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大腸CT検査(CTコロノグラフィ)や鎮静下の内視鏡検査で苦痛の少ない検査を提供し、消化器疾患の早期発見と治療に注力している「ちよ内科クリニック」。院長の千代大翔氏に、富士フイルムのマルチスライスCTシステム・内視鏡システムなどの使用感や、大腸検査における内視鏡とCTの使い分けなどについてお話をうかがった。
千代 大翔 氏
上部・下部内視鏡を専門とし、特にこの10年間に関しては香川大学医学部附属病院において早期の胃がん、大腸がん、食道がんの内視鏡診断と内視鏡治療に注力してきました。
香川大学での診療と指導が節目を迎えたため、次のステップに進みたいと考えるようになりました。そして、胃がんは減少に転じた一方、大腸がんは依然として増加傾向にある状況を踏まえ、大腸がん検診の受診率向上など、より現場に近い環境で大腸がんの早期発見に貢献したいと考え、開業を決意しました。
私が専門とする内視鏡については、経鼻内視鏡の画質の良さや全体的な使いやすさ、価格面などを重視して選定を行い、富士フイルムの「ELUXEO8000システム」、経鼻スコープ「EG-840N」、下部拡大スコープ「EC-760ZP」を導入しました。
CTについては、「SYNAPSE VINCENT Core」の大腸解析との組み合わせに魅力を感じ、「Supria Advance FR」の導入を決めました。
そして、内視鏡とCTを選定する過程での対応や価格面でのメリットなどから、最終的に一般撮影装置や胸部画像病変検出ソフトウェア、超音波診断装置、ドライケムも富士フイルムの製品を導入することに決めました。

大腸検査については、内視鏡検査に対する抵抗が根強くあり、大腸がん検診の便潜血で陽性となった方の約3割が内視鏡検査を受診していないという状況があります。そのため、より負担の少ない検査方法として大腸CTを取り入れることで、多くの方に大腸検査を受けていただけるのではないかと考えました。
大腸CTと内視鏡を比較すると、ガイドラインで切除が推奨されている6mm以上のポリープの発見精度に限れば、CTと内視鏡は同等というデータが出ています。したがって、すべて大腸CTに置き換えても問題はないのですが、2~3mm程度の微小なポリープまで切除し、将来的ながんを予防するという観点では内視鏡の方が優れています。そのため、当院では内視鏡を第一選択としてお勧めしています。
一方、大腸CT検査は、内視鏡に抵抗がある方や、内視鏡検査で穿孔のリスクがある高齢の方などに適しています。また、1~2年以内に大腸内視鏡を受けて異常がなかったにもかかわらず便潜血で陽性になった方は、再度内視鏡をしても重大な異常が見つからないケースが多いので、負担が少ない大腸CTで見落としがないかと確認した方が良いと考えています。
なお、大腸CT検査で6mm以上のポリープが見つかった場合は、内視鏡での切除が必要となり、二度手間になってしまいます。この点については、患者さんに事前に説明しています。

私はこれまでCT装置にほとんど触れたことがなかったのですが、Supria Advance FRはコンソールのインターフェースが分かりやすいので、各種撮影がスムーズに行えています。また、装置自体がコンパクトなので、スペースが限られた撮影室内でも取り回しがしやすいと感じています。
画質についても満足しており、肺がんのスクリーニングやフォローアップなどで用いる低線量撮影においても、十分な診断能を得られていると感じています。

マルチスライスCT Supria Advance FR
経口造影剤を用いて残渣を標識する「タギング」や送気に問題がなく、良好な画像が撮影できれば、大腸の経路作成からポリープの検出までの手作業が5分程度で完了するので簡単ですね。検査後は、その日のうちに患者さんに説明をしており、今後は、大腸CTで切除が必要なポリープが見つかった場合、当日内視鏡での処置を実施する体制を整えることも検討しています。

内視鏡システム ELUXEO 8000システム

これまでの経験から、上部消化管のスクリーニングでは、経鼻内視鏡による観察と生検で十分な診断ができると感じていたため、当院ではEG-840Nを2本導入しました。使用方法としては、鎮静を行う場合は経口内視鏡、行わない場合は経鼻内視鏡を第一選択としています。
EG-840Nの使用感としては、従来の経鼻内視鏡は反転した状態での操作に弱く、そこに生検鉗子を入れるとさらに操作性が落ちていたのですが、EG-840Nはそういったこともなく、快適に使用できています。また、画質も良く、特殊光も使いやすいと感じています。
下部消化管については、ポリープ切除の前提となる良悪性の鑑別を正確に行うとともに、近年のトレンドである「クリーンコロン」を実現していくために、拡大スコープEC-760ZPを導入しました。このスコープは、画質・挿入性が良いことに加えて、ウォータージェットの水量が安定しているので水浸下での挿入が行いやすいと感じています。
私はこれまで胸部レントゲンを読影する機会があまりなかったので苦手意識があり、開業後も微妙な影が見つかると悩んでしまい、余計な時間がかかるという経験が少なからずありました。CXR-AIDを導入したことで、病変の検出を支援してくれるので安心感があり、読影精度も向上していると実感しています。また、ヒートマップ表示は患者さんの反応も良く、疑わしい箇所を視覚的に示すことで、患者さんが納得した上でCT検査に進んでいただけていると感じています。
富士フイルム製品を総合的に導入したことで、サポートが一本化され、窓口が分かりやすく、相談もしやすいと感じています。また、複数モダリティにわたるトータルサポートを受けられるため、万が一原因が特定しづらいトラブルが発生した際にも、確実な対応が期待できるという安心感を得ています。
CT・内視鏡領域におけるAI診断支援技術の進化や、画像診断モダリティ全般でのさらなる画質向上に期待しています。さらに、今後の医療現場に必要とされる機能や課題を予測し、それに対応した革新的な技術やサービスを提供していただけることを期待しています。
- 製造販売業者
富士フイルム株式会社
- 発売名
プロセッサーEP-8000
- 認証番号
305AABZX00037000
- 販売名
電子内視鏡 EG-840N
- 認証番号
304AABZX00011000
- 販売名
電子内視鏡 EC-760ZP-V/M
- 認証番号
227AABZX00039000
Supria Advance FRは、Supriaの16列検出器搭載モデルの呼称です。
- 販売名
全身用X線CT診断装置 Supria
- 認証番号
225ABBZX00127000
SYNAPSE VINCENT Coreは、SYNAPSE VINCENTの解析機能のうち、放射線科領域で利用頻度の高い解析機能を集約し、当社のCT/MRIにカスタマイズしたエディションです。
- 販売名
富士画像診断ワークステーションFN-7941型
- 認証番号
22000BZX00238000
- 販売名
富士画像診断ワークステーション CC-WS674型の付属品EX-M1
- 認証番号
22200BZX00909000
- 販売名
胸部X線画像病変検出(CAD)プログラム LU-AI689型
- 承認番号
30300BZX00188000













