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日本
ニュースリリース

2021年7月19日

専用の検査装置が不要な新型コロナウイルス抗原検査キット

「富士ドライケム IMMUNO AG(イムノ エージー) ハンディ COVID-19 Ag(コヴィット-ナインティーン エージー)」新発売

独自の銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(社長:後藤 禎一)は、写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用した、専用の検査装置が不要なハンディタイプの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG(イムノ エージー) ハンディ COVID-19 Ag(コヴィット-ナインティーン エージー)」(以下、「ハンディ COVID-19 Ag」)を、体外診断用医薬品として、富士フイルムメディカル株式会社(社長:川原 芳博)を通じて2021年7月27日より発売します。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、国内では、重症化リスクの高い高齢者が入所する高齢者施設や医療機関などで、軽症状者を対象に、抗原検査キットによる迅速検査が進められています。また、クラスターの大規模化および医療ひっ迫を防ぐために、大学や企業へも抗原検査キットを活用した積極的な検査が推奨されています※1。今後、簡便・迅速に検査が可能な抗原検査は、さらに多くの場面で活用されることが予想されますが、一般にその感度はPCR検査に比べて低く、高感度化が望まれていました。

今回発売する「ハンディ COVID-19 Ag」は、専用の検査装置が不要で検査場所を選ばずに、簡便・迅速に新型コロナウイルス抗原の有無を検査できる抗原検査キットです。カートリッジに検体の抽出液を滴下した後に簡単なボタン操作だけで10~13分で検査結果が得られ、その場で結果を目視確認することができます。

「ハンディ COVID-19 Ag」には、公立大学法人横浜市立大学(神奈川県横浜市、以下横浜市立大学)が開発した新型コロナウイルス抗原を高精度で検出できる抗体を用いており、当社独自の「銀増幅イムノクロマト法※2」と組み合わせることで、少ないウイルス量での検出を可能としました。横浜市立大学と共同で行った、培養ウイルスや臨床検体を用いた本検査キットの性能確認において、銀増幅を用いないイムノクロマト法と比べて高いウイルス検出能を示すことを確認しました※3。また、新型コロナウイルスの変異株であるアルファ株※4、ベータ株※4、ガンマ株※4に対してもウイルス抗原を検出できることを確認しました。

富士フイルムは、本年3月に全国のクリニックを中心に25,000台以上導入されている感染症検査装置「IMMUNO AG」シリーズ用の新型コロナウイルス抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AGカートリッジ COVID-19 A※5」を発売し、医療機関に簡便な新型コロナウイルスの検査環境を提供してきました。今回、「ハンディ COVID-19 Ag」を発売することにより、検査装置を持たない高齢者施設、企業、学校等でも新型コロナウイルスの検査を可能とし、さらなる検査体制の拡充および感染拡大の抑制に貢献します。

[画像]新型コロナウイルス抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」

新型コロナウイルス抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」

富士フイルムは、今後も医療現場のニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて、検査の効率化と医療の質の向上に貢献していきます。

  • ※1 政府の新型コロナウイルス感染症対策本部決定「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(令和3年5月28日変更)」
  • ※2 イムノクロマト法とは、試薬に滴下した検体(鼻咽頭ぬぐい液など)中に被検物質(ウイルス等)が存在すると、試薬中の標識抗体と結合して抗原抗体複合体が生成され、この複合体があらかじめ検出ライン上に線状に塗布された抗体に捕捉されると、陽性(抗原あり)を示す色付きのラインが表示される検査方式のこと。簡便迅速に結果を得られることから、処置を急ぐ必要がある感染症の検査に多用されている。
  • ※3 Yamaoka et al., Highly specific monoclonal antibodies and epitope identification against SARS-CoV-2 nucleocapsid protein for antigen detection tests, Cell Reports Medicine (2021), https://doi.org/10.1016/j.xcrm.2021.100311
  • ※4 アルファ株(英国、 B.1.1.7系統の変異株)、ベータ株(南アフリカ、 B.1.351系統の変異株)、ガンマ株(ブラジル、 P.1系統の変異株)
  • ※5 承認番号:30300EZX00024000
今回発売する抗原検査キットに応用した銀増幅技術
[図]今回発売する抗原検査キットに応用した銀増幅技術

金(Au)コロイドと還元剤と銀イオンを共存させると、金コロイドの周囲にだけ銀イオンと還元剤が反応し、金属銀(Ag)が生じやすくなる(銀増幅反応)。
今回発売する検査キットは、この原理を応用。金コロイド標識つき抗体と結合した抗原を、検出ラインに塗布した捕捉抗体がとらえ(ステップ①)、前述の銀増幅反応をコントロールすることで、金コロイド標識があるところにのみ、金属銀を生じさせ、大きな金属銀を形成させる(ステップ②)。
その結果、目視検出能が大幅に向上する。

  • 参考文献:T. Broger, B. Sossen, et al., Lancet Infect. Dis. 2019; 19 852–61.

1. 品名

SARSコロナウイルス抗原検査キット
(販売名:富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag、承認番号 :30300EZX00015000)

2. 主な特長

(1)銀塩増幅反応による高感度検出技術の応用で高感度化を実現。
写真フイルムの現像技術を用い、抗原の目印となる標識を、同技術を用いない場合と比べて約100倍に増幅し、視認性を高めて高感度化することで、ウイルスの量が少ない場合でも検出できます。
(2)横浜市立大学の開発した新型コロナウイルス(SARS-CoV2)抗原を高精度で検出できる抗体を使用。
従来のコロナウイルスやインフルエンザウイルスとは区別し、新型コロナウイルス抗原を高精度で検出します。また、変異の影響を受けにくいウイルス抗原部位を標的とした抗体を使用しているため、アルファ株、ベータ株、ガンマ株などの変異株についてもウイルス抗原を高精度に検出できることを確認しました。
(3)専用の検査装置不要で検査場所を選ばず、その場で検査結果の確認が可能。
反応装置、読取装置などの装置が不要で、検査場所を選びません。簡単なボタン操作のみで、銀増幅イムノクロマト法による迅速抗原検査の測定ができ、目視で検査結果の確認が可能です。
(4)測定時間10~13分の迅速検査が可能。
付属の綿棒で検体を採取し検体の抽出液をキットに滴下後、10~13分で検査結果を得ることができます。

3. 主な仕様

製品名 SARSコロナウイルス抗原検査キット
「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」
測定項目 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原
検体 鼻咽頭ぬぐい液または鼻腔ぬぐい液
反応時間 10~13分
貯蔵方法 室温(1~30℃)
販売単位 10回分/箱
構成物 テストカートリッジ、抽出液(0.4mL)、滅菌綿棒(鼻咽頭ぬぐい液用)、
ノズル(抽出液用): 各10個
スタンド(抽出液用): 各1個
[画像]新型コロナウイルス抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」構成物
[画像]新型コロナウイルス抗原検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG ハンディ COVID-19 Ag」使用イメージ
ニュース用画像データ

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