非球面プラスチックレンズ成形は、プラスチック素材を溶かし金型に流し込み、成形機でプレスして光学レンズとして求められる精度に作り上げていく加工方法です。自由な曲面を作ることが可能なため、部分的に曲率(カーブ)の異なる非球面レンズの製造を可能とします。非球面レンズは1枚で球面レンズ数枚分の機能を果たすため、CD/DVD用ピックアップ光学系や携帯電話用レンズ、写ルンですなど、さまざまな用途に使われています。
非球面レンズは、金属でできた型に高温で溶かされたプラスチックやガラスを入れて形を整える「成形」という加工方法で作られます。工程は金属で作る「金型」の製作、レンズを作る「成形」、品質を管理する「検査」に大きく分類されます。ここには、最新の機械が使われているだけでなく、自分たちで工夫して開発した多くのノウハウが詰め込まれています。
金型はレンズの表面の形を決める上でもっとも重要な役割を果たします。つまり、金型の形がそのまま、レンズの形として表れることになるからです。そこで、金型の製作には超精密な加工のできる機械が使われます。サブミクロン(10,000分の1mm)単位の加工のできる、これらの機械で、レンズの表面の形が細かな部分まで正確につくられていきます。
非球面レンズを作る上で最も重要な工程で数多くのノウハウがつめ込まれています。成形機に金型を取り付け高温に溶かされたプラスチックを流し込みプレスしていきます。当社の工場では自動で24時間運転が行われ、日産200万個を超えるレンズが作られています。
検査にはレーザー干渉計が使われます。これは、レーザー光線を使って表面の形状を計測するもので、非球面レンズが設計されたとおりに作られるているかを数値で表すことができます。このように一つ一つの製品に、徹底した品質の管理を行っています。
このようなさまざまな工程を経てレンズが生まれてきます。そして、良いレンズが作られる過程には機械や工具の工夫だけでなく、長い時間を掛けて考え出された技術の蓄積(ノウハウ)が詰め込まれているのです。
成形の時、捨てられる枝の部分がありましたが、無駄にはされません。もう一度ペレット(粒状)に戻されて、材料として使われます。こうして資源の再利用が行われています。