コラム

【事例あり】
リピート通販成功のポイントは?
売上アップのカギは顧客との関係性構築にあり

通信販売の手法の一つに、顧客が同じ商品やサービスを定期的に購入する「リピート通販」があります。

リピート通販事業を展開しているものの、継続率や顧客単価が改善されず、課題を感じているご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

リピート通販を成功させるポイントは「顧客と良い関係性を築けるか」にあります。継続的に顧客のフォローを行ない、LTV(顧客生涯価値)を向上させることが大切です。

この記事では、リピート通販の概要、成功させるポイント、成功事例などをご紹介します。顧客との良い関係構築でお悩みの方は、ぜひご覧ください。

リピート通販とは?

リピート通販とは、商品やサービスを継続購入してもらう通信販売の手法です。 そのうち特定の商品をリピート購入する仕組みになっている場合は、特に「単品リピート通販」と呼ばれます。

リピート通販は、定期的に購入してもらうことが前提にあることから、食料品や化粧品など、消耗品と相性が良い傾向にあります。また仕入れ商品ではなく、自社商品やOEM商品(※)を取り扱うのがメジャーです。

※Original Equipment Manufacturing :販売元のブランドから委託を受け、ほかのメーカーが製造した製品

継続的な購入が前提のため、リピート通販は定期的な売上を見込めるのが特徴です。それにより、企業は収益の予想がしやすく、事業収益の安定化を狙えるメリットがあります。一方、顧客にとっても単発購入時のように商品選択や情報入力の手間がかからず、再購入が行ないやすい利点があります。

なお、リピート通販について「継続購入回数を決めることが必須」という印象をお持ちのご担当者様もいらっしゃるかもしれません。しかし、近年では「継続回数の縛りを設けず、いつでも購入を停止できる」「途中でリピート商材の変更が可能」といったリピート通販も登場しており、より良い顧客体験の提供が意識されている傾向にあります。

リピート通販の継続率を高めるには「魅力的な商品の開発・提供」とともに、「顧客満足度を高める取り組み」を通じて、LTVを向上させる工夫が必要です。

リピート通販を成功させる5つのポイント

リピート通販事業を成功させるには、5つのポイントを押さえておく必要があります。ひととおり確認し、自社の事業・商材に適したポイントを見つけましょう。

◇トライアルセットやお試し品の提供

リピート通販を利用してもらうには、まず初回購入につなげる必要があります。そのためにはトライアルセットやお試し品を提供し、消費者に商品を知ってもらう機会を設け、初回購入のハードルを下げることが重要です。

トライアルセットやお試し品を通じて、商品の利用経験者が増えれば、口コミが広まって認知度が高まる効果が期待できます。その結果、ECサイトへのアクセスやお問い合わせといった消費者からのアクションを獲得しやすくなるでしょう。

◇購入し続けたいと思わせる仕組み

顧客がリピート通販から離脱するのを防ぐためには、購入し続けたいと思わせる仕組みづくりも欠かせません。例えば、下記のような取り組みが有効です。

●割引制度・ランク制度……………継続購入の場合に限り、定価よりも安く購入できる仕組み

●ポイント制度……………………次回以降の購入時に使えるポイントを付与する仕組み

●ノベルティ・プレゼント提供………リピート通販利用者限定の特典を提供する仕組み

このように、継続することでよりお得感を感じることができ、引き続き購入したいと思わせるような仕組みを構築することがリピート通販でのポイントの一つです。

◇継続的な顧客フォロー

リピート通販のみならず通販全般に言えることですが、スタッフと直接コミュニケーションが取れる実店舗での買い物と異なり、事業者と顧客は直接コミュニケーションが取れません。そのため、顧客一人ひとりに対して適切なタイミングで情報を提供する顧客フォローを実施し、継続的にコミュニケーションを取ることで、信頼感や商品・サービスへの興味関心を高め、関係性の向上を目指すことが大切です。

例えば、購入商品に関連するコラムを掲載したチラシを提供し、商品の魅力をさらに知ってもらうのもよいでしょう。

ただし、商品に関連する情報ならすべて効果的に働くわけではありません。顧客の悩み・ニーズ・状況に沿う情報を、欲しいタイミングで提供することが重要です。顧客の利用状況や反応をもとにニーズを探り、One to One(※)でフォローしましょう。

※顧客一人ひとりの興味関心・ニーズに合わせたコミュニケーションをすること

◇クロスセルやアップセルを行なう

リピート通販においては、顧客 単価を上げることも重要です。顧客単価を改善し収益を増やすためには、クロスセルやアップセルに取り組むとよいでしょう。

●クロスセル……リピート購入しているものと関連する別の商品も追加購入してもらうこと

●アップセル……リピート購入しているものよりも高価格帯の商品を購入してもらうこと

サプリメントのリピート通販を例に、具体的なケースを想定してみましょう。

例えば、サプリメントAをリピート購入している顧客に対し、より効果を実感しやすくなるために役立つサプリメントBを案内し、購入してもらうのがクロスセルです。一方、サプリメントAの2倍の有効成分が含まれる、高価格帯のサプリメントCに移行してもらうのがアップセルです。

クロスセルを狙う場合は、リピート購入の理由を分析し、そのニーズを満たせるほかの商品も勧める必要があります。

一方のアップセルは、細やかな情報提供を通じて商品への理解を深めてもらい「いままで使っていた商品でもいいけれど、より効果の実感できそうなこちらも使ってみたい」と魅力を感じてもらうことが重要です。

◇LTVを向上させるための施策

LTVとは、顧客が自社と取引をはじめてから終了するまで、どれくらいの利益をもたらしてくれるかを示す指標 です。LTVが高いほど、顧客が商品・サービスに満足している状況にあり、リピート通販事業の経営が安定しているといえます 。LTVの算出方法は、下記の2種類があります。

●特定の顧客のLTV算出方法…………購入単価×購買頻度×継続年数

●簡易的・平均的なLTV算出方法……1年間の売上÷1年間の購入者数

リピート通販で安定した収益を得るためには、多くの顧客に利用を継続してもらう必要があります。顧客の満足度が高くない場合、利用停止の可能性が高まるため「いかに満足度を上げる施策をして、継続利用してもらうか」が重要なポイントになるでしょう。

なおLTVを向上させるためには、前段階として、顧客が企業・ブランドに対して抱くロイヤリティ(信頼感・愛着)を高めておく必要があります。日頃から顧客一人ひとりに合ったフォローを実現・継続していくことで、ロイヤリティを高められるでしょう。

例えば「商品の新規購入時には、商品の効果をより実感できる方法を伝える」といった取り組みが有効です。

顧客には配送日の案内や商品案内だけでなく、ニーズがある情報を積極的に発信し、高いロイヤリティを獲得することが大切です。

顧客との関係性強化が売上アップのカギ

リピート通販で売上アップを狙う際には、顧客との関係性が重要なカギとなります。

リピート通販における関係性 構築・強化に際しては、顧客一人ひとりに合ったコミュニケーションが求められます。全顧客に同じ内容の案内を送るのではなく、その人・商品に合った情報を提供することで、関係性の強化と顧客の定着化を図ることができます。

ただし、情報を発信するときには、情報に確実に目を通してもらえるような工夫も大切です。情報を届ける媒体選びやタイミングの見極めなどについて、慎重に検討する必要があるでしょう。

明細書を使ってリピート顧客の定着化を図る

顧客との関係性を強化する手段として、実は商品購入時に同送する「明細書」を活用することができます。富士フイルムビジネスイノベーションがご提供する「One to One明細書」は下記の特徴を備えており、リピート顧客の定着化を図る際に有効です。

●一人ひとりに合わせて、パーソナライズされた情報を届けられる

●利用明細や支払情報など、重要な項目が記載されている明細書と販促情報が一体化しているため、ほぼ確実に目を通してもらえる

●商品到着時という、顧客が最大の感動ポイントにあるタイミングで訴求できる

ご紹介したとおり、顧客との関係性を強化するには、顧客に合った情報を適切なタイミングで提供し、高い満足感・信頼感を得てもらう必要があります。明細書と販促物が一体化した「One to One 明細書」なら、一人ひとりに最適化した情報を適切なタイミングでお届けでき、確実に目を通してもらえるでしょう。

さらにチラシを単体で送付する場合と比較して、郵送料やチラシ作成費用の削減が可能です。顧客体験をより良いものにし、自社への定着を促したい方は、ぜひ下記のページから詳細をご確認ください。

顧客の満足度向上や顧客定着につながった成功事例

「One to One明細書」を導入したお客様からは、下記のようなお声が寄せられています。

●定期商品への引き上げ率が2%から4%に改善された

●同梱チラシを封入した場合と比較して、反応率が30%上がった

●期間限定商品やキャンペーンなどの情報を、適切なタイミングで提供できた

ここからは「One to One明細書」を導入した企業様の成功事例として、株式会社あじかん様と株式会社新潟味のれん本舗様のケースをご紹介します。

◇株式会社あじかん 様

株式会社あじかん様は、顧客の購入回数ごとにチラシを入れ分けし、顧客との関係性強化を図っていました。しかしそのなかで、下記の課題を感じていたようです。

△同梱チラシが見られていない

△購入回数に応じたチラシのピッキング・封入作業に手間がかかっている

△インターネットを経由せずに利用できるポイント制度がない

そこで「One to One明細書」を導入。同梱販促物を明細書と一体化させてA3両面に集約するとともに、内容を顧客一人ひとりに合わせた内容へ変更しました。その結果、下記のような反応があり、顧客満足度の向上とコスト削減を実現しています。

●注文用のハガキなどを一体化することで、ハガキによる申し込みが1.5~2倍へ増加した

●保有ポイントに応じた商品交換制度を導入したことで、定期購入者の解約率が8%から6.5%へ低下した

●同梱物のセット作業外注費用を、24万円/月 削減できた

●販促物の在庫金額を、200~300万円/年 減少できた

注文数増加や解約率減少により、LTVの最大化を実現しています。

◇株式会社新潟味のれん本舗 様

米菓メーカーの株式会社新潟味のれん本舗様は、定期的にDMを送付することで、顧客との関係性強化を図ってきた企業様です。しかしそのなかで下記のような課題を感じていました。

△DMを定期的に送付しているものの、紙面が限られているため主力以外の商品の売上につながりにくい

△8割以上がリピート顧客。新規顧客をいかにLTVの高い優良顧客に育成するかが課題

そこで「One to One明細書」を導入し、A3両面に情報を集約して送付。下記のように、購買促進・モチベーションアップ・売上達成率増加などを実現されました。

●お客様の気持ちが高まる商品到着時に接点を持てたことで、掲載したセール告知情報への反応率が良くなった

●同梱販促物のコストを 13.5円/件 削減できた

●残業代を 300~350万円/年 削減できた

●継続掲載した結果、特定商品の売上達成率が90%から130%へ増加した

お客様の購買促進と各種コスト削減を達成し、関係性 の強化を実感されています。

この事例の2社様ともに、明細書を通じた顧客とのコミュニケーションを行なうことで、継続顧客の売上増を実現しています。

まとめ

リピート通販とは、商品を継続購入してもらう通信販売方法のことです。この手法を成功させるためには、顧客満足度を高め、継続して商品を購買してもらう必要があります。またアップセル・クロスセルなどにも取り組み、LTVの最大化を図ることも大切です。

リピート通販事業を成功させるためには、顧客一人ひとりとの関係性強化が欠かせません。適したツールを活用しながら、適切なアプローチを適切なタイミングでできるよう、アプローチ方法を検討してみましょう。