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日本では四季ごとに気候が大きく変わります。犬の健康を維持するためにも、季節に応じた体調管理が欠かせません。そのため、快適に暮らすための環境作りも必要です。
とはいえ、どのようにすればいいかわからないこともありますよね。
そこでこの記事では、季節に応じた犬の体調管理や快適な環境作りのポイントを解説します。
なぜ季節に応じた犬の体調管理が必要なのでしょうか。
それは四季ごとに大きく変化する気温や気候が、犬にとって負担になる恐れがあるためです。
特に海外原産の犬にとっては、日本の四季が大きなストレスになる場合もあります。
犬のサイズや品種、もともとの体質によっても個体差があるため季節に合わせた対応が必要なのです。
さらに子犬やシニア犬のほか、病中病後など体力のない犬も季節ごとに影響を受けて体調を崩しやすいといえるでしょう。
1年を通して元気に暮らすためにも、愛犬に合った体調管理を行いましょう。
まずは年間を通して犬が暮らしやすい基本の環境を整えておきます。犬が快適に、そして安全に過ごしていればご家族さまも安心です。
犬が落ち着いて過ごせるように、居場所を決めてあげましょう。
寒暖差の激しい場所、ドアや窓、テレビの近くなど刺激が多い場所は避けます。
1匹にすると寂しがるので、家族が集まるリビングの隅などがいいでしょう。クレートを置き、中に敷物を敷いておく方法がおすすめです。
トイレの場所も大切です。
散歩でしか排泄しない犬であっても、悪天候などに備えて設置しておきましょう。犬が落ち着いて排泄できる場所にトイレコーナーを作ります。
犬は清潔さを好む動物なので、トイレは寝床や食事の場所からは離して設置することがポイントです。
ただ、あまりにも離れていると失敗の原因になります。洗面所は一見よさそうですが、ドライヤーや洗濯機などから大きい音がするため、おすすめできません。
電気コード類は、感電予防のためにもカバーをかけてコード齧(かじ)り対策をします。噛んでほしくない家具などには、犬用の噛み対策スプレーをかけておくといいでしょう。
フローリングは滑りやすく、足腰を傷める恐れがあり危険です。滑りにくい床を設置するかペット用マット、ペット用ワックスなどで対策します。
火や刃物を使うキッチンに犬が入れないように、柵やゲートを設置しておくと安心です。
犬の体調管理と環境作りについて、各季節でのポイントを解説します。どの季節であっても、「食欲が落ちた」「元気がない」といったときは、様子を見るのではなく動物病院の受診をおすすめします。
春は狂犬病予防注射シーズンです。
狂犬病予防法に基づき注射を受けることは義務づけられているので必ず受けましょう。
集合注射会場または動物病院で受けます。その他のワクチンについても、獣医師と相談して受けてください、
気温の上昇とともに虫も活発になります。
ノミやダニなどの寄生虫予防も早めにスタートしましょう。蚊によって媒介され犬の心臓に寄生するフィラリア予防も重要です。
必ず動物病院で検査を受けてから、予防薬を処方してもらいます。
冬毛が抜け始める時期でもあるので、こまめなお手入れも必要です。被毛についた花粉などを取り除くためにも、毎日ブラッシングしましょう。
朝晩は涼しいのに昼は暑いといった日も多く、春は1日のうちの寒暖差が大きい季節です。犬も体調を崩しやすいのでエアコンなどを利用して、なるべく室温が一定になるようにします。
夜は冷え対策として、起毛タイプの暖かい敷物などを用意しておくといいです。
犬は暑さや湿気に弱く、しかも汗をかいて体温調節ができないので夏は熱中症対策が欠かせません。
パグやフレンチブルドッグなど短頭種の犬は鼻の空気が通りにくく、熱中症になりやすいため注意が必要です。子犬やシニア犬、肥満気味の犬も熱中症になるリスクが高いので念入りに対策しましょう。
散歩時には飲み水を持参し、朝晩の涼しい時間に行きましょう。
アスファルトに熱がこもっている場合があるので、事前にご家族さまが手で温度を確認してから散歩に行きます。
夏は暑さ対策が欠かせません。
室内は、エアコンで気温を25度程度になるように調節します。エアコンの風が犬に直撃しないように、風向きは必ずチェックしてください。
犬に留守番をさせる場合は停電などのトラブルに備えて、ひんやりマットや凍ったペットボトルを置いておくと安心です。脱水予防のためにも新鮮な水がいつでも飲めるように、家のあちこちに置いておきます。水は水道水でかまいません。
夏の気候ゆえにフード管理にも気を配る必要があります。
犬のフードは油分が多く、気温が高いと酸化しやすいため夏は特に保存状態に注意しましょう。密閉容器に入れて涼しくて日の当たらない場所に保存します。ドライフードは小分けタイプがおすすめです。
涼しくなってきて、散歩も快適にできるようになっています。
夏の暑さで犬の体力が落ちているので、徐々に運動量を増やしましょう。おもちゃで遊んだり、ドッグランで走ったりするのもいいです。ただしシニア犬や病中病後の犬は無理しないよう注意してください。
過ごしやすい気候になるため、食欲も増してくる時期です。犬が寒い冬に向かって脂肪を蓄えていくのは自然ですが、食べ過ぎには注意しましょう。
秋は暑くもなく寒くもない過ごしやすい日が多く、お出かけにも向いています。お出かけ先に動物病院も加えましょう。
特に健康診断を受けることがおすすめです。
元気な時だからこそ、犬の健康チェックには大きな意味があります。健康なときのデータがあれば、不調になった際との比較ができるため病気を早期発見しやすくなります。また、早期発見は早期治療、早期回復につながります。
夏の疲れチェックや冬への備えもかねて。秋は動物病院で犬の健康チェックも検討しましょう。
チワワなど温暖な地域原産の犬種は寒さが苦手です。
ヨークシャーテリアなど下毛の生えていないシングルコートの犬も寒さに弱いので、洋服を着させるなどして防寒します。ただし、体温調節機能を衰えさせないためにも室内では脱がせるようにしましょう
特にいつも家にいる犬は、急な寒さについていけないこともあります。散歩に行く際は、いきなり歩くのではなく出発前に玄関先で寒さに慣れてから出かけると安心です。雪の日は無理に散歩に行く必要はありません。犬が行きたがる場合は、帰宅後濡れた体をしっかり乾かします。
冬は暖房が必須ですが、安全のためにもさまざまな注意点があります。ストーブなど火を使う暖房器具は、ヤケドの危険があるのでガードの設置が必要です。電気カーペットなどコードがある暖房器具は、コードを噛む恐れがあるので避けた方がよいでしょう。またはコードにカバーを付けるなどの対策がおすすめです。
エアコンを入れると天井に暖気がたまりやすく、足元は寒いこともあります。特に小型犬は寒さを強く感じることも。サーキュレーターなどで空気を混ぜるとよいでしょう。
ペット用ヒーターや床暖房を使うときは、低温ヤケドをしないようにときどき移動させるようにします。床暖房の場合は全体が温かいので、体を冷やすためのすのこを置くといいでしょう。
季節ごとの気候や気温の違いは、犬にとって負担になることもあります。
愛犬が年間を通じて健康的に過ごすためにも、季節に応じた体調管理や快適な環境作りは大切です。
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犬が落ち着いて過ごせるように、居場所を決める
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犬が落ち着いて排泄できるようにトイレの場所をチェック
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コード対策、フローリング対策、家の危険な場所に入らないよう柵やゲートを設置して、安全対策をする
| 季節 | 内容 | |
|---|---|---|
| 春 | 病気対策 |
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| 夏 | 熱中症対策 |
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秋 |
体力回復 |
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| 冬 | 寒さ対策 |
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【2025年8月/文責:GMC株式会社 動物医療担当】













