このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。
「動物病院を開業する際に集患対策ってどんなものがあるだろうか」
これから開業を検討する獣医師のなかには、このように疑問を感じる方がいるのではないでしょうか。
集患がうまくできなければ、開業後の経営がスムーズにいかなくなる可能性があります。最悪の場合、閉院につながるケースもあります。
本記事では、動物病院を新規開業する前に知っておくべき集患対策を解説します。開業後もスムーズな経営ができるよう効果的な集患対策を知っておきましょう。
集患対策として効果的な方法をいくつか解説します。開業前から準備を行い、積極的に実践していきましょう。

ホームページ(ウェブサイトとも言いますが、本コラムではホームページで統一表記します)は、ターゲットとして想定する飼い主さんに対して情報発信をするためのツールです。以下のような目的でホームページ制作を行います。
- 販売促進(資料請求・問い合わせ)
- 医院としての信頼感の醸成
コンテンツを定期的に追加することで流入数を増やすことができます。作りっぱなしにせずに定期的な更新も心がけましょう。
ホームページを制作する際は、以下のSEO対策等も相談できる制作会社やコンサルタントに委託することをおすすめします。
SEO(Search Engine Optimization)は「検索エンジン最適化」のことで、「検索サイト」で自院のホームページを上位に表示するための施策がSEO対策です。
飼い主さんが動物病院を選ぶ場合、検索サイトを使用するケースが想定されます。SEO対策によりホームページが上位表示されると飼い主さんの目につきやすくなり、集患効果が期待できるでしょう。
次にMEO(Map Engine Optimization)は「マップエンジン最適化」のことであり、「Googleマップやローカル検索」で上位表示させるための施策がMEO対策です。
飼い主さんが動物病院を探す場合、緊急性が高いケースがあり、自宅から近くの動物病院を検索することがあります。こうした際に上位表示されるようになれば、飼い主さんから選ばれやすくなるでしょう。
なお、MEOを実施するためには、Googleが提供している無料ツールであるGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)への登録が必要です。登録すると、Googleマップやローカル検索で動物病院の情報を掲載できるようになります。

飼い主さんのなかには様々なSNSを活用して情報収集するケースもあります。
そのため、SNSを活用し、自院に関する情報を発信することは有効です。
XやInstagram、FacebookやYouTubeなどのSNSを活用し、自院の専門領域に関する情報を定期的に発信していくとよいでしょう。
たとえば、犬・猫専門の動物病院を運営している場合は、SNS上で犬や猫がかかりやすい疾患や治療法などの情報を発信するといった方法が有効です。
SNSで有益な情報が発信できれば、動物病院の認知度が向上し、集患効果が期待できます。

動物病院の特色や診療内容をまとめたチラシを作成し、近隣へポスティングすると、一定の集患効果が得られます。ポスティングは、ご自身で実施するのではなく、専門の業者に委託することも考えましょう。
また、近隣のペットショップ・ドッグランなどに許可を取り、チラシを置かせてもらうのもおすすめです。
チラシは、インターネットに馴染みのない高齢層にもアプローチできる有効な手段です。積極的に活用していきましょう。
たとえば、以下のような設備投資を行うと飼い主さんの満足度が向上し、評判が上がって集患効果が期待できます。
| 設備投資するもの | 満足度が向上する理由 |
|---|---|
| 診療予約システムを導入する | 飼い主さんの待ち時間が短縮する |
| 最新の医療機器を導入する | 検査時間が短縮して診療スピードが早くなり、飼い主さんの待ち時間が短縮する |
| キャッシュレス決済を導入する | 緊急でペットを動物病院に連れてきた際に、現金の持ち合わせがなくても決済できる |
| 施設や待合室を清潔にする | 清潔感があると居心地が良くなる |
費用対効果を考慮しながら、飼い主さんの満足度の向上が期待できる設備投資を実践していきましょう。
医療接遇とは、飼い主さんの不安や悩みに寄り添い、希望を持ってペットの治療に臨めるようにサポートすることを指します。
ペットの体調不良で動物病院に来られる飼い主さんの多くは、不安な気持ちを抱えています。飼い主さんに寄り添い、丁寧な対応を心がけることが大切です。
飼い主さんが不快に思わないように身だしなみを整え、適切な言葉遣いでコミュニケーションを取るようにしましょう。
スタッフ全員で医療接遇を徹底できれば、飼い主さんとの信頼関係が築きやすくなり、動物病院の評判が上がって集患につながります。
【2025年5月/文責:GMC株式会社 動物医療担当】
