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ニュースリリース

2026年9月10日

AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer Ver3.0」提供開始

MRIにおける頭部読影支援機能の大幅拡充、既存機能のアップデート

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、医師の画像診断ワークフローを支援するAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer(シナプス サイ ビューワ)」*1の新バージョン「SYNAPSE SAI viewer Ver3.0」を、富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:川原 芳博)を通じて9月10日より提供を開始します。

当社は、AI技術*2を活用し、医師の診断精度向上と読影業務の効率化を支援するビューワ「SYNAPSE SAI viewer」を2019年に放射線科向けに発売しました。発売以降、CT画像の読影支援機能を中心に継続的に機能を拡充するとともに、並行してMRI画像向けの機能拡充に向けた技術開発を進めてきました。MRI画像はシーケンスや撮像条件が多岐にわたるため、CT画像よりもAI技術開発の難易度が高いとされています。当社はCT画像向けに構築した技術をMRI画像に転用できるAI技術の開発にも成功しており、MRI画像向けの読影支援機能を拡充しています。

今回提供を開始するVer3.0では、MRI頭部領域におけるAI機能を大幅に強化しました。さらに、骨経時サブトラクションをはじめとする既存機能のアップデートを行い、診断支援と業務効率のさらなる向上を図ります。

「SYNAPSE SAI viewer Ver3.0」に新たに搭載した機能の主な特長は以下の通りです。

(1)MRI向けの頭部読影支援機能の拡充
脳動脈瘤検出プログラム

脳動脈瘤の発見には、異なる撮影条件で撮影された頭部のMRI検査画像が用いられます。複数の2Dスライス画像と3D画像から、複雑に分岐する脳動脈を様々な角度や拡大率で時間をかけて読影しながら、わずかな血管の膨らみを見つけ出す必要があるため、診断の質を維持しながら読影業務の効率を高めることが課題になっています。

今回搭載する「脳動脈瘤検出プログラム」は、AI技術を活用してMRA画像を解析し、脳動脈上にある直径2mm以上の局所的に膨らんだ領域*3を個数制限なく検出することができます。これにより医師の読影を補助し、脳動脈瘤の見落とし防止を支援します。さらに、本ソフトウェアを使用した場合、使用しない場合と比較して感度(病変を正しく陽性と判定する能力を示す指標)が10%以上向上することが確認*4されており、診断の質向上への貢献が期待できます。
また、本ソフトウェアは、医師が患者の検査画像を観察するのと同じタイミングで、AI技術による解析結果を提示するコンカレントリード型として薬事承認を取得しています。これにより、設定に応じて「SYNAPSE SAI viewer」の起動時から解析結果を初期表示することができます。また、MRA  画像で脳動脈を38区域にラベリング表示する「脳動脈ラベル」と組み合わせて使用することで、レポーティングの効率化を支援します。
さらに当社は、アキシャル断面に加え、サジタル断面/コロナル断面での観察が求められる病変や微小病変の読影において発生する、画像再構成や拡大率/階調調整といった作業負荷の軽減を目的に、解析結果の観察に特化した専用ビューワ「AIフォーカスビュー」を新たに提供します。「脳動脈瘤検出プログラム」において「AIフォーカスビュー」を起動すると、個々の検出結果ごとにアキシャル/サジタル/コロナル/3DMIPを一括表示します。3DMIPについては、Ver2.6で提供した「脳抽出機能(MRA画像から脳を抽出し、前方循環/後方循環に分けて表示)」と連携することで、脳動脈瘤が検出された循環領域に応じた表示を自動的に実行します。また、画面上部のサムネイルをクリックすることで各検出結果を順次切り替えて確認できます。これらにより、脳動脈瘤の読影支援およびワークフローの効率化に貢献します。

図1:脳動脈瘤検出CADソフトウェアの表示例。医師は読影開始時からソフトウェアの 解析結果を表示できます。

図2:AIフォーカスビューの画面例。解析結果を拡大表示した直交3断面およびMIPを一括表示します。脳動脈区域ラベルの結果(38区域)を活用し、脳動脈瘤が疑われる領域を画面上に表示します。

頭部T1高信号/低信号強調フィルタ

癌が脳に転移する転移性脳腫瘍では、重篤な神経障害を引き起こし、日常生活に大きな影響を及ぼすことが知られています。ガンマナイフ治療においては、腫瘍の正確な位置特定が求められ、小さな腫瘍も含めて漏れなく検出する必要があるため、読影には高い集中力が求められます。
今回提供する「頭部T1高信号/低信号強調フィルタ」は、造影T1強調画像から周辺組織と比較して高信号/低信号の領域を強調表示する機能*5です。一般的に、造影T1画像で高信号/低信号となる領域は脳腫瘍である可能性が高く、本機能によりこれらの所見の診断支援に繋がることが期待されます。さらに、Ver2.6で提供した「脳区域ラベル(T1強調画像で脳を111区域にラベリング表示)」と組み合わせて使用することで、レポーティングの負荷軽減を支援します。

図3:頭部T1高信号/低信号強調フィルタの表示例(左)フィルタの結果を活用したフォローアップビューの画面例(右)。SAIマークにカーソルを合わせることで、強調表示された領域の数を確認できます。またフォローアップビューと併用することで、複数結節の計測の経時変化を把握することが可能です。

頭部特殊計測

脳室拡大の評価においては、認知症と正常圧水頭症の鑑別を目的に、「Evans Index」および「脳梁角」の計測が用いられることがあります。Evans Indexは「両側側脳室前角間最大幅/その部位における頭蓋内腔幅」、脳梁角は「前交連-後交連面に垂直で後交連を通る冠状断面上の左右脳梁がなす角度」で計算され、特発性正常圧水頭症診療ガイドライン第3版により「Evans Index>0.3」、「脳梁角が90度以下」が正常圧水頭症の診断基準の一つであると定義されています。一方で、どの断面/位置で計測するかは医師の主観に依存するため、計測結果にばらつきが生じることが課題となっていました。
今回のバージョンアップでは、T2強調画像から「Evans Index」および「脳梁角」を自動計測*6する機能を搭載しました。これにより、再現性の高い定量情報の提供に繋がることが期待されます。

図4:Evans Index(左)、脳梁角(中央)、経時変化を観察するためのグラフ表示の例(下)。T2強調画像における脳区域ラベルの結果を応用し、各種解析結果の算出に対応しています。

(2)CT骨経時サブトラクション

骨病変の診断支援機能として、2020年にリリースした「骨経時サブトラクション」の機能を拡張しました。骨経時サブトラクションは、今回検査と前回検査の画像に対して非剛体位置合わせを行い、肋骨や脊椎におけるCT値の差分の大きい領域を強調表示する機能です。従来は処理対象をスライス厚2mm以下のThin Slice画像に限定していましたが、本バージョンでは、処理可能な画像条件を拡大し、スライス厚5mm以下の画像にも対応しました。これにより、骨転移の更なる診断支援に繋がることが期待されます。

図5:5mm厚のCT画像を用いた骨経時サブトラクション結果の表示例。差分処理により閾値を上回る領域を赤、下回る領域を青で強調表示します。さらに、過去比較眼鏡機能を併用することで、強調表示された解析結果画像に加え、強調表示のない過去画像および現在画像を並べて表示し、拡大しながら過去と現在の比較観察が可能です。

(3)所見文作成支援機能

当社は、画像解析結果に基づき所見文候補を提示するレポーティング支援機能として定型文機能をリリースしています。一方で従来は、解析結果ごとに所見文を個別に表示・選択・レポート送信する必要があり、操作負荷が課題となっていました。特に、嚢胞や結石などの簡潔な所見記載が求められるケースではより効率的な所見文生成へのニーズが高まっていました。
今回、複数の定型文を一括でレポート送信できる機能を新たに搭載しました。ユーザー設定により、AI解析結果  の一括表示時に専用ダイアログを自動で表示し、選択した所見文をまとめてレポートに反映できます。必要に応じてカテゴリーの変更や加筆修正を行うことも可能です。本機能により、個人差の少ない所見文の作成と、レポーティング業務にかかる負荷の軽減を目指します。

図6:複数の定型文を一括でレポート送信する「存在所見一括送信」機能の表示例。一括表示を選択すると処理が実行されたSAIフィルタで検出された結果の一部をもとに、関連する内容をまとめた定型文が自動的に表示されます。

富士フイルムは、AI技術ブランド「REiLI」のもと、AI技術の医療における活用の幅を広げることで、医療画像診断支援、術前シミュレーションの支援、医療現場のワークフロー支援などに取り組んでいきます。

 

  • *1 SYNAPSE SAI viewerは以下の医療機器を含む製品の総称です。
    SYNAPSE SAI viewer用 画像表示プログラム
    販売名:画像診断ワークステーション用プログラム FS-V686型 認証番号:231ABBZX00028000
    SYNAPSE SAI viewer用 画像処理プログラム
    販売名:画像処理プログラムFS-AI683型 認証番号:231ABBZX00029000
    SYNAPSE SAI viewer用 脳動脈瘤検出プログラム
    販売名:脳動脈瘤検出プログラムFS-AI697型 承認番号:    30800BZX00171000
  • *2 AI(人工知能)技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いた。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。
  • *3 紡錘状・解離性の瘤、起始部拡張は対象外。
  • *4 263症例を後向きに収集し、医師12名(放射線診断専門医:3名、脳神経外科専門医:3名、後期研修医:6名)で読影試験を実施し、脳動脈瘤検出ソフトウェアの有効性を評価した。なお、試験実施にあたり、MRA画像が含まれていない症例、重複検査のある症例、診断不能な程度のアーチファクトがある症例、外科的処置(開頭クリッピング術、脳血管内治療等)をした症例は試験から除外した。
  • *5 本機能は画像上の信号値に基づきフィルタ処理を行います。病変の抽出を行うものではありません。
  • *6 使用者が最終的な確認を行います。
1.品名

SYNAPSE SAI viewer 用画像表示プログラム
販売名:画像診断ワークステーション用プログラム FS-V686型
認証番号:231ABBZX00028000

SYNAPSE SAI viewer 用画像処理プログラム
販売名:画像処理プログラム FS-AI683型
認証番号:231ABBZX00029000

SYNAPSE SAI viewer 用脳動脈瘤検出プログラム
販売名:脳動脈瘤検出プログラム FS-AI697型
承認番号:30800BZX00171000

その他のSAI viewer用プログラムはお問い合わせください。

2.提供開始時期

2026年9月10日

お問い合わせ

富士フイルムメディカル株式会社
マーケティング部

E-mail:shm-fms-hansoku@fujifilm.com

※ 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。