生産性向上とは?業務効率化との違いや取り組み・施策、成功事例を徹底解説!

2023.08.14

生産性向上とは?
業務効率化との違いや取り組み・施策、成功事例を徹底解説!

生産性向上とは?業務効率化との違いや取り組み・施策、成功事例を徹底解説!

国内に於ける労働人口の減少や、グローバルな規模での市場競争の激化に伴って、業種や業界を問わずに生産性向上へと注目が集まっています。

しかし、「具体的に、どのようなアクションを起こせばいいのか?」「生産性とは、そもそも何を指すのか?」といった点が、明確ではない人も多いのではないでしょうか?

この記事では、これまでに多くの生産性向上を提案してきた当社のノウハウに基づいて、具体的な取り組み・施策を中心に、生産性向上へのヒント集を含めて解説していきます。

当社が過去に実施した生産性向上への取り組みも解説しますので、ぜひこの記事を参考にしながら、御社も生産性向上に取り組んでみてください。

生産性向上とは、人・設備・時間などの資源投入によって創出した成果の質や量を、現状と比べて改善していく活動や取り組みを示します。ビジネスシーンでは、「工場の稼働率を改善し、生産性向上を実現する」などのように用いられます。

生産性向上を英語では何と言う?

英語で表現する際には、「productivity improvement」といった言い回しとなります。直訳すると生産性の改善になりますが、生産性向上に相当する言葉として、ぜひ参考にしてみてください。

生産性向上はどうして必要?

生産性向上が求められる背景には、特に昨今に於いて次のような理由があります。

  • 日本国内の少子高齢化による労働人口の減少
  • 日本企業の国際競争力の低下

少子高齢化は、日本国内でますます進むこととなり、2040年には総人口の53.9%まで減少すると言われています。あくまで予測ではあるものの、この予測通りに労働人口が減少するのであれば、生産性向上は企業存続の必須課題となるでしょう。

また、日本企業の国際競争力の低下を要因に、生産性向上が叫ばれている側面もあります。2019年の日本の1人当たり労働生産性はOECD(経済協力開発機構)37か国中26位、先進7か国では1970年以降最下位という状況です。これに労働人口の減少の問題も重なり、生産性向上が重要であると言われているのです。

生産性向上と業務効率化は違う?

業務効率化とは、業務内に存在する「ムリ・ムダ・ムラ」を発見・排除し、業務にかかる工数や費用などを最適化していく活動や取り組みを指します。同様にビジネスシーンでは、「人手不足を解消するため、業務効率化を図る」などのように用いられます。

違いを説明する際の例として、生産性向上という「目標」があったとき、それを実現するための「方針」の一つに業務効率化は位置づけられます。改善活動をする際、「目的」「目標」「方針」「手段」などを段階的に定めていきますが、生産性向上と業務効率化の違いは、その言葉の段階の違いだと捉えていただければと思います。

そのため、「業務効率化のために、生産性向上を図る」とは言いませんが、「生産性向上のために、業務効率化を図る」といった表現は一般的にしばしば見られます。生産性向上の解説は、以下の記事も併せて参照ください。

生産性にはどのような種類や指標がある?

企業が生産性向上に着目している背景には、最小の資源を使って最大限の成果を生み出すことに注力しているという理由があります。従来の生産性の考え方では、多くの資源を投入して比例的に成果を出すという構図でした。

しかしながら、労働人口の不足や競争環境の激化などの点により、これまでに以上に高い生産性をもった事業運営が社会的にも求められ、生産性向上を目標に設定するようなケースが増加しました。

但し、生産性向上と言っても、内容が異なる3つの生産性の指標があります。

  • 物的労働生産性
  • 付加価値労働生産性
  • 全要素生産性

それぞれ取り上げる計算式に、実際に数字をあてはめながら確認してみてください。

物的労働生産性

物的労働生産性とは、生産量を労働者数や労働時間などで割って算出される数字のことです。単純に労働生産性といった場合はこれを指します。分母は労働者数や労働時間などがあります。計算式は次の通りです。

【物的労働生産性の計算例】

  • 1人あたりの労働生産性=生産量÷労働者数
  • 1時間あたりの労働生産性=生産量÷労働者数×労働時間

例えば10人が5時間ずつかけて150個の製品を製造した場合、時間当たりの労働生産性は、以下のようになります。

時間あたりの労働生産量=150個÷10人×5時間=3個

上記の式では、1人の労働者が1時間で生み出せる製品の数は3個となりました。物的労働生産性は計算式が単純で、算出される結果もわかりやすいため、客観性が求められる社外向け資料に使用するのが一般的とされています。

付加価値労働生産性 

付加価値労働生産性とは、商品の付加価値(粗利)を労働者数や労働時間で割って算出する数字です。計算式は物的労働生産性の「生産量」を「付加価値」に変更するだけとなります。

【付加価値労働生産性の計算例】

  • 1人あたりの労働生産性=付加価値額÷労働者数
  • 1時間あたりの労働生産性=付加価値額÷労働者数×労働時間
  • 資本生産性=付加価値額÷資本のストックの総量

物的労働生産性で製造した商品が500円で販売されており、そのうち付加価値が200円である場合、1時間あたりの労働生産性は次のようになります。

労働生産性=200円÷10人×5時間=4円

付加価値として非常に小さい額になることがわかりました。労働者が生み出している付加価値を、財務的にも明確にしやすく、社内目標などを定める際に採用する企業もあるようです。また、働き方改革で提唱された労働生産性は付加価値労働生産性を指します。

全要素生産性

全要素労働生産性(TFP)とは、労働力・付加価値だけではなく、あらゆる要素を詰め込んで生産性を算出する方式です。目には見えないブランド価値なども入れ込んで算出するもので、今回紹介する計算式で最も複雑です。決まった計算式はありませんが、例として以下のようなものがあります。

【全要素生産性】

  • 全要素生産性の増減=生産量÷(労働+資本+原材料……)
  • 全要素生産性の増減=付加価値額÷(労働+資本+原材料……)

計算式の中には技術進歩が加算される業種や業界もあります。技術進歩が起きると、以前よりも省資源で同じものを生産できるようになるため、全要素生産性の算出には欠かせない要素です。このように計算式が複雑な上、目には見えない成長要因などの項目が計算で必要になることから、全要素生産性の増減を算出するために使用されます。

在宅勤務などの働き方の多様化に伴い、個人レベルでも生産性向上を求められるケースが増えています。また、人手不足などを背景に、一般事務やバックオフィスへの生産性向上も欠かせません。

個人やオフィス業務を例に挙げ、いくつかの取り組みや施策をご紹介します。

情報共有の効率化

情報共有は円滑な業務運営だけでなく、社内・社外のコミュニケーション活動にも欠かせないもので、だからこそ効率化によって事業や業務のスピードは飛躍的に向上していきます。

情報共有を目的としたツールはさまざまなものが展開されていますが、自社の課題に適したものを選定・導入することが重要です。具体的には、以下のような取り組みや施策が挙げられます。

取り組みや施策 具体的な実現イメージ
コミュニケーションの効率化 グループウェアの活用により、さまざまコミュニケーション機能をクラウド上で一元的に利用することが可能となります。特にMicrosoft 365では、Officeやメールなどの基本的なアプリケーションのほか、Web会議やグループチャットなどのリモートワークにも適した機能を導入でき、新しい働き方を実践することができます。
稟議などの申請・承認の効率化 ワークフローシステムの活用により、主に申請・承認・決裁を一例に、それまで必要としていた書面の回覧や押印などの多くの作業を、システム内で完結させることが可能となります。
ファイル共有の効率化 クラウドストレージの活用により、ドキュメントなどのファイルをクラウド上で一元的に保管することが可能となります。
資料の共同編集・共同作業の効率化 クラウド型ワークスペースの活用により、資料や文書に対してクラウド上で共同編集・共同作業することが可能となります。

一般事務業務のデジタル化

働き方の多様化により、いつでもどこでも業務プロセスを進行できる環境の構築が不可欠となりました。 しかしながら、紙に依存した業務が残存してしまうと、そのためにオフィスに戻って対象の書類を処理する必要が生じたり、それによって処理にかかるリードタイムが発生したり、手間や時間を要してしまいます。

そのため、紙で運用している業務プロセスをデジタル化できる仕組みを設け、ペーパーレスで業務の進行が可能な基盤をつくることが、生産性向上に効果的です。具体的には、以下のような取り組みや施策が挙げられます。

取り組みや施策 具体的な実現イメージ
取引先との契約書締結のデジタル化 電子サインの活用により、取引先との契約締結の一連のプロセスをすべてクラウド上で完結することが可能となります。
データ入力の自動化 AI-OCRの活用により、紙文書や電子化されたイメージから文字データを抽出し、さらに業務に合わせて内容の加工・チェックを自動的に行うことが可能となります。
経費精算のデジタル化 経費精算クラウドの活用により、領収書の電子化のほか、支払い処理をクラウドサービス上で効率的に処理することが可能となります。
データ集計・データ管理のデジタル化 kintoneの活用により、データの集計・管理の一元化など、事務に於ける各種作業の効率化を図ることが可能となります。

バックオフィス業務のシステム化

バックオフィスは会社を正常に稼働させるために不可欠な組織であり、企業内に於いて重要な役割を担っています。そのため、繁忙期を筆頭に業務の負担・負荷が大きくなり、また、人手不足に陥ることも多くあります。

そうした問題に対し、最適なツールを導入していくことで、バックオフィス業務の改革や生産性向上を促進することが求められます。具体的には、以下のような取り組みや施策が挙げられます。

取り組みや施策 具体的な実現イメージ
会計業務のシステム化 会計クラウドの活用により、決算書をはじめとする決算関係書類の作成など、経理に於ける各種作業の効率化を図ることが可能となります。
経費精算業務のシステム化 経費精算クラウドの活用により、スマートフォンを用いた領収書の清算など、事務に於ける各種作業の効率化を図ることが可能となります。
人事業務(勤怠管理)のシステム化 勤怠管理クラウドの活用により、労働時間の適正把握や給与計算の自動化など、労務に於ける各種作業の効率化を図ることが可能となります。
管理業務などの事務全般のシステム化 kintoneの活用により、データの集計・管理の一元化など、事務に於ける各種作業の効率化を図ることが可能となります。

次は業種の視点で、生産性向上をみてきましょう。その中でも製造業は、製品の生産力が事業運営の成否に多大な影響を与えることから、生産性向上が求められる業種・業態となります。

生産性向上への取り組み・施策

昨今では、上のイメージ図のように、「製造DX」や「スマートファクトリー」などの言葉も台頭し、従来と比べてさらに改善活動が求められています。具体的には、以下のような取り組みや施策が挙げられます。

取り組みや施策 具体的な実現イメージ
設計の業務改革 後工程に大きな影響を与える設計業務の改革は、製造業の生産性向上に必須です。3DCADをはじめとする最新のITツールを活用することで、手戻りを防止し、生産リードタイム全体の短縮を実現することが可能となります。
生産現場の「見える化」 QCDの目標達成に向けた第一歩は、生産現場の状況を「見える化」することから始まります。最新のデジタル技術を活用することで、生産設備と人の作業の見える化が可能となります。
熟練工の技術伝承 人材育成や採用は短期間では難しく、熟練工のノウハウ活用が急務です。デジタル技術を活用することで、熟練工の技術伝承の対策案を実践することが可能となります。
技術情報の保護 製造DXが進む一方で、製造業を狙ったサイバー攻撃が増加しています。サプライチェーン全体の停止を防ぐための、強固なサイバーセキュリティー対策も、生産性向上の一環では必要となります。

先程の説明で取り組み・施策を紹介しましたが、それらを上手く機能させるためのヒントを解説したいと思います。具体的には、以下の4つがポイントになります。

  • ムダな業務の洗い出し
  • 業務の平準化
  • 適切な人員配置
  • 従業員のスキルアップ

ムダな業務の洗い出し

現状の業務を見直して、無理や無駄がないかを洗い出すようにしましょう。生産性向上のためには、業務全体を見直して可視化できるようにする必要があり、その第一歩としてムダな業務を洗い出さなければなりません。言い換えれば、どの業務が削減できるのかを検討するのです。

ひと口にムダと言っても、人員・工程・費用など、多岐にわたってムダがある可能性があります。業務プロセスを可視化する際にこれらが見えてくることもあり、対策も同時に考えられるようになるでしょう。部署単体で見直すのではなく、全社的に現状の業務にムダはないかを洗い出しすると、生産性向上につながるかもしれません。

業務の平準化

業務の平準化とは、誰が同じ業務をやっても問題なくできるようにすることです。あまりに専門性の高い業務内容は対象外ですが、工夫次第で、属人化している業務でも平準化できるようになるでしょう。具体的には、業務をマニュアルなどに落とし込む「手順化」です。手順化することで誰が業務をしても同じ品質で業務ができるようになります。

適切な人員配置

人員配置の見直しと適正化も、生産性向上には必要不可欠です。例えば営業が得意な人材がバックオフィス業務を行うよりも、営業に携わらせた方が成果を出せる可能性は高くなります。いわゆる適材適所の考え方であり、実施している企業もありますが、見直してみると人員配置が適切に行われていないケースも珍しくありません。

業務の平準化やムダの洗い出しと併せて、人員配置も見直すと良いでしょう。

従業員のスキルアップ

研修やセミナーを通じて、従業員のスキルアップを支援することも、生産性向上には重要なポイントです。具体的には資格取得や技術研修などになります。従業員がスキルアップすれば、生産性の向上につながる可能性もあり、企業としてプラスになるでしょう。

また、スキルアップした対価として手当や給与を見直すと、従業員のモチベーションアップにもつながります。モチベーションアップも、生産性向上には欠かせないポイントです。

生産性が向上すると、企業はいくつかのメリットを享受できます。代表的なものは次の通りです。

  • 人材不足への対策
  • コスト削減
  • ワークライフバランスの改善
  • 国際競争力の向上

生産性向上とどのように関係があるのか、詳しく解説します。

人材不足への対策

生産性向上はどうして必要?」の項目でも触れましたが、人材不足の解消への対応につながります。少子高齢化が進んでいくと、日本の労働人口が減少するのは明白であり、生産性向上を重視していない企業は淘汰されてしまうでしょう。企業存続のためというと大げさに聞こえるかもしれませんが、持続的な事業運営に当たって必須の対策です。

コスト削減

生産性向上はQCDと紐づけて語られることもあるように、ムダを解消してコスト削減に努める意味も内包されています。例えば、投入コストを低減させるような施策を実行することで、人件費や原材料費の削減を狙えます。

また、削減によって確保できたリソースを生産活動や環境改善に充てることで、さらなる生産性向上につながるでしょう。

ワークライフバランスの改善

ワークライフバランスの実現にも、生産性向上が大いに役立ちます。生産性向上には、限られたリソースで最大限の成果を生むといった目的があります。

残業を含む長時間勤務によって成り立っていた成果を、標準的な労働時間の中でも同様に創出できるようにするなど、生産性向上によって労働環境の改善にもつながっていきます。

更には、そうした成果を在宅勤務であっても同様に実現できるようにすることで、全社的にワークライフバランスが改善されていくでしょう。ひいては、企業のブランドイメージにもより良い影響を与えていきます。

イノベーションの創出

日本国内の生産性は、先進国だけではなく諸外国と比較しても低く、国際競争力の低さが問題視されています。生産性向上に取り組まなければ、世界をけん引できるようなイノベーションを生み出すことはできません。

反対にいえば、生産性向上に邁進した先にあるものとして、国際社会と戦えるだけの商品やサービスを生み出せるともいえます。企業だけではなく、国全体で見ても生産性向上は重要な課題なのです。

最後に、実際の成功事例も確認しておきましょう。実践に向けた具体的なイメージが湧いてくるかと思いますので、当社の事例と、当社のお客様の事例の二点をぜひご覧ください。

富士フイルムビジネスイノベーションの事例

当社で生産性向上に取り組んだ際は、まず営業部門が対象領域となりました。部門全体で取り組んでいた営業の生産性向上の一環として、出力されている紙の量の削減を目指すことにしたのです。紙のせいで業務に自由がなくなっている現状を変えることで、「いつでもどこでも営業できる」ようにすることを方針に、業務効率化を進めていきました。

こちらの内容の詳細は資料として公開しています。以下からダウンロードできるので、ぜひ参照してみてください。

当社のお客様の事例

三重県に本社を置く食品素材メーカーの太陽化学様は、注文書ファクスの完全ペーパーレス化とデータ入力の自動化を実現しました。以前は1日600件にもおよぶ注文を、取引先別のルールに基いて属人的に処理を行い、その後の保管作業にも膨大な手間をかけていました。

こちらの成功事例は、オンデマンド動画をご用意しています。本動画では、受注業務のリーダーに登壇いただき、“月間17,000枚の紙の削減”や”新しいメンバーでもルール通りに業務ができる環境作り”、“テレワークなどの新しい働き方への移行”などにつながった取り組み内容と、それまでの苦労を全て”本音”で語っていただいています。ぜひ以下の動画を合わせて参照ください。

生産性向上とは、人・設備・時間などの資源投入によって創出した成果の質や量を、現状と比べて改善していく活動や取り組みを示します。ビジネスシーンでは、「工場の稼働率を改善し、生産性向上を実現する」などのように用いられます。

企業が生産性向上に着目している背景には、最小の資源を使って最大限の成果を生み出すことに注力しているという理由があります。従来の生産性の考え方では、多くの資源を投入して比例的に成果を出すという構図でした。

しかしながら、労働人口の不足や競争環境の激化などの点により、これまでに以上に高い生産性をもった事業運営が社会的にも求められ、生産性向上を目標に設定するようなケースが増加しました。どのような指標があるかは、改めて本記事を参照してみてください。

生産性向上の進め方にお悩みの場合、当社のこれまでの実績やノウハウに基づいて支援することが可能ですので、以下のお問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご相談ください。

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