会計システムとは?機能やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

2023.09.26

会計システムとは?
機能やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

会計システムとは?機能やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

会計システムは企業の会計業務を担うシステムのことを指し、企業の規模が大きくなるほど導入による効果は高くなります。会計業務は企業内における基幹業務として知られており、直接利益を生み出す業務ではないことから、できる限り負担を減らしたいと考えていらっしゃる方も多いことでしょう。

当記事では、会計業務を効率化できる会計システムの基本情報や導入メリットについて解説します。導入を検討している方は、当記事の内容を参考に「導入価値」を見定めて、実際に導入するかどうかを検討してみてください。

会計システムとは、企業内における会計業務を効率化するシステムのことです。具体的には、伝票記入や決算書の作成、会計内容の管理といった業務をシステム内で効率化します。また、会計システムを導入することによって会計に関わるデータを一元化することが可能で、一つのシステム内ですべての業務を遂行可能です。

また、一元管理することで、各会計担当者の負担を軽減できるため、会計業務に必要としていた人材を削減したり、業務達成までの時間を短縮したりすることもできます。しかも、システムによる処理ならヒューマンエラーの心配もなくなるため、経理や会計業務のミスを防ぐことにもつながるでしょう。

会計システムを導入するのであれば、どんな種類があるのかを知っておくことも大切です。以下では3種類の会計システムをご紹介します。

【会計システムの種類】

  • 財務会計システム
  • 管理会計システム
  • 債務・収支管理システム

全てが独立しているシステムになっているわけではなく、提供するサービスによっては合わさった形態になっている場合もあります。ですので、この章はそれぞれのシステムの内容を把握したうえで「自社に必要なシステムは何か?」を明確にすることを目的に読んでみてください。

財務会計システム

財務会計システムは、財務会計に関するデータの入力・出力ができるシステムです。ちなみに財務会計業務とは、企業の会計情報を外部(税理士など)に提出するためにデータの管理を行う業務のことを指します。

つまり、決算書などの作成に必要な会計処理を行い、それらを書面化して提出できる状態まで処理することが財務会計システムの役割です。決算書を作成するためには、日々の帳簿の管理といった経理業務が必要になってくるため、財務会計システムは日常的に使用することになるシステムと言えるでしょう。

管理会計システム

管理会計システムは、財務会計のデータを管理するシステムです。経営に必要な会計データの抽出を目的に導入する企業が多く、利用することで経営分析に必要な会計データを必要な形で出力することができます。

例えば、プロジェクト別、部門別、事業別、取引先別といったように、条件を変えて会計情報をまとめ上げることができるため、多角的な視点で経営分析に取り組めます。また、株式による資金調達をしている企業の場合、そういった資金調達に関する情報も組み込んで算出することができるため、会計業務が複雑化する企業に適したシステムと言えるでしょう。

債務・支払管理システム

債務・支払管理システムは、手形や買掛金といった債務の動きを細かく管理するシステムです。他のシステムでは、「どのくらいの債務があるのか」を把握することはできても、「債務の細かな動き」までは把握できないケースがほとんどであるため、債務の動きを把握したい方におすすめのシステムと言えるでしょう。

企業の会計方法などにもよりますが、手形の使用が多かったり、取引先が何百社とあったりする場合にはシステム無しでこれらの動きを把握するのが難しいです。債務の情報をしっかりと把握できないと、支払いの滞納に対してスピーディーな処理が行なえないため、経理状況に影響を及ぼしてしまう可能性が高まるでしょう。

会計システムには3つの提供形態があるため、自社の運営状況に合わせて最適なものを導入しましょう。また、それぞれにはメリット・デメリットがあるため、運営状況と合わせてメリット・デメリットのバランスも把握しておいてください。

  メリット デメリット
クラウド型
  • 自社サーバー不要
  • どこからでもログイン可能
  • 導入コストが低い
  • ネット環境を整えなくてはいけない
  • セキュリティレベルが十分でない可能性がある
パッケージ型
  • カスタマイズしやすい
  • ネット環境が不要
  • 社内に専門家の配置が必須
  • 導入コストが高い
基幹システム
  • その他の基幹業務のシステム化も合わせて行える
  • 導入コストが高い
  • 専用システムと違って細かく設定できない可能性がある

最近はクラウド型を導入する企業も増えてきており、リモートワークを導入していても円滑な会計業務を実現しているケースが多いです。必要なアップデートもサービス提供者側がすべて行なってくれるため、特別なエンジニアの配置も必要ないのがクラウド型の特徴と言えるでしょう。

パッケージ型は、自社のサーバーを利用して導入するシステムとなっており、カスタマイズがしやすいのが特徴です。特殊な会計業務があったり、既存のシステムがあったりする場合にはこちらがおすすめですが、導入コストが高い点に注意が必要でしょう。

基幹システムは、基幹業務をシステム化したものです。会計業務以外の業務もシステム化してあり、他の業務と連携が必要な場合には最適のシステムと言えるでしょう。

クラウド型

クラウド型の会計システムは、インターネット上で提供されている会計システムサービスのことを指し、インターネットを通じて利用可能です。自社にサーバーを設置する必要が無く、どこからでもログインができるため、リモートワークを推進している企業に最適なシステムとなっています。導入コストも低く、月額料金を払うだけで済むため、最小限の投資で効率的なシステムを利用可能です。

注意点としては、サービスによってセキュリティレベルが甘い場合がある点と、提供者がサービスの提供を中止した場合に利用ができなくなる点があります。いきなりサービス提供を中止することは殆どありませんが、万が一中止となる場合には事前告知があり、それに合わせてデータ移行などを行わなくてはいけないでしょう。

そのため、クラウド型を導入する際は安心感を重視し、利用者の多いサービスを選ぶことを推奨します。

パッケージ型

パッケージ型の会計システムとは、自社の会計業務用の端末にソフトをインストールして利用するシステムのことを指します。クラウド型のようにネット環境を準備する必要が無く、最初の導入費用だけで月額費用などはかかりません。ですが、システムを改良して自社用にカスタマイズする場合には、エンジニアに対して作業量が必要となるので注意が必要です。

また、パッケージ型はインターネットを利用しないため、外部からの脅威(マルウェア攻撃など)に対する心配が不要で、セキュリティレベルが高い特徴があります。扱うデータ量が多かったり、情報の重要性がかなり高かったりする場合には、パッケージ型を導入した方が安心して利用できるでしょう。

基幹システム

基幹システムとは、生産・販売・会計などの企業経営に欠かせない業務である基幹業務・根幹業務をシステム化したものです。会計業務に特化したシステムではないため、クラウド型やパッケージ型と比べて物足りない可能性はありますが、他の基幹業務との一元管理ができるため、初めてシステムを導入する企業には最適と言えるかもしれません。

基幹システムには様々な種類があるため、自社が求める機能を明確にしたうえで導入するシステムを選定する必要があります。求める会計システムの機能が備わっているかを確認してから導入するようにしてください。

会計システムを導入する際は、「基幹システム」で解説したように、自社が求める機能を明確にしてからシステムを選ぶことが大切です。必要のない機能が多くあったり、必要な機能が備わっていなかったりしてしまっては、導入する価値が薄れてしまいます。以上のことを踏まえて、3種類の会計システムの主な機能をご紹介しますので、必要な機能は何かを判断してみてください。

財務会計システムの主な機能

財務会計システムには、主に以下のような機能があります。

主な機能 概要
伝票入力 入金・出金伝票などを入力する機能。データベースに顧客登録などをしておき、入出金のデータを仕訳したりする機能もあります。
決算 伝票入力の機能で蓄積したデータを基に、決算に必要な書類作成を行う機能。税務申告に必要な書類などを作成できるため、外部に提出する書類作成が比較的簡単に行える特徴があります。
帳票出力 伝票入力や決算機能などで作成した書類を出力する機能。印刷による出力だけでなく、PDFやCSVでの出力にも対応しているケースがほとんどなので、電子帳簿保存法にも対応してるものが多いです。
自動仕訳 仕訳データを予測して自動仕訳を提案する機能。AIによって提案が行われるため、データの蓄積も必要となりますが、長期間利用することによって仕訳効率が大幅に向上するでしょう。
データ連携 主に銀行の入出金やクレジットカードの支払いといった、会計に関わるデータと連携する機能。手作業による入力を少しでも減らすのに効果的で、法人カードを利用していたり、経費扱いする金額が多かったりする場合に最適の機能です。

経理業務なども含めて効率化できる機能が豊富にあります。手作業で会計業務を行なっている企業の場合、これらの機能を導入するだけで大幅な業務効率化に期待できるでしょう。

管理会計システムの主な機能

管理会計システムには、主に以下のような機能があります。

主な機能 概要
予実管理 予算と実際に使用したお金を管理する機能。予算に対してどのくらいの実際費が計上されたのかを可視化でき、分析する際に役立ちます。
経営分析 貸借対照表や損益計算書などの蓄積したデータから、経営に関する情報、主に財政状態などを分析する機能。部門別に分析する機能や、データを可視化する機能など提供サービスによっていろいろな種類があるのが特徴です。
経費管理 従業員が利用する経費を管理する機能。
シミュレーション 蓄積した会計情報を基に、将来の経営状況を予測する機能。経営における悪い点などを明確に把握できるため、現状分析にも役立ちます。

管理会計システムはその名の通り会計を管理する機能が多いです。管理している情報の中から現状を分析したり、将来を予測したりできるため、経営状況などを正しく把握することを求めている方にはおすすめのシステムと言えるでしょう。

債務・支払会計システムの主な機能

債務・支払会計システムには、主に以下のような機能があります。

主な機能 概要
支払い消込 支払い済みの債務データを消去する機能。手動で消去する機能や、支払予定情報を基に自動消去する機能もあります。
支払い分析 債務残高や支払い情報を基に、支払いに関する分析ができる機能。部門別の支払い情報や、支払に対する債務状況などを細かく分析してくれます。

債務情報を細かく管理したい場合におすすめの機能が上記2点です。売り上げ等の管理はしているが、債務の部分まで深堀して現状を把握できていない方は検討する価値のあるシステムと言えるでしょう。

会計システムを導入するメリットを把握することで、導入する価値を再確認できます。導入するメリットは自社でもしっかりと享受できるものなのか、自社にとって意味のあるメリットなのかをしっかりと確認して導入するべきかを検討しましょう。

【会計システムを導入するメリット】

  • 業務の効率化
  • 人的ミスの軽減
  • 制度の変更に対応した会計処理
  • 経営状況の把握

業務の効率化

会計システムを導入すれば、会計業務の多くを効率化できるでしょう。仕訳作業や帳票出力、入力データをもとにした決算書の作成など、従来ならかなりの時間を要していた業務も、システムによって大幅に短縮できます。もちろん手作業で数値を入力しなくてはいけない部分もありますが、Excelによる管理などと比べれば処理スピードはかなり速いですし、手間も大幅に軽減します。

企業の規模によっては経理課であってもかなりの人数を必要とするケースがあるかと思いますが、システムさえ導入してしまえば必要となる人数も削減できるでしょう。これにより、人件費の削減等にも繋がるため、利益率の向上にも貢献します。

人的ミスの軽減

会計システムを利用すれば、計算ミスや二重計上といったヒューマンエラーを防止することができます。会計における様々な業務を自動化することによって、ミスが発生しやすい業務に関わる時間を減らすことができ、経理業務のミスを削減できるでしょう。

会計など経理業務のミスは、小さなミスだとしても後から追うとなるとかなりの手間を要することも珍しくありません。毎月の締め作業でも、ミスがあれば顧客とのやり取りが増えて手間ばかり増えてしまいますし、場合によっては信用問題にまで発展する可能性もあるでしょう。ですが、会計システムさえ導入してしまえば、そういった心配を軽減できます。

制度の変更に対応した会計処理

昨今の消費税率の変更などのように、日本の税制度は定期的に変更が行われています。それゆえに従来までは、制度変更が行われるたびに経理課がそれに対応して計算を繰り返していました。

ですが会計システムであれば、システムの改良やクラウドサービスのアップデートによって迅速に対応ができるだけでなく、順応時に発生するミスも無くなります。制度変更への対応についてはクラウド型が最も優れており、提供側がシステムを改良してサービスのアップデートを行なえばすぐに順応できてしまいます。制度変更に対する専門知識も不要なので、制度変更の際の心配をしている方はぜひクラウド型を検討してください。

この点においては、特にインボイス制度への対応が求められていますが、制度概要や対応手段を詳細に解説した資料も、以下より併せて参照ください。

経営状況の把握

会計システムには様々な管理機能が備わっているため、経営状況を正確に把握しやすい特徴があります。条件別に現状を把握できたり、グラフなどを使用して誰でも理解できるような分析をしてくれたりと、経営陣が求める必要な情報をスピーディーに把握できるでしょう。

また、現在と過去の経理情報を基に、将来の経営状況を予測するといった機能も備わっています。現状だけでなく、将来も見越して分析ができてしまえば、経理状況に基づいた適切な経営方針を定めていくことが可能となるでしょう。

会計システムを導入するメリットがある一方で、デメリットも存在します。メリットだけを確認して導入を決めてしまうと、問題が発生した際に導入したことを後悔することにもなりかねませんので、必ず把握しておきましょう。また、メリットとデメリットを把握すれば、会計システムを導入する価値を再確認することにも繋がります。

【会計システムを導入するデメリット】

  • 導入コストがかかる
  • システムによっては扱いづらい可能性がある
  • 担当者が抵抗感を抱く可能性がある

導入コストがかかる

当たり前のことながら、システムを導入するにはコストがかかります。パッケージ型なら初期費用が大きくかかりますし、クラウド型なら月額費用がかかります。

システムによっては扱いづらい可能性がある

システムによっては操作性が悪くて扱いづらいものもあるかもしれません。ITツールの全てが初心者向けに作られているわけではないため、導入時に自社の担当者でも問題なく扱えるか確認しておくことが大切です。

担当者が抵抗感を抱く可能性がある

場合によっては担当者がシステムを導入することに抵抗感を抱く可能性があります。既存の会計業務の仕組みに慣れている方の場合、新しいシステムを取り入れるのに拒否反応を示す可能性がゼロではありません。担当者に対して理解を促し、導入するメリットをしっかりと伝えることが必要となってくるでしょう。

会計システムを導入するメリット・デメリットを通して、実際に導入する価値があると判断した方は、次にシステムを選ぶポイントを把握しましょう。会計システムは色々な種類があり、自社に適したものを導入しないと求める効果を十分に得られない可能性が高まります。

【会計システムの選び方のポイント】

  • 機能で選ぶ
  • 拡張性で選ぶ
  • サポート体制で選ぶ
  • 価格で選ぶ

機能で選ぶ

求める機能が搭載されていない会計システムは導入する価値がありません。自社が求めている機能は何なのかを明確にして、必要な機能が搭載されているシステムを導入しましょう。

拡張性で選ぶ

パッケージ型の場合にのみ該当する内容ですが、自社に合わせてカスタマイズを繰り返せるシステムを選びましょう。拡張性のないシステムを選ぶと、新たな制度への対応も難しくなりますし、自社で効率化を図る際に求める機能を搭載できない可能性があります。

サポート体制で選ぶ

サポート体制が充実していれば、不明点やトラブルなどがあった際に素早い対応をしてもらえるでしょう。経理業務は毎日行うこともあるほど業務量が多いため、1日の停止が業務負担の大きさを左右します。担当者の負担を増やさないためにも、サポート体制が充実しているシステムを選びましょう。

価格で選ぶ

何事においても、投資対効果の視点は重要になります。搭載されている機能やサポートの充実度を踏まえてコストパフォーマンスの良いシステムかどうか適切に判断して導入しましょう。

会計システムを導入する際に把握しておくべき注意点がいくつかあります。以下ではクラウド型の場合、導入時に注意しておいた方が良いことをピックアップしたので参考にしてください。

【会計システムを導入する際の注意点】

  • 社内への周知が必要
  • 場合によっては運用ルールを作ることが必要

社内への周知が必要

システムを導入する場合は社内への周知が必要となります。システムによっては社内の経理に関わる業務の方法を変更しなくてはいけない場合もあるため、経理に関わる部署に対しては必ず導入した旨を伝えるようにしましょう。

場合によっては運用ルールを作ることが必要

システムによりますが、場合によってはシステムを運用するためのルールを作成しなくてはいけない可能性もあります。例えば、クラウド型を使用する場合は「カフェなどで使用しない」といった情報漏洩に関するルールを設ける必要が出てくるかもしれません。

会計システムとは、企業内における会計業務を効率化するシステムのことです。会計システムには、財務会計、管理会計、債務・支払管理の3種類があります。それぞれ、持ち合わせる機能が異なるため、導入する際はどんな機能が必要であるかを明確にしておきましょう。

提供サービスの内容によっては複数の種類を併せ持つものもあるため、種類関係なく必要な機能を選定することをおすすめします。また、会計システムにはクラウド型、パッケージ型、基幹システムの3つの提供形態がありますが、基本的にはクラウド型がおすすめです。最近のクラウドサービスは比較的セキュリティレベルが高まっているといった点もありますが、それ以上に税制変更などに対して柔軟に対応できるなどメリットがとても大きいです。

自社の導入目的や経理業務の状況を踏まえて、最適な会計システムの導入を検討してみてください。

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