富士フイルムシステムサービス株式会社

お客様導入事例 那覇市役所様
【異動受付支援システム/事前申請システム】

市民満足度の高いサービスを目指して

沖縄県那覇市様は沖縄県の県庁所在地で、中核市にも指定されています。世界遺産として有名な首里城注記1や識名園、玉陵、園比屋武御嶽石門もあり、那覇市を基点に沖縄県内各地の観光をされた方も多いのではないでしょうか。
那覇市様においては、そのような魅力的な環境から、沖縄県外と沖縄 県内の他市町村からの転入者が増え続け、ハイサイ市民課窓口の混雑が発生するという課題があります。
那覇市様がその課題についてどのような対策をとられているのか、その取り組みをお伺いしました。

  • 注記1首里城正殿は2019年10月の火災により焼失しましたが、2021年4月より正殿の木材の調達を開始するなど、復旧のための事業が始まっています。

市民満足度の高いサービスを提供することが目標

-那覇市 ハイサイ市民課の目標を教えてください。

 

阿波根様 那覇市ハイサイ市民課(以下、市民課)は、市民の目線で、市民満足度の高いサービスの提供をすることを目標に業務を遂行しています。そのために、市民課業務の民間事業者委託やコンビニエンスストア証明発行システム(2016年10月運用開始)の導入もしています。
 当初、コンビニエンスストア証明発行システムの利用率は全体の証明書発行の1%でしたが、窓口での利用案内の効果や料金設定などの施策から、年々その利用率が伸び、2021年現在は9%となっています。
 さらに住民異動窓口は総合窓口方式としており、住民異動だけではなく、児童手当や国民健康保険(以下、国保)などの関連手続きを1カ所の窓口で対応することが可能です。
 これらの取り組みにより市民満足度の高いサービスの提供と向上に努めています。(図表1)

年間の転出入に関する異動件数が約40,000件

-那覇市様の人口と住民異動の特徴を教えてください。

宮城様

 

宮城様 那覇市の人口は、約320,000人です。そのうち約315,000人(98%)が日本人、残り5,000人(2%)が外国人という構成になります。外国人はネパール人の留学生が約1,300人と最も多く、次いで中国人が約950人、ベトナム人が約780人と続きます。
 住民異動の特徴としては、転出入に関する異動件数が多いことです。転入については、年間約14,000件となり、その約半数が県外から那覇市への転入となります。一方で、転出件数も年間約13,000件と多く、その他の管内転居13,000件と合わせて年間に合計40,000件もの異動手続きが発生しています。

業務課題は、異動件数に伴う市民と職員の負担

-市民課の業務課題をどのようにお考えですか。

宮城様 市民課の業務課題は、異動件数の多さによる、異動届や付帯事務など関連業務の処理です。住民異動窓口は総合窓口方式ですので、異動届の受理や審査だけでなく、児童手当や国保などの付帯事務も行います。市民にとっては1カ所で手続きが完了するというメリットもありますが、世帯の条件により、市民が記入する申請書が多くなり、氏名や住所などを何度も申請書に手書きするなどして、手続きが煩雑になることがあり、そのことによって待ち時間の発生にもつながっていました。
 一方で、職員は異動届の審査に伴う確認・補記・修正・追加手続きのご案内や付帯事務の処理、書類の編綴作業や保管、必要に応じた調査などの作業が発生します。さらにそれらの書類が多いがために市民課の書庫に入りきらずに、庁内の他部署の書類保管スペースを借りるなどして、ようやく保管ができている状況です。

阿波根様 市民が異動に伴う各種申請書を手書きすることの大変さや、その審査・補正で市民・職員双方で発生する負担、さらにその内容を各関連システムに入力して、それらを確認、修正する職員の負担、これらについては紙の申請書に記入をすることに原因があると考えています。(図表2)

図表2 紙の申請書に記入することの課題

紙での処理による市民の課題、職員の課題

-各種申請書を紙に記入することに原因があるとは、具体的にはどういったことなのでしょうか。

宮城様 市民の目線で考えると、各種申請書の記入項目が多いために、何を記入するのかが、わかりにくいと思います。例えば、世帯主と筆頭者の違いがよくわからずに、誤った記載をしてしまうことや、記入するべき欄を空欄で提出されることがあります。さらに外国人は、言語の問題なのか、申請書に氏名以外の記入をせずに窓口にいらっしゃるケースもあり、手続きに時間を要することがあります。さらに、申請者のご家族の状況によっては、児童手当や国保と、追加の申請書記入のご案内が続くこともあります。このことについて「また申請書を書くのか」と市民にお叱りを受けるケースもありますので、それだけ市民にとっては、申請書を記入することがわかりにくく、負担となっています。
 職員側の目線では、市民に対して追加の申請書の記入のお願いや修正、補記などを繰り返すことによって、市民に対応いただくのは申し訳ないという気持ちになったり、また、このことが、結果的に全体の待ち時間の増加にもつながっています。
 それから、市民の書く筆跡の判読結果から、関連システムへの入力ミスが発生することもありますし、受け付けた書類の編綴作業や保管場所の調整にも時間がかかります。さらに本市では本庁と3支所で住民異動を受け付けており、各支所で提出された異動届などの書類を、入力業務を行っている本庁にFAXをする作業が毎日発生しています。このために、本庁と支所の庁舎で保管している関連書類を確認する場合は、それぞれの庁舎で関連書類の原本の調査や、調査結果の書類を庁舎間でFAXすることになります。開示請求の場合には、保存年月に関係なく、過去の申請書類を調査する必要もあり、その調査にも苦労しています。

まずは紙で管理されている情報をデジタルデータに変換していくこと

-それらの課題があるうえで、那覇市様が異動受付支援システムの導入に至った経緯を教えてください。

阿波根様

 

阿波根様 先ほどの課題のとおり、市民課の市民サービスの満足度を高めるという目標に対して、市民は異動届と付帯手続きに関する各種申請書を紙に記入する負担があります。一方で職員もその受付や処理によってキャパシティが圧迫されている状況で、結果として市民課での待ち時間になっています。対策として、市民課の職員数を増やすことも一つの手段ですが、それでは原因の解決にはなりません。そのほか、ICT技術の活用による解決も手段として挙げられますが、那覇市には、それ以前にICT技術で活用するためのデジタルデータが存在しなかったのです。将来的にICT技術の活用を視野に入れた場合、まず庁内の申請書などの紙で管理されていれる情報を異動受付支援システムの導入によって、デジタルデータに変換していくことが先決だと考えました。

宮城様 市民課での異動受付支援システムの導入検討にあたり、①住民が来庁前に確認・入力のできる事前申請システム、②転出証明書などのOCR読み取り、③コンビニエンスストア証明発行システムの証明データベース活用による前方連携機能の3つが必須だと考えました。異動に伴い市民が記入する申請書は、①事前にお客様が入力できる情報、②転出証明書などに記載されている情報、③那覇市ですでに持っている住民情報の3つの要素で構成されています。その3つの情報を活用することができれば、市民に各種申請書を都度記入いただく必要がありません。(図表3)

図表3 那覇市様 異動受付支援システム 運用イメージ図

阿波根様 そのほかにも、②転出証明書などをOCRで読み込み、情報をデジタルデータとして幅広く利活用できることを重視しました。例えば世帯の転入手続きでは、住民票の申請、児童手当や国保など、関連して複数の申請書を市民に記入いただくことになりますが、異動受付支援システムでデジタルデータとしての活用ができれば、必要な関連書類の必要項目を、自動で反映したうえで出力することができるようになります。(図表4)さらにそのデジタルデータをシステム上で確認することで、那覇市本庁と3支所間で発生していた書類のFAX作業や、それぞれの書類編綴作業と保管管理について軽減できるのではと考えました。

図表4 異動受付支援システムのデジタルデータを活用し印刷可能な申請書類

印鑑登録等に関する申請書・旧氏記載請求書・国民健康保険関係届・国民健康保険 遠隔地に修学する被保険者に関する届出・指定校変更申立書(教育委員会交付)・指定校変更申立書(保護者交付)・児童手当関係届・別居監護申立書・児童手当連絡票住民票写し等交付申請書・印鑑登録証明書交付申請書・戸籍に関する証明交付申請書・マイナンバーに関する申請書等・署名用電子証明書/利用者証明用電子証明書申請書・マイナンバー交付申請書受付表・国民年金関係届(本人控)国民年金関係届・所得証明申請書・資産証明申請書

導入後の業務の変化、今後どのように活用するか

-2021年1月に稼働した異動受付支援システムの導入効果についてお聞かせください。

 

宮城様 異動受付支援システムと併せて導入した事前申請システムでは那覇市のHPやスマートフォンを使用し、市民自身がライフイベント(転出・転入・転居)で必要な手続・必要書類を確認することができるため、市民サービスの向上にも寄与していると考えます。
 さらに、異動受付支援システムにより、転出証明書や関連書類などがデジタルデータとなりました。このことによって、紙の申請書と比較して、市民が申請書に記入する負担は確実に減ったという実感があります。
 加えて、職員側でも窓口での審査や住記システムへの入力業務において、転出証明書届などをOCRで読み込んだ文字で処理をするため、導入前の市民の手書き文字に比べ、確認しやすくなったというメリットもあります。
 それから、これらの書類がペーパーレスになった効果を実感しています。具体的には、異動受付支援システムで処理をすることによって、毎日業務後に集計作業や書類編綴の作業を実施していたことや、本庁と支所間のFAXによる書類送信などで発生していた負担が解決できています。今後も、保管場所の問題等を解決するために、さらなるペーパーレス化を検討していきます。

-今後、市民課の業務はどのように変わっていくのでしょうか。

阿波根様 現在は、異動受付支援システムで市民の負担軽減を図れただけでなく、あわせて職員の事務効率化が図れた部分もありますが、一方で継続して改善をしなければならないこともあります。例えば、もっと活用していくためには、その運用への慣れはもちろん、繁忙期に窓口に異動受付支援システムの端末台数を増やした方がいいと感じたり、実際に運用を開始してみなければわからないこともありました。そういったことも踏まえて、市民課はさらに満足度の高い市民サービスを提供するために、今後はRPAの活用なども検討していく必要があると考えています。

-ありがとうございました。那覇市様の市民満足度の高いサービスのため、当社も改善を続けてまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。 

(取材:2021年度時点の情報となります)

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