このウェブサイトはクッキーを使用しています。このサイトを使用することにより、プライバシーポリシーに同意したことになります。

日本
ビル診のクリニック開業に必要な内装工事とは
クリニック開業の流れ、準備、スケジュール

ビル診のクリニック開業に必要な内装工事とは

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

ビル診のクリニック開業は最短でも半年前から準備を

ビルテナントなどを借りてクリニックを開業するビル診では、物件が決まったら内装工事の検討に入ることになります。物件を契約すると賃料が発生するため、工事はできるだけ短期間で進めたいところです。

一般に、ビル診のクリニック開業には最短でも半年ほどかかると言われています。

内装工事業者選定に1〜2カ月、内装の打ち合わせに2〜3カ月、内装工事に1〜2カ月、機器搬入や開業前準備に1カ月ほど見ておく必要があります。

実際の内装工事では、軽量鉄骨を用いて天井と間仕切り壁の骨組みを造作し、そこに石膏ボードを貼って壁や天井を作ります。これら壁や床に床材や壁紙を貼っていくことになりますが、クリニックでは血液や体液、薬品などの水分が床にこぼれることがありますので、耐水性が高く耐摩耗性に優れた素材を選ぶようにします。

ビル診の内装工事

ビル診の内装工事

ビル診の内装工事では、軽量鉄骨を用いて天井と間仕切り壁の骨組みを造作し、そこに石膏ボードを貼って壁や天井を作っていくので、工事だけで1〜2カ月かかります。 このため、開業予定日の半年前以上前から準備を進めるのが一般的です。

見落としがちな給排水設備にも注意

ビル診では、給排水設備も重要なポイントです。

保険診療において手洗いや流し台は欠かせない設備であり、トイレの位置を含めて慎重に検討する必要があります。一般のビルでは排水のための十分な床下スペースがあるとは限らないため、バリアフリー化のため床を高くしたり、排水管を通すための壁を新たに設けるなどの工事が必要になることがあります。

空調設備については、スペースの関係からビル用マルチエアコン(室外機1台で複数の室内機を稼働させるタイプ)を使用するケースが一般的です。ただし、暖房と冷房の同時運転ができないという弱点があるため、CTなど大型医療機器があり、冬でも1室だけ冷房が必要といったケースでは別に独立したエアコンを入れる必要があります。また、感染対策や臭気対策として、十分な換気能力を持った換気設備の配置や空気の流れを考えた換気設計が欠かせません。

このほか照明設備や消防・防災設備をはじめ、ビル診の内装工事には様々な検討事項や確認事項が存在します。

クリニックの内装工事に通じた専門の事業者などの意見を取り入れて、設計段階から慎重に検討することが重要です。


本記事を含む、「クリニック開業 成功への道しるべ」のコラムをまとめてご覧いただける印刷用ファイルをこちらからダウンロードいただけます。あわせてご利用ください。

【企画・編集 日経メディカル開発】