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犬の健康についてのコラム

犬の健康診断
~愛犬の毎日のケアと健康管理のポイント~

掲載記事は掲載日時点の情報であり、記事の内容などは最新の情報とは異なる場合があります。
掲載コラム記事はライターによる執筆文書であり、当社の見解とは異なる場合があります。

1.愛犬の健康を守る第一歩は「毎日の観察」

愛犬の健康状態を把握するためにも、まず大切なのは「毎日の観察」です。
犬は本能的に不調を隠す習性があるので、ちょっとした変化や違和感を見逃さないことが病気の早期発見に役立ちます。
そのため、「毎日の観察」で普段の様子を知っておくことがとても重要です。

例えば、以下のようなところに注目してみましょう。

  • 食欲や飲水量に変化はないか
  • 目や耳、口の中に異常はないか
  • 呼吸の速さや咳など異常がないか
  • 排泄の回数や排泄物の状態に変化はないか
  • 立ち上がりや歩き方に異常はないか
  • 抱っこや触れたときに痛がるところはないか
  • 睡眠時間がいつもより長すぎたり短すぎたりしていないか

「何かいつもと違う気がする」「なんとなく元気がない」など、飼い主さまだからこそ気づける変化があります。
元気そうに見えても大きな病気が隠れていることもあり、些細な違和感であっても獣医師に相談することが大切です。

2.毎日行いたい基本のケア

愛犬の健康維持や、病気の予防や早期発見のためには、家庭での毎日のケアも欠かせません。

犬の基本のケア
  • ブラッシングや歯磨き
  • 足・肉球のチェック
  • 目や耳のチェック

これらのケアを、愛犬のペースにあわせて無理のない範囲で行うことが大切です。

ブラッシング

ブラッシングは、トイプードルやチワワなどの長毛種であれば毎日、柴犬などの短毛種であれば週に2~3回(換毛期は毎日)を目安に行いましょう。
ブラッシングは抜け毛の除去や毛並みを整えるだけでなく、皮膚の異常やノミ・ダニのチェック、皮膚の新陳代謝や血行を促進するなど、さまざまな役割があります。

歯磨き

歯磨きは、できれば毎日、難しければ最低でも週に2~3回を目安に行いましょう。
犬の80~90%が歯周病を患っていると考えられており、歯周病は全身の健康に悪影響を及ぼす怖い病気です。
歯磨きを嫌がる犬も多いですが、ガーゼや犬用歯ブラシを使って、少しずつ慣らしていきましょう。

参考:ペット栄養学会誌「犬の歯周病菌数と歯肉の炎症の経時的変化について」

目や耳のチェック

目ヤニや涙やけが増えていないか、耳のにおいや赤く腫れていないかも日常的にチェックしましょう。
特に垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすく、外耳炎などのリスクが高まります。
綿棒を使って耳の奥まで掃除するのは危険なので、汚れがある時はコットンなどで穴の手前を軽く拭き取る程度にとどめ、奥のほうは動物病院で診てもらいましょう。

足や肉球のチェック

散歩後は、足や肉球をチェックしましょう。
小石が挟まっていないか、傷がないかなど確認し、必要に応じてぬるま湯で洗い流し、優しく拭いてあげるようにします。
肉球クリームでの保湿も、ひび割れの予防に効果的です。
また、爪が伸びすぎると歩きにくくなり、関節に負担がかかることもあります。
月1~2回のペースで爪切りを行いましょう。

定期的なシャンプーやカット

犬のシャンプーは月に1回を目安に行いましょう。シニア犬では2ヶ月に1回が目安です。
頻繁なシャンプーは皮膚トラブルの原因となるため、獣医師から指示がない限りは控えたほうが安心です。
また、トイプードルやマルチーズなどの被毛が伸び続ける犬種では、1ヶ月に1回のカットも必要です。

3.食事と水分の管理

食事は健康と密接な関係がある重要なものです。ここでは、食事や水分について考えてみましょう。

バランスの取れた食事を意識する

ドッグフードは、ライフステージや体の大きさ、愛犬の状態などに合わせた総合栄養食を基本に、必要に応じてサプリメントを取り入れましょう。
ドッグフードの与え過ぎや栄養バランスの偏った食事は、肥満や病気の原因につながります。
愛犬に適切な給餌量を与えることが大切です。給餌量はその犬によって異なるため、獣医師に相談すると良いでしょう。

水分補給しやすい工夫も必要

犬によっては自分で意識的に水を飲まないこともあります。特に暑い季節やドライフード中心の食事の場合は、水分補給をしやすい工夫をしてあげましょう。
水分が足りていないと、脱水やさまざまな病気のリスクが高まります。
ウェットフードやペット用ミルクを与えるなど、水分補給をサポートしてあげることも大切です。
また、普段から愛犬の飲水量をチェックし、飲水量が著しく減ったり増えたりした場合は獣医師に相談してください。

4.定期的な健康管理

愛犬の健康を守るためには、日々のケアだけでなく、定期的な健康管理も欠かせません。
動物病院での健康診断や予防医療をきちんと行い、病気の予防や早期発見を心がけましょう。
ここでは、定期的な健康管理について解説します。

動物病院での健康診断

成犬では年に1回は健康診断を受けることで、内臓や血液の異常など、目に見えない部分の状態が確認できて安心です。
血液検査やレントゲン検査、エコー検査など、普段はわからない部分を診てもらうことは病気の早期発見につながります。
特にシニア犬や持病のある犬は、半年に1度の受診が理想です。定期的に通うことで、獣医師との連携も取りやすくなるでしょう。

ワクチンや予防薬による予防医療

感染症の予防は、愛犬の健康を守る上で欠かせないポイントです。
特にワクチン接種やノミ・マダニ・フィラリアといった寄生虫対策は、重い病気を未然に防ぐ重要な手段となります。
狂犬病予防接種は法律で義務付けられており、年に1回の接種が必要です。
また、パルボウイルスやジステンパーなどを防ぐ混合ワクチンも、年1回の接種が推奨されています。
さらに、フィラリア症は蚊を介して感染するため、蚊の活動時期にあたる5月~12月頃まで毎月、ノミ・マダニの対策は通年の予防が推奨されます。
住んでいる地域や生活環境、犬の状態によって必要な予防対策は異なるため、かかりつけの獣医師と相談しながら行いましょう。

  • 狂犬病予防接種(年1回・義務)
  • 混合ワクチン(年1回)
  • フィラリア予防(5月~12月)*地域によって異なる
  • ノミ・マダニ予防(通年が推奨)
トリミングサロンの活用

トリミングサロンのサービスは、見た目を整えるだけでなく、健康チェックの役割も果たします。
トリマーは獣医師ではありませんが、犬の健康管理に大きく関わりのあるプロです。
目や耳、口を含めた体の表面の観察はもちろん、隅々までボディチェックを行ってくれるため、1ヶ月に1度など定期的に利用することで皮膚や被毛、耳の異常などにいち早く気づくことができるでしょう。

まとめ

愛犬の健康を守るためには、特別なことよりも「毎日少しずつ続ける」ことが大切です。
体調の変化を見逃さないためにも、日々の観察とスキンシップを習慣にしましょう。

ポイント 内容
毎日の観察

何よりも大切!
犬は本能的に不調を隠す習性があるので、元気そうに見えても大きな病気が隠れていることがあります。

基本のケア

ブラッシングや歯磨き、足や肉球/目や耳のチェックを定期的に行いましょう。
ただし、愛犬のペースにあわせて無理のない範囲で行うことが大切です。

食事と水分の管理

食事は健康において重要。
バランスの取れた食事を意識することや、水分補給しやすい工夫が必要。
尿と便の変化を記録することも健康管理に役立ちます。

定期的な健康管理

動物病院での健康診断や予防医療をきちんと行い、病気の予防や早期発見を心がけましょう。
特にシニア犬や持病のある犬は、半年に1度の受診が理想です。

【2025年8月/文責:GMC株式会社 動物医療担当】