営業DXとは?必要性や導入の流れ、活用できるツールを解説

2023.03.24

営業DXとは?必要性や導入の流れ、活用できるツールを解説

営業DXとは?必要性や導入の流れ、活用できるツールを解説

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)は多くの企業で急速に導入されています。DXとはデジタル技術やデータを活用し、ビジネスの業務効率を高める施策です。

中でも企業にとって営業部門のDX推進は重要です。ウィズコロナ時代を迎え、営業でもオンラインが導入されるようになり、働き方も大きく変わりました。効率的な営業手法の確立など、営業プロセスの根本的な見直しが迫られています。 当記事では、営業DXの必要性や導入の流れ、ツールや成功事例を紹介します。営業DXを導入・推進したい方は是非参考にしてみてください。

営業DXとは、営業プロセスにおいてさまざまなデジタルツールを駆使し、営業活動の効率性・生産性を向上させることです。営業DXは、営業活動でIT技術を駆使し、顧客の購買行動や接点を最適化することを目的としています。

近年、オンライン営業を導入する企業は増えていますが、営業DXを導入すれば非対面でも高いレベルの営業活動が実現します。また、少ない人材でも結果を出しやすくなり、人手不足の企業にとっても導入は急務となっています。

新型コロナ感染症の影響により、リモートワークを推進する企業が増え、営業でも「Microsoft Teams」や「Zoom」などのオンライン利用が急速に広まりました。

また少子高齢化が進む日本にとって、労働力人口の確保は今後さらに難しくなります。従来の対面営業のみでは営業効率の低下や長時間労働が強いられる可能性があります。そのため、今まで以上に従業員1人当たりの生産性・効率性の向上が求められています。

営業のDX化により、顧客のデータ管理や商談情報、ノウハウなどを社内で共有できれば、営業効率の向上や長時間労働の予防が可能となります。

営業DXは実際にどのように進めれば良いのか疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。以降では顧客にフォーカスした、営業DXの具体例についてご紹介します。具体例を把握することで取り組みの明確なイメージを抱きやすくなるので、参考にしてみてください。

【営業DXの具体例】

  • リード獲得
  • リード育成
  • 顧客分析

リード獲得

リード獲得とは、今後顧客となり得る可能性が高いリード(見込み顧客)を獲得する施策です。獲得したリードに購買意欲を高めるアプローチができれば、自社商材の購買や契約につながります。

従来のリード獲得の手法は、テレアポや訪問営業です。しかし、訪問や電話に多くの時間を要しても成約しない場合もあり、コストパフォーマンスが悪い状態でした。そこで、営業担当の人手不足や成約率の低迷に悩む企業は、リード獲得のDX化がおすすめです。DXにより、顧客のニーズや課題をデータ化し、分析をすれば効果的なリード獲得ができるでしょう。

リード獲得のDX化の例として、オウンドメディアがあります。オウンドメディアとは、自社が運用するサイトを用いて製品やサービスを発信し、能動的に見込み顧客を獲得する手法です。オウンドメディアを活用し、潜在的な悩みやニーズを持つ顧客にアプローチできれば効率的にリード獲得ができます。

リード育成

リード育成とは、「リードナーチャリング」とも呼ばれ、獲得したリード(見込み顧客)の購買意欲を高めるプロセスや手法を指します。近年は、新型コロナ感染症拡大により非対面の営業が増加しました。非対面の営業では、直接顔を合わせなくても、リードの興味を引く手法が重要視されており、リード育成のDX化は、非対面でもリードの購買意欲を高め、購入・成約へとつながるきっかけとなるでしょう。

リード育成のDXとして、MA(マーケティングオートメーション)の活用があります。MAとは、リード育成におけるマーケティング活動を効率化(自動化)し、効率的な営業活動をサポートするシステムです。MAツールを活用すれば、リードの興味や課題に合った情報を効率よく配信可能です。MAツールを活用したアプローチ方法としては、メール配信やポップアップ、リターゲティング広告などがあります。

リード育成のDXによってリードの購買意欲が高まった時点で商談を始めれば、効率的に受注獲得につなげられます。そのため、非対面での顧客とのやり取りや、リード育成の効率化に悩む企業におすすめです。

顧客分析

顧客分析とは、自社の顧客の購買履歴や属性を分析することを指し、分析内容を基に購買率や満足度の向上を図ります。顧客の課題やニーズの理解を深めれば、それに合ったマーケティング戦略や営業戦略ができるでしょう。

顧客分析のDXには、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)の導入がおすすめです。顧客情報や営業ノウハウなどをSFAやCRMで一元管理し、顧客のニーズを理解した上でアプローチができれば営業活動の効率化や属人化を防げます。

実際に営業DXの導入を決断した場合、具体的にどのように導入手順を踏めば良いのかわからない方も多いかと思います。そこで、以下では導入する流れについて解説します。流れを把握することで導入に向けた準備がしやすくなるため、参考にしてみてください。

【営業DXを導入する流れ】

  • 業務の棚卸をする
  • 課題の洗い出しをする
  • 営業DXの戦略を策定する
  • 戦略にあったツールを導入する

1.業務の棚卸しをする

業務の棚卸しとは、現在の業務を全て洗い出し、整理することを指します。業務の棚卸しをすれば、営業に関わるプロセスが効率的にできているかなど、業務内容の見直しをする良い機会となるでしょう。洗い出した結果、自動化できる定型業務は、RPAなどのITツールを活用してDX化を図ります。

2.課題の洗い出しをする

業務の棚卸しができたら、次に課題の洗い出しをします。「リード獲得数が少ない」「成約率が低い」など企業によって課題はさまざまです。まずは自社の課題を明確化し、取りかかるべき事項に優先順位をつけましょう。そして洗い出した課題から、DX化で解決できる点を見つけていきます。

3.営業DXの戦略を策定する

課題が明確化したら、DX戦略を策定しましょう。まず優先度の高い課題から検討を開始しましょう。例えば、「成約率が低い」という課題の優先度が高い場合、「成約率が低い要因は何か?」「どうすればその要因を解消できるか?」「成約率を改善するためのDX化の具体策は何か?」「どんなITツールを使って成約率を向上させるか?」などを検討しましょう。

加えて、こういった検討には、DX推進のプロジェクトチームの立ち上げも必要です。チームは、DXに詳しい人材だけでなく、さまざまな部署から構成しましょう。特に、顧客データや現場のニーズをよく知るマーケティング部門や営業部門の社員はチームに重要です。

4.戦略にあったツールを導入する

営業DXの具体策を策定したら、その具体策に合ったツールを導入します。ツール選びでは、自社の目標や戦略に対し、そのツールで何をしたいか明確にしておきましょう。

例えば、営業の属人化の改善をしたい場合はSFA(営業支援システム)を活用し、営業ノウハウや顧客情報を社内で共有します。顧客育成が上手くいかず成約に結び付かない場合は、MAを用いて見込み顧客の購買意欲を高めます。目標に適したITツールを選び、正しく活用すれば、生産性の向上が期待できるでしょう。

5.効果検証を行う

営業DXの運用が始まったら、効果検証を行いましょう。ツール導入によって生産性は向上したかどうかや、業務プロセスに改善が見られたかなどを定期的に確認する必要があります。定期的な検証とプロセスの修正、見直しを繰り返し行えば、新たな気づきも得られ、より良い営業活動に繋がるでしょう。

営業DXに活用できるツールは以下のようなものがあります。自社の目的に合ったツールを選びましょう。

【営業DXに活用できるツール】

ツール 特徴
オンライン営業ツール オンライン商談を行う上で欠かせないツール。場所を問わず遠隔地の社内メンバーや取引先とも会議が可能で、資料の共有もできるため、効率的な営業活動が行える。 ツール例:オフィスあんしん365
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チャットツール 取引先や社内メンバー内で手軽にコミュニケーションができるツール。メールと比べてクイックなレスポンスが可能となり、円滑なコミュニケーションを促進する。 ツール例:オフィスあんしん365
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プロジェクト管理ツール プロジェクトの進捗状況や業務のタスク管理が可能なツール。リモートワークでプロジェクトを進める際、メンバーの進捗状況が容易に把握でき、進捗管理の効率化を実現する。 ツール例:オフィスあんしん365
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SFA 顧客情報や商談の進捗状況などを社内で管理・共有するツール。また、営業ノウハウを社内で共有し、標準化ができるため、営業の属人化を防げる。 ツール例:セールスフォースサービス
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電子サイン (電子契約サービス) 電子データ上でのサインまたは署名により契約を交わすツール。紙文書の発行や押印の必要がなくなるため、ペーパーレス化やテレワークなどの働き方改革の促進に繋がる。 ツール例:DocuSign、Adobe Sign、クラウドサイン
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ワークフローシステム 社内の申請・承認・決裁などの一連の業務をシステム上で行えるツール。スマートフォンにも対応し、外出先でも承認ができるため、より迅速なワークフローが実現する。 ツール例:X-point Cloud
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クラウドストレージ(ファイル共有) 必要書類や資料を管理・共有できるツール。外出先でもブラウザ上よりアクセスし、参照・編集などができるので営業活動のスピードアップが期待できる。 ツール例:Working Folder
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マーケティング
コミュニケーションサービス
自社製品やサービスを顧客に認知してもらい、購買に繋げるためのプロモーション。顧客属性や購買データ、行動履歴などを統合し、可視化・分析する。その結果に基づき最適な顧客体験を提案する。 サービス例:Marketing Cockpit(マーケティング コックピット)
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ウィズコロナ時代を迎え、多くの企業でDXが導入されるようになり、働き方も大きく変わりました。営業部門においても、より効率的な営業手法の確立が迫られています。

営業のDX化が実現すれば、顧客のデータ管理や商談情報、ノウハウなどを社内で共有でき、営業効率の向上や長時間労働の予防が可能となります。

当記事で紹介した営業DX導入の流れを参考にし、自社に合った営業戦略を立て、DX推進を行いましょう。

また、営業DXは目的に合ったツールの活用が重要です。正しいツールを活用すれば、業務の効率化や売り上げアップが期待できます。営業DXの導入を検討している方は、ぜひ当記事を参考にしてください。

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