当法人では以前から、法人全体の業務に関わる書類やデータは法人本部が管理し、それ以外は各施設で管理するという2段階の体制を取ってきました。各施設で管理するデータの大半はこども園・保育園で撮影される写真です。特別な行事だけでなく日常活動などの様子も日々撮影し、園内に掲示したり子どもたちの成長アルバムとして保護者に提供したりしています。
問題は、そのデータ量が膨大なことです。撮影した写真をPCに保存していたのですが、PCは共用で施設に数台しかないので、保育士全員が作業を終えるにはかなりの時間がかかるうえ、保存容量も常に逼迫している状態でした。PCが急に故障したりすると、すぐにも業務が滞りますし、写真データが消えてしまったら大ごとです。しかし、各施設のIT管理者は施設長クラスの職員が兼任しており、本部にも専任の担当者はいませんから、問い合わせを受けても迅速な対応は困難。現場で手に負えない場合は、以前から取引のあった富士フイルムビジネスイノベーションジャパン（以下「富士フイルムBIジャパン」という）にスポットで対応を依頼するなどして、何とか急場をしのいでいました。
また、この10年ほどは施設の数が毎年のように増えていたこともあって、従来のやり方では組織全体のIT管理に限界を感じていました。さらに、重要なデータの保管に活用していた本部のネットワーク接続型ストレージ（Network Attached Storage：NAS）も老朽化してきているなど、IT管理体制の見直しを迫られていたのです。

富士フイルムBIジャパンとのお付き合いは20年以上になります。複合機・PCといった機器や、ネットワークセキュリティーの「beatサービス」などを導入しており、IT関係のトラブルのスポット対応などもお願いしてきました。そんな中、IT管理体制の見直しについて相談したところ、こちらの状況を深く理解した上で提案してくれたのが、本部にはWindowsサーバーとバックアップ環境、各拠点にはNASとバックアップ環境を構築するとともに、ITの運用管理から利用環境の改善まで幅広く支援してもらえる「IT Expert Services」を本部および各拠点に導入するという体制でした。
導入のいちばんの決め手となったのは「安心感」です。バックアップ環境や保守サービスによる安心感はもちろんのこと、長年のお付き合いの中で築いてきた富士フイルムBIジャパンとの信頼関係がもたらしてくれる安心感が大きな要素でした。これまでスポット対応を依頼したときでも、何とか最善を尽くそうと駆けつけてくれたりする姿を見てきましたから、今回も「安心して任せられる」という気持ちになりましたね。
実は、同時期に他社からもIT機器やサポートについて提案を受けていました。ただ、「全部乗り換えてもらえたら価格は引き下げます」といった価格中心の提案内容で、最初はよくても将来的に最後まで面倒を見てもらえるかどうか不安に感じ、見送らせていただきました。