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ホーム ソリューション 中堅・中小企業のDX推進コラム マーケティングコラム:「Web接客」を成功させる5つの施策と7つの実装手順

2023年4月19日

「Web接客」を成功させる
5つの施策と7つの実装手順とは?

株式会社インターファクトリー 様

「Web接客」とは、Webサイトを訪れたユーザーに対して接客することを指し、サイト上でおすすめ商品を表示するポップアップバナーや問い合わせチャットなどを総称して「Web接客ツール」と呼びます。WebサイトにWeb接客ツールを実装しても、他の広告と同様に商品やサービスの情報を表示するだけでは、Web接客の効果を引き出すことはできません。Web接客施策を成功させるためには、ユーザー心理に寄り添ったサービスをツールの機能で実装することが重要になります。

今回は、効果的な5つのWeb接客施策とWeb接客を実装するために必要な7つの手順を解説します。

井幡 貴司氏

立正大学経営学部卒業後、数社を経てベルリッツ・ジャパン株式会社、株式会社インターファクトリーにてWebマーケティングを担当。2019年12月、Webマーケティングを支援するforUSERS株式会社を設立。300人以上のユーザー行動調査を実施してきた経験から、コンサルティングやセミナーに従事。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。

視点 : 「Web接客ツール」は購入決定を後押しし、必要なサポート対応をオンラインで提供できる

ヘルプページや購入手続き画面などで「チャット」画面を表示し、サポートが必要なユーザーが気軽に問い合わせできるようにしています。「Web接客」はコンバージョン率(CVR)の向上を目指してユーザー満足度を高めるための施策の一つで、「Web接客ツール」でユーザーの関心を引きつけるきっかけや困ったときの相談窓口を実現します。

Web接客の代表的な機能は「バナー」と「チャット」

現時点のWeb接客の代表的な機能は「バナー」と「チャット」です。

 バナーチャット
主な用途宣伝・訴求問い合わせ・FAQ
コミュニケーション通知による単方向会話による双方向

Web接客の代表的な機能「バナー」と「チャット」の比較

バナーは一方的な通知のため、宣伝色やメッセージの押し付けが強くなりすぎると、うっとうしく感じてしまう場合があります。利用にあたっては、ユーザー心理を十分に考慮してメッセージとタイミングを設定することが大切になります。チャットは会話による双方向のコミュニケーションが可能なため、困っているユーザーの問い合わせ窓口に最適です。人間のオペレーターが応対する有人チャットと、チャットボットによる自動応答の手法があります。

Web接客用バナーとしての3つの基本的な改善

改善1 スマホユーザーでも見やすいようにテキストの視認性を高めた
改善2 SEOキーワード(サンプルでは「コレステロール」)をバナー内に明記した
改善3 ページを開いてから60秒後に表示されるように設定を変更した

クリック率の変化

改善前:4.86%
改善後:7.43%

同社がバナーで実現したいことは、商品の「宣伝」ではなく、ユーザーを特設ページに案内する「接客」ですから、「コレステロール」というキーワードでブログを訪れたユーザーの心理を理解する必要がありました。

何らかの目的を持って訪問したユーザーに対し、唐突に関連性のない声掛けをしてもユーザーは自分に向けたメッセージであるとは思わない、あるいは、気付いた途端に不快な気持ちになってしまうかもしれません。

Webでも、店頭でも、「接客」の本質は変わりません。なぜ来店してくれたのか、いつ声掛け(Web接客では「バナー表示」)をすると伝わりやすいのかなど、ユーザーにとって分かりやすいメッセージと最適なタイミングを計る必要があるのです。
同社ではWeb接客用のバナーを改善したことで、バナーのクリック率が上昇しただけでなく、これまでゼロだったブログ経由のコンバージョンの獲得という成果も収めることができました。

Web接客の5つの施策

今回は、筆者がおすすめするWeb接客の効果を最大化するための5つの施策を紹介します。具体的な解説を加えていますので、ぜひ挑戦してみてください。

施策1 コンテンツマーケティング×バナーで売上アップを目指す

SEOキーワードで検索上位を獲得しているブログ記事などに、商品広告用のバナーを表示することで売上アップを目指す施策です。何も考えずにバナーを設置するだけでは、売上を伸ばすことはできません。以下のポイントを満たしたバナーを設置しましょう。

このWeb接客施策は、すでにコンテンツマーケティングが成功している場合には、成功する確率が極めて高い施策です。

施策2 商品詳細ページ×チャットによるサポートで顧客満足度を高める

特定の商品ページに長く滞在しているユーザーは、購入意欲は高いものの、決定にためらう悩みを抱えている可能性があります。このようなユーザーにはチャット画面を表示して、いつでも気軽に相談できる環境を提供しましょう。コールセンターを持っていたり、対応スタッフを揃えたりできるのであれば有人チャットが理想ではありますが、チャットボットによる自動応対でも有効です。

チャットを開設することで、新たな顧客接点の問い合わせログを分析に利用できるようになるため、商品やサービスに対する顧客のニーズやトレンドをより詳しく把握できるようになり、分析結果を商品ページの定期改善などに活用することで、CVRの向上を目指せるようになるなど、さらなる施策を打つことも可能になります。

施策3 閲覧履歴×バナーによるパーソナライゼーションで売上拡大を目指す

「訪問回数」や「閲覧履歴」などの条件によって、異なるバナーを表示できるWeb接客ツールを導入することで、例えば、前回訪問時に閲覧していた商品に関するバナーを、今回訪問時に表示するといったことが可能になります。

再訪ユーザーの多くは、前回訪問時に見つけた商品を購入するかどうか迷っている、あるいは、他の競合サイトと比較検討している可能性が高いため、再訪時に閲覧履歴に基づいた商品のバナーを表示するなど、パーソナライゼーションによる効果が期待できます。

この施策では、同じバナーが永遠に表示され続けることのないよう、同じバナーを一定回数表示してもクリックされなかった場合には、別のバナーを表示するなど、ユーザーに煩わしさを感じさせないよう、表示ルールを策定しておく必要があります。

施策4 キャンペーン×バナーでキャンペーンの成果を後押しする

キャンペーンなどの告知では、ユーザーにとってのメリットが一目で分かるバナーを用意して、キャンペーンページに案内するようにしましょう。

キャンペーンのメリットが一目で分かるバナーのテキスト例
  • キャンペーン期間中に使える500円クーポンをプレゼント
  • キャンペーン商品に限り送料無料
  • キャンペーン限定商品をプレゼント
施策5 決済画面×チャットサポートで顧客満足度を高める

決済画面で一定時間以上滞在しているユーザーは、何か困っている状況にある可能性があります。あと一歩でコンバージョン(CV)に至るユーザーなので、決済画面での最適なサポートの有無は、売上に直接影響します。

決済画面でユーザーが困ってしまう状況(例)
  • クレジットカード決済の認証がエラーになる
  • 希望する決済手段が表示されていない
  • 複数ある決済方法が理解できておらず選べない

こうしたユーザーには決済画面にチャット画面を表示し、ユーザーが手続きをスムーズに進めるためにいつでもサポートできるようにしましょう。 チャットは前掲のWeb接客施策2と同様に、有人応対が理想ですが、チャットボットによる自動応答でも基本的なサポートを提供することができます。

Web接客施策の成功に必要な7つの手順

Web接客施策を成功させるためには、次の7つの手順に沿って進めましょう。 本記事では、バナーを用いたWeb接客施策を例に、各手順を解説していきます。

手順1 課題と目的を明確にする

最初に、課題と施策の目的を明確にしましょう。 Web接客ツールを導入しても、商品バナーを何となく表示するだけで、売上が増えることはありません。
以下のように、施策によって達成したい目標を具体的に設定することが重要です。

施策によって達成したい目標(例)
  • サイト全体のCVRの向上
  • ECサイトの初回購入率の向上
  • ECサイトのリピート率の向上
  • 新規会員登録数の増加

すでに以下のような課題を抱えている場合は、Web接客ツールを利用した施策は極めて有効です。

ECサイトの課題(例)
  • SEOで上位に表示されているWebページがあるのにCVが少ない
  • キャンペーンページやランディングページのCVRが低い
  • 公式サイトのCVが少ない

見えている課題に対しては、仮説を立てるところから始めることができますが、課題が何か分からないけれど成果が上がらないという場合は、課題を特定するための現状分析から始める必要があります。

手順2 データを見る

課題と目的を明確にしたら、実績データを確認しましょう。 例えば、SEOで上位に表示され、セッション数も多いWebページで、離脱するユーザー数が多い場合には、ユーザーが求めるコンテンツを提供できていない、あるいは、情報収集のためにアクセスしているだけのユーザーが多いのではないかと考えることができます。さらに、該当記事からの遷移を確認するなどして、Webページにアクセスしてくるユーザーの傾向と動きをデータから探っていきます。

手順3 仮説を立てる

データで捉えたユーザー情報に基づいて、「ユーザーはなぜそのような行動をしているのか」を考え、仮説を立ててみましょう。

ユーザーの傾向と動きから仮説を立てる(例)
  1. 記事ページには、「低糖質 プロテイン」というSEOキーワードで、多くのユーザーが訪れるが、商品ページに移動するユーザーはおらず、CVRは極めて低い。
  2. ユーザーは商品購入ページの存在に気付いていないのではないか?
  3. 記事ページ内に商品ページへのリンクを設定したらユーザーに気付いてもらえるかもしれない。

このように仮説を立てることができるのであれば、今すぐWeb接客ツールを導入すべきです。

手順4 Web接客ツールを導入する

手順3で立てた仮説に沿って、必要な機能を備えたWeb接客ツールを選びましょう。

上図の右側のバナーは、テキストを強調するデザインで視認性を高め、一目でメッセージが伝わります。コンテンツ制作をデザイナーに依頼する際は、コンテンツの目的と共に、届けたいメッセージと強調したいテキストなどを明確に伝えるようにしましょう。

手順6 Web接客ツールのバナー表示機能の設定を行う

Web接客ツールと作成したバナーを使用して、期待したルールに沿ってバナーが表示されるように設定します。 バナーを用いた施策では、複数の施策を同時に実施すべきではないと筆者は考えています。複数の施策を同時に走らせてしまうと、成功と失敗の要因が特定しづらくなるためです。

また、よほどアクセス数の多いWebページでない限り、短期間ではバナーによる効果が表れにくいため、掲載期間は1か月以上を目安にして施策を設計することをおすすめします。

手順7 効果検証を行う

バナーを用いたWeb接客施策が成功した場合には、掲載期間中にバナーのクリック率が劇的に上昇します。
クリック率がほとんど変わらない場合は、以下のような原因が考えられます。

バナーを用いたWeb接客施策でクリック率が変化しない理由(例)
  1. そもそもの仮説が間違っていた
  2. バナーコンテンツが悪かった
  3. バナーを表示するタイミングが悪かった

施策がうまくいかなくても、落ち込む必要はありません。優秀なWebマーケティング担当者も多くの失敗を経験しています。あきらめずに、正しく効果検証して挑戦し続けることで成功につなげることができます。失敗は成功するために必要な一つのプロセスなのです。

施策がうまくいった場合には、クリック先のランディングページを改善して効果の最大化を図ったり、成功パターンとして別のページに横展開したりするなど、施策の範囲を広げていくとよいでしょう。

まとめ

WebサイトにWeb接客ツールを実装しただけで効果を得ることはできませんが、ツール導入を機に、ユーザーが求めるサポートサービスについて再考してみるというアプローチをとることもできます。

富士フイルムビジネスイノベーションは、企業のマーケティングDX支援サービス「Marketing Cockpit(マーケティング コックピット)」を提供しています。顧客データを分析し、企業の成果につながるマーケティング活動を、データ活用とWeb接客施策の専門家が伴走して支援します。サービスの詳細は公式サイトをご覧ください。