富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、新開発デジタル・ドライブユニット「S10」を搭載したポータブルタイプの「FUJINON」放送用ズームレンズ(18機種)の販売を2021年6月より順次開始します。本レンズは、「S10」により、精緻なズーム・フォーカスを実現し、映像制作現場で需要が高まるロボティックシステムによるリモート撮影に対応します。
![[画像]新開発デジタル・ドライブユニット 「S10」/「S10」搭載の「FUJINON」放送用ズームレンズ](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2021-05/bf3e9554934217a1dbfccc889f8aa09e/news_6608_01.jpg)
スタジオでの番組収録やスポーツ中継、音楽ライブ配信などの映像制作現場では、従来、カメラごとに配置されたスタッフが機材を操作し撮影していましたが、近年では、撮影作業の効率化ニーズやコロナ禍でのリモート撮影需要の高まりから、ロボティックシステムの導入が加速し遠隔操作による撮影がますます進んでいます。このような中、ロボティックシステムを用いたリモート撮影でも、各シーンに最適なズームやフォーカスを実現し、映像制作者の要求に幅広く応える放送用レンズがより一層求められています。
今回販売を開始する「FUJINON」放送用ズームレンズ(18機種)は、最先端メカトロニクス技術により開発したデジタル・ドライブユニット「S10」を採用したレンズです。本レンズは、ドライブユニットの応答性を向上させ、カメラのパン・チルト操作時でも、ズームやフォーカスの動きを遅延なく連動させることが可能。スポーツ中継では、正確かつ迅速なズーム・フォーカスにより素早く動く被写体を的確にとらえた映像を、また音楽ライブ配信では、超スローかつスムーズなズーム・フォーカスにより表現力に富んだ映像を撮影できるなど、ロボティックシステムによるリモート撮影でもカメラマンの高度技能による撮影と同等の高品位な映像撮影を実現します。
さらに本レンズは、従来のズーム・フォーカスに加え、アイリスの位置情報の出力に対応。高精度な位置検出が可能となり、ライブ映像とバーチャル映像の最適な合成ができるなど、バーチャルプロダクションの需要拡大ニーズに応えます。
このほか、従来どおりカメラマンが現場で撮影する場合でも、精緻なズーム・フォーカスを実現しています。これにより、ズームデマンド・フォーカスデマンド使用時や、カメラを肩に担ぎながら撮影する「肩担ぎスタイル」時などで、カメラマンの意図どおりの撮影をサポートします。
富士フイルムが提供するフジノンレンズは、これまで高い描写力が評価され、世界中の映画、TVCM、スポーツ中継などのさまざまな撮影現場で採用されています。今後、富士フイルムは、販売を開始する「S10」搭載レンズ18機種を含めた高品質・高機能「FUJINON」放送用レンズの幅広いラインアップで、多様化する撮影ニーズに応えていきます。
記
1. 新開発デジタル・ドライブユニット「S10」搭載の放送用ズームレンズ(18機種)
8K対応放送用 ズームレンズ | 「FUJINON HP12×7.6ERD-S10」 |
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4K対応放送用 ズームレンズ | 「FUJINON UA24×7.8BERD-S10」 |
「FUJINON UA24×7.8BERD-S10B」 | |
「FUJINON UA13×4.5BERD-S10」 | |
「FUJINON UA18×5.5BERD-S10」 | |
「FUJINON UA14×4.5BERD-S10B」 | |
「FUJINON UA18×7.6BERD-S10」 | |
「FUJINON UA23×7.6BERD-S10」 |
HD対応放送用 ズームレンズ | 「FUJINON ZA12×4.5BRD-S10」 |
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「FUJINON HA14×4.5BERD-S10B」 | |
「FUJINON ZA17×7.6BRD-S10」 | |
「FUJINON ZA22×7.6BRD-S10」 | |
「FUJINON HA18×7.6BERD-S10E」 | |
「FUJINON HA23×7.6BERD-S10」 | |
「FUJINON HA18×5.5BERD-S10」 | |
「FUJINON ZA17×7.6BERD-S10」 | |
「FUJINON ZA22×7.6BERD-S10」 | |
「FUJINON ZA12×4.5BERD-S10」 |
2. 販売時期
2021年6月より順次開始
3. 「S10」搭載の放送用ズームレンズの特長
(1)新開発デジタル・ドライブユニット搭載により精緻なズーム・フォーカスを実現
- デバイスの刷新やレイアウトの最適化により、信号処理を高速化し、応答性を向上させた新開発デジタル・ドライブユニット「S10」を搭載。ズームやフォーカスが動き出すまでのスピードを、従来のドライブユニット「S6」と比べて約30%短縮させました。これにより、カメラのパン・チルト操作時でもズームやフォーカスの動きを遅延なく連動させることができます。
- スポーツ中継では、正確かつ迅速なズーム・フォーカスにより素早く動く被写体をとらえた映像を、また音楽ライブ配信では、スローかつスムーズなズーム・フォーカスにより表現力に富んだ映像を撮影できるなど、ロボティックシステムによるリモート撮影でも、カメラマンの高度技能による撮影と同等の高品位な映像撮影を実現します。
(2)ズーム・フォーカス・アイリスの位置情報を16bitの分解能で出力可能
- レンズの位置情報の出力に対応。従来のズーム・フォーカスに加え、アイリスの位置情報の検出が可能となります。
- 16bitの分解能で出力するため、高精度な位置検出が可能。ライブ映像とバーチャル映像の最適な合成ができるなど、バーチャルプロダクションの需要拡大ニーズに応えます。
(3)ズーム・フォーカスデマンドとの組み合わせで優れた操作性を発揮
- 従来どおりカメラマンが現場で撮影する場合でも、精緻なズーム・フォーカスが可能。すでに発売しているデジタルズームデマンド「ERD-40A-D01」・デジタルフォーカスデマンド「EPD-41A-D01/D02」と組み合わせて使用することで優れた操作性を発揮し、カメラマンの意図どおりの撮影をサポートします。
(4)画角変動の自動補正機能を搭載
- フォーカス時に生じる画角変動(ブリージング)を自動的に補正する「Breathing Compensation Technology」を搭載。フォーカス後に画角を調整する必要がないため、高い運用性を発揮します。
(5)高いホールド性を発揮
- 手のひらに収まりやすいコンパクトなドライブユニットにより、カメラを肩に担ぎながら撮影する「肩担ぎスタイル」時に高いホールド性を発揮。また、ドライブユニットには、表面温度の低下を防ぐ触感塗装を採用しているため、冬の屋外撮影でも快適にご使用いただけます。
(6)エクステンダーの切替が手元で可能
- 別売りのエクステンダーチェンジユニット「ECU-2C」とデジタルズームデマンド「ERD-40A-D01」を組み合わせることで、クレーンを使用して撮影する際に、手元でエクステンダーの切替が可能です。
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