富士フイルムグループは、「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」というグループパーパスを掲げています。2024年1月に創立90周年を迎えたことを機にこのグループパーパスを制定して以降、私は世界中の現場を回り、従業員と直接対話しながら、お客さまや取引先、同僚など、誰かを笑顔にするために従業員一人ひとりが「これをやりたい」というアスピレーションを持ち、それを行動につなげていくことが大切であると伝えてきました。従業員一人ひとりの思いや行動が仲間のそれらと化学反応を起こすとき、新たなイノベーションの創出につながります。こうして生まれたイノベーションがお客さまに卓越した価値を提供し、笑顔の回数を増やしていく。このような姿を目指して、富士フイルムグループは多様な人材の力と独自の技術力を結集し、グループ一体となって取り組んでいます。
このグループパーパスの下、私たち富士フイルム株式会社は、社会課題の解決と持続可能な社会の実現への貢献を目指し、「ヘルスケア」「エレクトロニクス」「イメージング」の3つのセグメントで事業を展開しています。
「ヘルスケア」では、「予防」「診断」「治療」の領域において、アンメットメディカルニーズへの対応や医療サービスへのアクセス向上など社会課題の解決に取り組み、健康的な社会づくりへの貢献を目指しています。メディカルシステムでは、当社の強みであるIT・AI技術を活用した製品やサービスを拡充し、医療分野における新たな価値の創出と課題解決に取り組んでいます。また、当社が持つ医療機器や医師の診断を支援するAI技術を活用して、新興国で日本式の高品質な健診サービスを提供する健診センター「NURA」を2021年にインドに開設して以降、その展開を広げています。バイオ医薬品の開発・製造受託(CDMO)や創薬支援CROをはじめとするライフサイエンスでは、「Partners for Life」のタグラインのもと、医薬品の開発初期段階から商業生産まで一貫して支援するEnd to Endのソリューションを提供しています。世界中の製薬企業や患者さまに寄り添いながら、高品質な医薬品をより早く、より多くの方に届けることに貢献しています。
「エレクトロニクス」では、5G/6Gによる通信の高速・大容量化、自動運転の拡大、AIやメタバースの普及などに伴い生まれる新たなニーズをとらえ、人々の生活や産業を支える半導体向けの材料や、先進的な機能性材料などを幅広く展開しています。半導体材料では、世界的な需要拡大に対応して国内外で生産能力拡大を進めるなど、グローバルで迅速・かつ安定的に供給する体制を強化しています。多様なニーズに応えるワンストップソリューションを提供することにより、世界の半導体業界において最も信頼されるパートナーとなることを目指しています。
「イメージング」では、撮影したその場で写真をプリントして楽しめるインスタントフォトシステムやハイエンドのミラーレスデジタルカメラ、プリントサービスといった写真関連の製品・サービスのほか、放送・映画用レンズや遠望多目的カメラ、プロジェクターなど、映像に関する技術やノウハウを活用した製品・サービスを提供しています。“チェキ”の愛称で親しまれているinstax™は、世界の100を超える国・地域で親しまれ、累計販売台数が1億台を突破しました。写真や映像が持つリアルなコミュニケーションの力を活かした価値ある製品・サービスを提供することで、豊かな社会に貢献していきます。
私たちが展開する全ての事業を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、世界中の人々に笑顔あふれる未来が訪れるよう、これからも挑戦を続けてまいります。
代表取締役社長・CEO 後藤 禎一













