20%の成長率で事業を拡大していきます。今後も高品質な医薬品の安定供給を通じて、医薬品産業のさらなる発展に貢献していきます。

  • ※1 低分子医薬品では実現できない作用を持つ、たんぱく質などの生体分子を活用した医薬品。インスリンや成長ホルモンの他に、ワクチン、抗体医薬品、遺伝子治療薬などを含む。
  • ※2 Contract Development & Manufacturing Organizationの略。薬剤開発初期の細胞株開発から生産プロセス開発、安定性試験、治験薬の開発・製造、市販薬の製造までの幅広いサービスを製薬企業などに提供する。
  • ※3 自動注射器のことで、注入ボタンを押したり、皮膚に押し当てたりすることで、薬液を注入できる製剤(あるいは剤形)のこと。
  • ※4 バイオ医薬品のみならず、低分子医薬品の開発・製造受託も含む。
【新拠点の概要】

1. 場所

米国

2. 総投資金額

2,000億円超

3. 設備

【原薬製造ライン】
・20,000リットル動物細胞培養タンク(8基)などの導入
【製剤製造ライン】
・全自動型製剤製造システムの導入
【包装ライン】
多品種のシリンジ用デバイスの組立が可能な機器や自動ラベル貼付・梱包装置などの導入

4. 稼働時期

2025年春

(参考)FUJIFILM Diosynth Biotechnologies概要

FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)は、英国・米国・デンマークに拠点を有し、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行っています。30年以上にわたる実績・経験を持ち、業界をリードする独自の高生産性技術「pAVEway™」「Apollo™X」を活用した細胞株開発からプロセス開発、治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスを提供しています。

FDBは、英国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(FDBK)、米国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(FDBU)とFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC(FDBT)*、デンマークのBiogen (Denmark) Manufacturing ApS(FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSに社名を変更予定)で構成されており、FDBKとFDBUは三菱商事株式会社より20%の出資を受けています。

  • * FDBTはFDBUの100%子会社。

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