富士フイルムビジネスイノベーション

サプライチェーンマネジメントの強化

CSR調達の導入経緯

一般的に、アジアの生産拠点が集積する地域では、生産工場における労務問題や環境対応の不備や不徹底により、火災や労働争議といったトラブルが発生しやすい、と指摘されています。
当社の主力工場である富士フイルムマニュファクチャリングシンセン(中国)においても、取引先のCSRリスク(労務・人権・環境・企業倫理の管理不徹底問題による操業停止など)に起因する部品納入遅延が発生し、当社工場のラインストップが発生するなど、安定操業・安定供給の面で、課題となっていました。このようなリスクの最小化を目指して、当社は2007年からCSR調達の取り組みを実施してきました。
当社は現在、主力製品である複合機やプリンタを主に中国とベトナムの工場で組み立てています。そのため、特に中国・ベトナムにおいて、環境・倫理・人権などのCSRの基盤をサプライチェーン全体にわたり強化することを重視しています。

サプライチェーンのCSRアセスメントの仕組みと成果

CSR調達を進めるにあたっては、1.方針の展開(サプライヤー行動規範やCSRマネジメント・ガイドラインを含む)、2.取引先のCSRリスク評価、3.CSR(環境、人権・労働、企業倫理)リスクの高い取引先に対する改善依頼と支援を行っています。

毎年、CSR調達活動を通じて、取引先にCSR経営(労務・人権・環境・企業倫理に配慮した経営)の改善を継続的に実施いただいた結果、2015年度には、取引先のCSRリスクを原因とする富士フイルムマニュファクチャリングシンセンのラインストップ時間がゼロとなりました。また、富士フイルムマニュファクチャリングハイフォン(ベトナム)でも2016年度以降、CSRリスク起因のラインストップゼロを継続しています。

今後も、取引先のCSRリスクを最小化するための活動を強化し、生産拠点の継続的なラインストップゼロへの貢献、取引先との共存共栄を進めてまいります。これらを通じ、当社操業地域およびサプライチェーンにおける環境、人権・労働、企業倫理の問題解決に寄与し、人々が住みやすい、働きやすい社会づくりに貢献します。

取引先に対する当社の支援の特徴

CSR調達の取組みの中で、特に特徴的なのは、当社の環境・人事などの専門スタッフが取引先の工場を訪問し改善点をアドバイスする「専門訪問診断」を実施することによって、取引先のCSRに起因するリスクの改善を図っている点です。富士フイルムマニュファクチャリングシンセンは2008年度から、中国上海、ベトナムでは2017年度からCSR調達の専門チームによる取引先への訪問確認を行っています。

訪問確認を通じて取引先との関係強化が進んだ富士フイルムマニュファクチャリングシンセンは、取引先から、法規制の制定・改定や取り締まりの強化にいち早く対応するための情報やノウハウの提供を求められるようになりました。そこで富士フイルムマニュファクチャリングシンセンは、取引先への訪問確認に加え、セミナーや情報共有プラットフォームの構築など、取引先実務者向けプログラムを強化しています。

今後も拠点間での連携を取りながら、社内人材の育成、専門チームによる訪問確認、取引先実務者向けプログラムを継続強化し、取引先と当社が一緒にサプライチェーンの問題を解決していきます。

取引先の自主的な活動を支えるツール

取引先の環境、人権・労働、企業倫理の取り組みに関して、富士フイルムビジネスイノベーションでは、取引先の自主的なCSR活動をお願いしています。そのため、各々の取り組みが要請される法規制や国際基準などの社会背景、取り組みのレベル、具体的な取り組み事例を記載した「CSRマネジメント・ガイドライン」、およびその取り組み状況を取引先自身で確認していただくための自己チェックツール「CSRセルフチェックリスト」を当社から提供しています。「CSRマネジメント・ガイドライン」は、電子電機業界の企業が中心となって組織している国際的な枠組み、RBA注1が制定しているサプライヤー行動規範の項目を網羅しています。

  • 注1 RBA=Responsible Business Alliance(責任ある企業同盟)

責任ある鉱物調達

当社は富士フイルムグループの一員として、鉱物の採掘が紛争や人権侵害の要因となる問題注1について、紛争や人権侵害に直接・間接に加担しないことを明確に宣言しています。当社の事業活動による悪影響を特定し、それを防止・緩和するため、OECD(経済協力開発機構)が定めたデュー・デリジェンス・ガイダンスに則した調査や管理をしています。

責任ある鉱物調達に関する富士フイルムグループの考え方は、こちらをご覧ください。

  • 注1 採掘によって得られる資金の非人道的な用途への使用や採掘現場での人権侵害などの可能性があるとされる鉱物(タンタル、タングステン、スズ、金)の問題(紛争鉱物問題)。

地域社会の発展を目指した調達

富士フイルムビジネスイノベーションは、取引先との公正・公平な調達活動を進めるだけでなく、生産拠点のある国内外の地域の経済への貢献と最適品質・価格を追求するため、原材料・部品の現地調達比率の適正化に配慮しています。一方で、一部の技術や部品については拙速な現地化はせず、取引先企業の国内生産拠点で生産し、それを当社が調達する方法をとっています。

今後も、生産拠点のある地域の経済発展に寄与できるよう、原材料・部品の現地調達比率に配慮した適正な調達活動を展開していきます。

2019年度の主な取り組み

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