
株式会社 稚加榮(ちかえ)様
代表取締役社長 田原 義太慶 様
システム室 室長 三井 文人 様

飲食店の予約キャンセル
懸念先をAIで予測
従業員の意識改革まで実現



福岡県福岡市で、開業65年目を迎える老舗料亭など飲食業を営む稚加榮様。
最大120名まで利用できる宴会場などで幅広いニーズへの対応が可能な一方、
大人数の予約がキャンセルになるリスクを抱えていました。
そこで、キャンセルの可能性が高い予約をAIで予測する仕組みの導入に挑戦。
AIモデルの高精度な予測に基づく予約管理で、キャンセルリスクの低減を実現しました。
代表取締役社長の田原様とシステム室 室長の三井様にお話を伺いました。
コロナ禍による飲食業界の人手不足の影響を受け、当店でも、部屋に空きがあるのに配膳担当者が足りなくて予約を受けられないという事態がしばしば起きていました。一方、対応可能な範囲に絞って予約を受け付けていると、仮にキャンセルが発生した場合、部屋にも配膳担当者にも無駄な余裕ができてしまいます。特に大人数の予約が、来店予定日に近づいてからキャンセルになったりすると、短期間で新規の大きな予約を取ることはほぼ不可能です。そうしたリスクを減らすためには、キャンセルになる恐れの大きい予約を予測した上で、部屋の空き状況を見ながら、後から来た問い合わせを断らず少し多めの予約を確保しておけるとよいのだが……と以前から考えていました。
代表取締役社長 田原 義太慶 様
課題解決への光が見えたのは、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの展示会で、AIによるデータ分析が手軽にできる「FUJIFILM IWpro Intelligent Assistantオプション」の説明を受けたときでした。最初は「売掛の入金消込の突合に使ってはどうか」という提案を受けたのですが、かねて悩んでいた予約キャンセルの件で活用できるかもしれないと思いついて相談したところ、「できそうだ」という回答をもらえました。社内的にも「やってみよう」と前向きな意見が多く、スムーズに導入を決定。その後、予約キャンセルの予測に使う因子として、「予約日・実施日・人数・予約者(団体・代理店・個人)・部屋種類」など約4年分のデータを富士フイルムビジネスイノベーションジャパンに提供し、AIモデルを作成してもらったのです。
システム室 室長 三井 文人 様
できあがったAIモデルによる予測結果の資料は、過去の予約データのリストの各行に「1」または「0」という値が追加されたシンプルなもの。「1」は「キャンセル」、「0」は「予約通り実施」という予測を表していて、私たちが欲していた情報そのものでした。そして、予測が正確である可能性(確信度)は平均87%と高かったことから、「この性能なら実務でも十分に活用できる」と判断し、使用を開始しました。現在では、「1(キャンセル)」と判断された予約について、手遅れになる前にお客様に確認連絡を入れたり、予測結果に基づいて予約枠を調整したりすることで、突然のキャンセルリスク軽減を図っています。また、AIモデル導入後の年末年始2か月間における宴会実施件数を、導入前の同期間と比較してみたところ、宴会の数は15~20%増加していました。従業員の間に、積極的に予約を取っても大丈夫という意識が生まれたためと思われます。
このAIモデルを今後も継続的に活用していけば、学習データの件数が増えるにつれて正確性はさらに上がり、それとともに従業員のさらなる意識向上や経営の効率化にもつながると期待しています。

このたびは、AIを活用した料亭の予約キャンセル予測が評価され、大変光栄です。老舗料亭という伝統ある業態と最先端のAI技術の融合は、多くの方に参考となる内容ではないかと思います。
AIを活用することで、ベテランのノウハウ伝承や従業員の意識改革なども実現できると考えています。今後はお弁当の廃棄ロスの削減など、さらに活用の幅を広げていきたいです。
DXには、決して大がかりな業務改革は必要ありません。私たちの場合も「キャンセルになる予約が早期に予測できたら良いのに!」と思ったのがスタートです。「この予約、キャンセルになりそうな気がする」という現場の知見とAI技術を組み合わせることで、宴会場の予約機会損失の減少と予約に対する担当者の意識改革が実現できました。
私たちの事例がヒントとなり、「これならできるかもしれない」と感じていただければ幸いです。

朝比奈株式会社様
代表取締役
吉川 直美 様

製造関連文書をデジタル活用へ
30分かかっていた文書検索を一瞬で完了
事務局コメント
日々の業務をしていると、つい『当たり前』に囚われてしまいませんか?
朝比奈株式会社様では、創業者である先代の頃から保管している「製造指図書」を、日々の作業計画立案や原価比較に活用してきました。この当たり前の業務にメスを入れたのが、先代からバトンを受け継いだ代表取締役の吉川様。他業種のご経験も活かし、社内のいつもの業務を異なる視点で見つめ直し、眠っていた課題の解決に取り組まれました。吉川様に、この挑戦をお伺いしました。
株式会社エール様
専務取締役 山田 遼 様
業務管理 田中 希 様

運営指導の準備時間をご利用者と向き合う時間へ
3か月かかっていた作業を大幅短縮
事務局コメント
電子化しても、目的に応じた「管理」って難しくありませんか?
通所介護事業を営む株式会社エール様でも、運営指導のための書類準備が大きな負担になっており、サービス向上を目指す山田様と田中様が、この改善に挑戦されました。たどり着いたのは、表形式で「ある」「なし」が直観的にわかる書類管理。利用者様とのお時間の確保や、今後の事業拡大の新たなアイディアにもつながっております。この挑戦について、山田様と田中様にお伺いしました。
株式会社デザインネットワーク様
経営管理部 部長
渡部 剛 様
経営管理部 総務グループ
伊藤 真央 様

クラウドを活用した複合機の一括管理へ
ユーザー登録作業の時間を9分の1に削減
事務局コメント
複合機の管理、複数台になると手間がかかっていませんか?
株式会社デザインネットワーク様では、複合機のICカード認証導入を契機として、
ユーザー情報の管理を大幅に刷新。情報の「可用性」に着目し、分散していたデータを一元管理することで、従来は「個別対応」が必要だった複合機のユーザー登録業務の効率化に取り組まれました。この挑戦について、渡部様と伊藤様にお伺いしました。
株式会社イーネット様
情報システム部 兼 総務部 次長
後藤 淳 様

請求書を起点にバックオフィス業務デジタル化へ
あえて人手を残し、作業時間は4分の1
事務局コメント
人手を残すデジタル化?矛盾するようにも思えますよね。
株式会社イーネット様では、請求書を起点にバックオフィス業務のデジタル化に取り組まれていました。デジタル化を進める一方で、大切にされていたのが「現場視点」の使いやすさ。全てをデジタルに置き換えることが、必ずしも使いやすいものになるわけではないという考えから、あえてポイントでは人手を残すデジタル化を進められました。後藤様に、この挑戦をお伺いしました。