静岡県西部の浜名湖北岸に店舗と事業拠点を構え、はちみつの生産・販売やはちみつ加工食品の製造・販売を行っています。創業は90年前の1935年で、当初ははちみつやローヤルゼリーの販売を行っていましたが、時代とともにお菓子など加工食品も扱うようになりました。現在では店舗でテイクアウトのソフトクリームなども提供、4年前にはJR浜松駅近くに販売店「長坂養蜂場 はちみつスイーツアトリエ」も出店しました。創業の精神である「感謝・報恩・三方よし」を大切に、自社だけでなく地域や取引先とともに成長・発展する会社を目指しています。

そんなあるとき、顧客分析やDM企画などマーケティング領域で長年支援してもらっているフュージョン株式会社の担当者から紹介されたのが、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン（以下「富士フイルムBIジャパン」という）の「One to One 明細書ソリューション」でした。話を聞いたところ、当社が望んでいるような思いや情報をお客様に届けられるソリューションだということで、早速詳しい提案を受けることにしました。
「One to One 明細書ソリューション」は、A3サイズの用紙の両面を使って、通販のお買い上げ明細書とともに、商品紹介やレシピなどの情報を掲載できるというもの。明細書はお客様が手に取る可能性の高いものですから、それと同じ用紙に印刷されている情報もお客様の目に触れやすくなります。しかも、「One to One」という名前の通り、個々のお客様ごとに内容をカスタマイズし、社内の専用プリンターで印刷できるという画期的なサービスでした。さらに、導入する当社側としても同梱物の制作や管理のコストが減り、現場の作業ミスなども避けられるという、まさにお客様・会社・環境への配慮を伴った「三方よし」が実現することを確信して、すぐに導入を決めました。
立ち上げの時点では、A3両面のスペースにどのような情報をどうバランスよくレイアウトするかといったことについて、何のノウハウもなく苦労しましたが、当社らしく「個に寄り添う」という目標に向け、社内で力を合わせて取り組みました。富士フイルムBIジャパンには、参考となる他社の事例の提供や、システムの使い方についての提案などで、強力で柔軟なサポートをしてもらい、たいへん助かりました。現在では、複数部署で制作を分担しながら、スムーズに運用できています。

「One to One 明細書ソリューション」の導入後、お客様からは「情報が見やすくなった」「お店に行きたくなった」など、ポジティブな声を多くいただいています。個々のお客様の注文内容に応じた情報を盛り込むことで、消費増や再購入につながる導線を作っているほか、注文ハガキを添える、Web購入のキャンペーンを訴求するといった施策も行い、それぞれ効果を上げています。また、誕生月のお客様に祝福メッセージを添えたり、ギフト用注文の商品を受け取る方には「○○様からの贈り物です」といった一言を追加したりと、温かみのあるコミュニケーションも実現しました。さらに、季節限定商品のプロモーションのテコ入れのためのコンテンツや、災害発生後の被災地周辺のお客様へのお見舞いメッセージなどをタイムリーに入れられるといったスピード感も大きなメリットです。

当社の業務に関連するメリットとしては、まず何よりチラシ関連の作業負担やコストの軽減が挙げられます。以前は、チラシなどの同梱物７～８点をOPP袋に封入する作業を外部に委託していましたが、現在ではその工程がなくなり自社内で完結できるようになりました。社内でのチラシの発注や在庫管理の業務も不要になりました。
また、商品のピッキングと検品の作業も大きく効率化しました。従来は明細書とピッキング・検品リストが別々だったため、通販部門とピッキング部門のそれぞれで受注内容のチェックが必要でした。しかし、「One to One 明細書ソリューション」では、明細書の右端に通販部門でチェック済みのリストが印刷され、梱包時に切り離せる仕様になっているため、ピッキングも検品もそのリストを見ながらスムーズに行うことができます。出荷物に間違った明細書を入れてしまうといった作業ミスも防げるようになりました。現場のスタッフにも「ピッキングのミスやチラシの入れ忘れなどを心配せずに作業できるようになった」と好評で、実際、配送ミスへの対応にかかる時間や労力も大きく削減されています。