このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。
富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、胸部CT画像に新型コロナウイルス肺炎(以下、COVID-19肺炎)の特徴的な画像所見が含まれている可能性(確信度)の表示および確信度の判定に寄与した領域のマーキング表示により、医師の診断を支援するソフトウェア「COVID-19肺炎画像解析プログラム」を、AI技術※1を活用して開発し、薬機法※2における製造販売承認を取得しました。本ソフトウェアを、当社の3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」※3向けのアプリケーションとして、富士フイルムメディカル株式会社(社長:川原 芳博)を通じて2021年6月15日に発売します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、医療の逼迫が深刻化しています。病院では院内のCOVID-19のクラスター発生防止を目的として、入院や救急搬送の受入れ時に、患者の感染有無を確認するためにPCR検査や抗原検査と併せて、補完的な位置づけで胸部CT検査が行われるケースがあります。これらの検査による負担が増大しており、効率的な検査や画像診断を支援するソリューションが求められています。
今回発売する「COVID-19肺炎画像解析プログラム」の特長
撮影した胸部CT画像を自動解析し、その結果を表示して医師のCOVID-19肺炎の診断を支援します。
(1)COVID-19肺炎所見の確信度の表示
COVID-19肺炎患者の胸部CT画像には、淡いすりガラス影・網状影・浸潤影※4などが特徴的に見られます※5。本ソフトウェアは、対象の胸部CT画像が、COVID-19肺炎の特徴的な画像所見を有する可能性を高・中・低の3段階で提示します※6。
(2)確信度の判定に寄与した領域のマーキング表示
COVID-19肺炎患者の胸部CT画像に見られる画像所見を有する可能性があるとして着目した領域をマーキングし、医師の診断業務を支援します。
「COVID-19肺炎画像解析プログラム」画面イメージ
右上にCOVID-19肺炎所見を含む可能性(確信度)を三段階で表示。また、確信度の判定に寄与した領域を水色でマーキングする。アキシャル(体を水平に切断)・コロナル(体を前後に切断)・サジタル(体を垂直に切断)の三断面および3Dで表示が可能。
3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」について
SYNAPSE VINCENTは当社の画像認識技術を生かして、CTやMRIなどの断層画像から高精度な3D画像を描出し解析する3D画像解析システムです。医療画像を立体的に可視化することで、画像診断や手術シミュレーションなどに活用できます。2020年8月から提供している新バージョンでは、AI技術※1を活用して開発した各種解析機能を提供しています。さらに、当社のPACS「SYNAPSE」やAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」などの各システムとシームレスに連携でき、効率的な診断ワークフローをサポートしています。
富士フイルムは、AI技術ブランド「REiLI」のもと、医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、そして医療機器の保守サービスに活用できるAI技術の開発を進めるとともに、医療機関にとって最適な提供方法・利用環境を実現することで、多くの医療機関・医師の画像診断支援やワークフローの改善に取り組んでいきます。
記
1. システム名称
販売名:COVID-19肺炎画像解析プログラム FS-AI693型
承認番号:30300BZX00145000
2. アプリケーション名称
COVID-19肺炎画像解析プログラム
3. 発売日
2021年6月15日
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