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コラム
通販におけるF2転換とは?
重視される理由や
実行策・具体的な改善事例 -

「F2転換」という言葉を聞いたことはあるが、「F2転換がどのようなものか」「重要な理由」について知らない方も多いのではないでしょうか。
F2転換とは、商品・サービスの初回購入者が2回目の購入に至ることを指します。また、その割合である「F2転換率」は、特に通販などのビジネスモデルにおいて重要な指標の一つ です。
本記事では、F2転換の概要やF2転換率とリピート率の違いについて解説します。併せて、F2転換が重視される理由や促すための施策、「One to One明細書」を活用した導入事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
F2転換=2回目の購入・サービス利用に至ること
F2転換とは、一度商品やサービスを購入した顧客が、再度購入に至ることを指します。F2転換の「F」はFrequency(頻度)の略です。2という数字は2回目の購入を意味し、3回目の購入に至ればF3、4回目ならF4 となります。
初回購入者のうち2回目の購入に至った顧客の割合を「F2転換率」と呼びます。
F2転換率を算出する計算式は以下のとおりです。
F2転換率(%)=2回目の購入をした顧客数 ÷ 初回購入の顧客数×100
例えば、初回購入の顧客数が100人で、そのうち2回目の購入に至った顧客数が20人だった場合、F2転換率は20%となります。
F2転換率とリピート率の違い

F2転換率 とリピート率は、どちらも顧客のリピート購入を測る指標ですが、対象期間と計算方法に違いがあります。
前述のとおり、F2転換率は、初回購入から2回目の購入に至った割合を示す指標です。一方、リピート率は、特定期間内にリピーターになった顧客数の割合 を示します。測定期間は、分析目的に応じて変わるため、常に一定というわけではありません。
リピート率を算出する計算式は以下のとおりです。
リピート率(%)=特定期間内のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100
F2転換が重視される理由
F2転換、つまり新規購入の顧客に2回目の購入を促すことがなぜ重視されているのか、ここでは2つの理由を解説します。
◇新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストより高い
1つ目の理由は、新規顧客の獲得に多大なコストがかかるからです。一般的に、新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持コストの5倍といわれています。
新規顧客にアプローチするには、まず商品やサービスを認知してもらうことからスタートしなければならず、広告宣伝費や販売促進費など多くのコストが必要です。一方、既存顧客はすでに自社の商品やサービスを知っており、信頼関係も築けているため、少ないコストでリピート購入を促せます。
したがって、販売コストの低い既存顧客をいかに維持していくかが、収益性を高めるうえで重要となるのです。
◇LTV(顧客生涯価値)の向上に大きく寄与する
2つ目の理由は、LTV(顧客生涯価値)の向上につながり、収益性を高められるからです。LTVは、顧客が取引を始めてから終えるまでの間に、企業が得る利益の総額です。
F2・F3・F4転換率を比較すると、F2転換率が最も低い傾向にあります。つまり、初回購入から2回目の購入につなげるのが最も難しいということです。
逆にいえば、F2転換を達成できれば以降のハードルは下がり、継続的な購入が期待できるといえます。結果としてLTVが大きく向上する可能性が高まるのです。
F2転換を促す3つの施策

ここでは、F2転換を促し、長期的な関係を築くための具体的な施策を3つ紹介します。
◇リピート性のある商品・サービスの開発・提供
F2転換を促すには、リピートしやすい商品やサービスを提供することが重要です。短期間に高頻度で購入される商品や、季節にかかわらず利用される商品など、顧客の日常生活に組み込まれやすいもの が適しています。
例えば、日用品や食品、定期的なメンテナンスが必要な製品などが該当します。なおかつ、季節にかかわらず安定した需要が見込める商品であれば、よりリピートされる可能性が高いでしょう。
これらの商品やサービスを開発・提供すれば、F2転換を促せます。
◇リピート購入を動機付けする
顧客にリピート購入の明確なメリットを提示することも、F2転換を促すうえで非常に有効な手段です。例えば、2回目購入以降の顧客に対し、クーポンの発行や割引の実施などを行なう といったアプローチはよく使われます。
また、ポイントシステムを導入するのも効果的です。購入金額に応じてポイントを付与し、貯まったポイントを次回の購入時に利用できるようにすることで、F2転換を促進できます。
◇顧客満足度(CS)を向上させる
顧客満足度(CS) の向上は、F2転換だけでなく、顧客ロイヤルティの向上にもつながります。
特に重要なのが、初回商品到着時のアプローチです。お礼状の同封や、商品の使い方に関する情報提供など、顧客に寄り添った対応を心がけることが大切です。また、顧客一人ひとりに合わせた販促、例えば関連商品の提案 や個別キャンペーンの提供 なども効果的です。
また、初回購入者は1度サイトを訪れているわけなので、Webサイトの仕様を改善することで相対的に満足度を高められる可能性があります。例えば、購入までの導線の見直し、入力フォームの最適化といった対策が考えられるでしょう。
加えて、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)などのツールの活用も検討しましょう。
「One to One明細書」でF2転換を促そう
F2転換を成功させるには、顧客との継続的なコミュニケーションが大切です。富士フイルムビジネスイノベーションの「One to One明細書」は、顧客との接点を強化し、F2転換を効果的に促進するソリューションです。
◇閲覧率の高い明細書を販促ツール化
「One to One明細書」は、顧客がほぼ100%目を通す請求書・明細書を販促ツールとして活用している点が大きな特徴です。請求書・明細書は何度も読み返す機会が多く、個人情報が掲載されているため捨てられにくいという特性もあります。
さらに、明細書は商品に同梱されているため、媒体自体に郵送料はかかりません。これにより、販促コストを抑えた効果的なアプローチが可能です。

◇ 顧客との接点を強化し継続顧客育成に貢献
「One to One明細書」は、デジタルと融合 した可変印刷(バリアブル) により、顧客一人ひとりに合わせた販促が可能です。これにより、販促物の閲覧率・反応率がアップし、顧客満足度の向上にもつながります。
さらに、 関連商品の提案や個別キャンペーンの告知など、パーソナライズされた情報を届けられるため、リピート購入を強力に動機付けできます。また、プリント 業務の見直しにより省力化・コスト削減も実現可能です。
F2転換が促された 事例

玉子製品、寿司食材、お惣菜、加工野菜などの製造・販売を行なう株式会社あじかん様では、「One to One明細書」を導入することで、 ポイント残高が視覚化され、 定期解約率の低下に成功しました 。
顧客が必ず目を通す明細書に、パーソナライズされた情報を提供したことが成果につながっています。具体的には、顧客の購買履歴や属性情報に基づき、顧客ごとに内容を変えた販促物と納品明細書を一体化したものを同梱する運用に変更しました。
そのため、顧客は自分の求める情報をタイムリーに受け取れるようになりました。 特に、10回以上購入しているヘビーユーザーの解約率低下の影響が大きく、長期的な顧客エンゲージメントの構築にも成功しています。
まとめ
F2転換とは、一度商品やサービスを購入済の顧客が、2回目の購入に至ることを指します。その割合を示すF2転換率は、ECビジネス の持続的成長と収益安定化の鍵を握る重要な指標です。
初回購入者を2回目の購入へ導くことで、LTV(顧客生涯価値)が向上し、長期的な収益基盤を構築できます。本記事で紹介した、F2転換を促す施策や事例を参考に、F2転換の促進に取り組んでみてください。
「One to One明細書」は、顧客一人ひとりにあった情報を提供することで、コミュニケーションを強化できる効果的な販促ツールです。ぜひご利用をご検討ください。