掲載記事は掲載日時点の情報であり、記事の内容などは最新の情報とは異なる場合があります。
掲載コラム記事はライターによる執筆文書であり、当社の見解とは異なる場合があります。
愛猫の健康を維持するためにも、季節に応じた体調管理を行い、快適な環境を作ってあげましょう。猫は環境の変化が苦手で、デリケートな動物です。季節ごとに大きく変動する気温や気候は、負担になります。
とはいえ、具体的にどのようにすればいいのか悩む飼い主さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、この記事では愛猫が健康に過ごすための季節に応じた体調管理や快適な環境作りのポイントを解説します。
季節ごとに変化する気候や気温は、猫の体調にさまざまな影響を与えます。
猫は環境の変化に敏感な動物です。暑さや寒さ、湿気、季節の変わり目などがストレスになり、体調を崩す原因になります。
例えば、湿度が高い夏は熱中症に、冬の寒さは膀胱炎などの病気になるリスクを高めます。
1日の気温差が激しくなる春や秋も、さまざまな体調不良の要因になります。
特にシニアの猫や病中病後の猫は、ささいな変化で体調を崩しやすいため飼い主さまの細やかな配慮が欠かせません。
まずは、「縄張り意識が強い」「きれい好き」といった猫特有の習性を理解し、快適な環境を用意してあげましょう。事故や迷子などのトラブルを避けるためにも、猫は完全室内飼育が望ましいです。
猫は縄張り意識が強い動物であり、1匹で安心して過ごせる自分だけの居場所が必要です。猫用の部屋やコーナーを作り、体が隠せるドーム型のベッドやダンボールを置いておくのもいいでしょう。多頭飼いの場合も、必ず猫それぞれの居場所を作ります。
猫はとてもきれい好きで、トイレの清潔さにこだわりを持ちます。排泄物がトイレに残ったままだと我慢する猫もいるため、こまめな掃除が必要です。トイレの数は「猫の数プラス1個」用意しましょう。
ニオイにも敏感なので、トイレは食事をする場所から離すことも心がけましょう。
高いところに行けるように、キャットタワーやキャットウォークを設置してあげましょう。猫用の三段ケージなど、高さがあるケージもおすすめです。
猫は基本的に単独で行動する動物で、その習性は今も残っています。そのため、敵に狙われにくい高い場所にいることを好みます。
高いところに倒れやすいものがないか確認し、猫が登っても大丈夫なよう棚の上などには割れ物は置かないようにしましょう。
専用の爪とぎ器を必ず用意してください。猫はストレス解消やマーキング、古い爪を取り除くために爪をとぐ習性があります。
ただし、爪とぎを行っても爪の先は鋭く尖ったままです。カーテンなどに引っかかると危険なので、定期的に爪切りをしてあげましょう。
掃除の際や換気などの空気の入れ替え、気候がいい時などは、窓を開ける機会があります。猫が出て行かないための対策が必要です。
猫が外に出てしまうと、迷子になったり事故に遭ったりするリスクがあります。
対策として、窓や網戸にはストッパーを付けておくのもおすすめですし、玄関や窓にはキャットゲートを設置し、丈夫な網戸に貼り替えるといいでしょう。
季節ごとに猫の体調管理と環境作りのポイントを解説します。
いずれの季節でも、「普段と様子が違う」と思ったら、早めに動物病院を受診してください。
冬から春、夏から秋は過ごしやすくお出かけにも適した季節になります。
健康診断はこの時期がおすすめです。
猫は不調を隠す動物なので、定期的に健康診断を受けると良いでしょう。また、動物病院で検査をしてデータを取っておくと、いざというときに病院を探すなどの手間がかかりません。定期的な検査でいち早く不調に気が付けるようにしましょう。
特に、春~秋はノミやマダニなどの虫が活発になるため、寄生虫予防が必要です。ワクチン接種の相談もしましょう。
猫は被毛をなめて手入れをする際、抜け毛を飲み込んでしまいます。
抜け毛を大量に飲みこむと、消化器トラブルにつながる原因になります。
短毛種の猫は1日1回、長毛種は1日2回程度を目安にブラッシングをしてあげましょう。
また、春と秋は換毛期で特に毛が抜けるため、こまめなブラッシングが欠かせません。
夏は熱中症にならないように十分注意します。「グッタリしている」「ハアハアと荒い呼吸をしている」ときは熱中症なっている恐れがあります。すぐに動物病院に連れて行きましょう。
キャットタワーの上にいると飼い主さまも気づきにくいので、時々様子を確認することが大切です。
食欲が落ちていないか、水はちゃんと飲んでいるかを毎日確認し、不調の際はすぐに気付けるようにしましょう。
熱中症予防のためにも冷房を利用して、部屋をしっかり冷やします。除湿器で湿気を取り除くのもおすすめです。
ただし、猫によってはエアコンが苦手な子もいます。
「冷房が効いた部屋と行き来できるようにする」「猫が過ごす部屋の窓はすだれをかける」「クールマットを置く」などで、暑さ対策をしましょう。
新鮮なお水がいつでも飲めるようにしておくことも大切です。
冬になると、猫は下部尿路疾患にかかりやすい傾向があります。寒さから「水を飲まない」「トイレを我慢する」ことが多くなるため、下部尿路疾患につながるリスクが高まります。
膀胱炎は通年で注意が必要な病気ですが、冬の寒さがストレスになって膀胱炎の原因となるケースも多くあります。
膀胱炎になると、尿の量が減ったり頻繁にトイレに行ったりするようになります。おしっこをしている様子を観察し、いつもと比べて「1回のおしっこの量が少ない、トイレに行っているのにおしっこが出ない」または「何度もトイレに行く」などいつもと違う様子があったら動物病院を受診しましょう。
暖かい敷物やベッドを用意し、ペット用ヒーターやゆたんぽで寒さケアをします。飲水量が減る猫には、肉のゆで汁をフードにかけたりウエットフードを与えたりして水分補給を促しましょう。
トイレ周辺が寒いと排泄を我慢することもあるので、冬は暖かい場所にトイレを移動すると良いでしょう。
ストーブやファンヒーターなどにはガードを設置してヤケド予防を、コードは齧り防止のためカバーをしておきましょう。
お風呂の残り湯があると、ふたに乗って暖を取る猫がいます。落ちると溺れるリスクが高く、大変危険です。入浴後はお風呂のお湯は捨てるか、お風呂場に入れないようにしましょう。
日本は季節で気温や気候が大きく変化します。環境の変化が苦手な猫の健康を維持するためにも、季節に応じた体調管理が必要です。さらに快適な環境を作ることで猫がストレスなく快適に過ごせるようになります。
- 猫が落ち着いて過ごせるように居場所を決める
- 猫のトイレはいつも清潔に。猫の数プラス1個用意する
- 高いところに行けるようにする
- 爪とぎ器を置く
- 窓やドアから出て行かないよう、脱走予防をする
| 季節 | 内容 | |
|---|---|---|
| 季節の変わり目 |
ブラッシング |
|
| 夏 | 熱中症対策 |
|
| 冬 | 寒さケア |
|
【2025年8月/文責:GMC株式会社 動物医療担当】













