このコンテンツは獣医療従事者向けの内容です。
動物医療の現場は、ここ数年で大きく変化しています。
ペットへの支出増加に象徴されるように、高精度かつ高品質な治療を求める飼い主のニーズは年々高まっています。これに応える形で、各メーカーによって獣医療機器は絶え間なくアップデートされ、獣医療の高品質化が進展しています。
動物病院にとって、こうした流れに対応するための設備投資はますます重要になっています。その一方で、大きなコストやリスクが伴うのも事実です。
そこで注目されているのが、そうした不安を軽減し、攻めの設備投資を可能とする「ものづくり補助金」です。
「ものづくり補助金」は正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業や小規模事業者の新しい取り組みや設備投資を支援する、国の代表的な補助金制度です。革新的なサービスの開発や、生産性を高めるための機械装置の導入に対して補助が行われます。補助率は設備投資額の2分の1または3分の2で、補助上限額は従業員数に応じて750万円~2,500万円まで獲得可能です。追加条件を満たせばさらに増額できる可能性もあります。(時期により変動の可能性あり)
| 従業員数 | 補助金上限額 | 補助率(税別) |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 3分の2 |
| 6~20人 | 1,000万円 | 2分の1 |
| 21~50人 | 1,500万円 | |
| 51人以上 | 2,500万円 |
- 従業員数
- 正社員+パート・アルバイトの合計人数
(法人)役員は除く (個人)事業主・専従者は除く - 補助金上限額
- 5名の場合は補助率2/3。設備費用1,125万円(税別)で満額750万円獲得
6名の場合は補助率1/2。設備費用2,000万円(税別)で満額1,000万円獲得
- * 申請経費が補助対象となるか否かはものづくり補助金サポートセンター・地域事務局の判断に委ねられております。
- * 採択後、申請経費の一部が補助対象外と見なされ、交付申請・実績報告時に減額となる可能性もある点をご了承ください。
また、当社(株式会社High Adoption)採択実績のうち70%が従業員数10人以下の医院様になります。規模の小さな病院でも、十分に補助金獲得のチャンスがあるのが本補助金の魅力でもあります。
とはいえ、補助金申請の書類準備や計画書作成は煩雑で、自力での申請は難しいと思われる方も多いかもしれません。そのような場合は、補助金採択のプロである認定支援機関にサポートを依頼することも可能です。

株式会社High Adoption採択実績より
ここで、実際にものづくり補助金を用いて医療機器を導入した事例をご紹介します。
従業員数:6人
補助金額:1,500万円
導入機器:全身用X線CT診断装置
導入目的:呼吸器疾患治療の実績拡大のため
- * 補助金採択を条件に金融機関からの借入を実施
従業員数:13人
補助金額:620万円
導入機器:DR装置、画像処理システム 等
導入目的:CRレントゲンからの買い替え
従業員数:4人
補助金額:750万円
導入機器:超音波画像診断装置 等
導入目的:旧型のヒト用機器から動物専用機器への買い替え
従業員数:3人
補助金額:750万円
導入機器:臨床化学分析装置 等
導入目的:作業効率の向上し検査キャパシティを増加させるため
当社(株式会社High Adoption)の支援実績では、超音波画像診断装置・DR装置の導入が最も多く、その他CTやMRIなどの高額機器も多く導入実績があります。さらに、臨床化学分析装置も多数導入されており、日常診療に不可欠な検査体制の高度化にも寄与しています。機器の価格、性能や先進性を問わず、様々な機器でものづくり補助金が活用いただけます。
また、ものづくり補助金は全国の金融機関も広く認知する補助金です。補助金採択によって事業計画の優秀性が担保され、自己負担分の融資もおりやすくなったなどのメリットもあります。
ものづくり補助金は、2025年度中の実施は確定していますが、2026年度以降も継続する保証はありません。というのも、国会での予算承認がおりなければ補助金は打ち切りとなってしまうためです。また、年々知名度の上昇に伴って競争率も高まっているため、早め早めの申請がカギとなります。これを機に、今後の院内設備や経営戦略を見直し、設備の更新や新規導入を検討してみてはいかがでしょうか。
先ほどご説明した通り、設備投資の重要性は年々増しています。補助金があるうちに、補助金を活用して設備投資することで他院との差別化を進めることができるはずです。
動物病院にとって設備投資は「診療の質を高めること」と「経営基盤を強化すること」の両方につながります。しかし、その一歩を踏み出すには大きなコストが必要であり、ためらいを感じる先生方も少なくありません。
ものづくり補助金は、そうした不安を軽減し、未来への前向きな投資を後押しする仕組みです。すでに多くの病院が補助金を活用して動物専用超音波診断装置やDR装置、CTやMRIなどを導入し、診療の幅を広げています。
機器導入も補助金申請も、一人で抱える必要はありません。
「補助金 × 最新獣医療機器」で、さらに地域に信頼される未来の動物病院づくりを始めてみませんか。
【2025年9月/文責:株式会社High Adoption 担当補助金事業部門】
