このコンテンツは医療従事者向けの内容です。
道南医療圏の中核病院として幅広い地域の急性期医療を担い、年間1万件以上の内視鏡検査・治療を行う函館五稜郭病院。内視鏡情報管理システム「NEXUS」に蓄積された検査情報および洗浄情報を、ACTIVE LINE経由で内視鏡部門管理支援サービス「ASSISTA Management ES(以下 AMES)」で集計し、分析する方法や推奨する使用方法についてお話をうかがった。
函館五稜郭病院
臨床工学科
栗山 貴博 氏

10名の医師と13名のスタッフ、4室の内視鏡室と2室の透視室で年閻1万件以上の検査・治療を行っています。検査等の内訳は、2024年度の実績で上部消化管内視鏡が6,356件、超音波内視鏡が388件、下部消化管内視鏡が3,468件、ERCP関連手技が446件です。
当院では2013年から内視鏡情報管理システム「NEXUS」を使用し、2019年からAMESを使用しています。その中で、AMES導入前はスコープの使用回数等の確認にNEXUSの統計機能を使用していましたが、少し手間がかかっていました。AMES導入後は、スコ—プの使用回数や各内視鏡室の稼働率、1検査あたりの所要時間が迅速かつ簡便に確認でき、期間を区切っての比較やグラフ化もできるので助かっています。
2022年に当院で保有する47本の消化器内視鏡のうち28本のメーカー修理対応が終了し、更新が必要となりました。そこで、適正な更新本数を把握するためにAMES内のスコープ稼働に関するデータを活用して検討を行いました。その検討では、修理実績から故障の原因や故障が増加している機種を確認した上で、AMESでスコ—プの使用回数、検査洗浄時間等を分析し、現状で必要な機種と本数の算出を行いました。
その結果、更新本数を当初の28本から19本に削減することができました。更新後、本数削減に伴う検査遅延等は発生しておらず、ばらつきも、上部、経鼻、下部共に均ー化できました。また、更新後は修理費用も減少し、検査所要時間については更新前後で有意差は認められませんでした。
この取り組みでは、AMESの情報に基づいて分析し、適正な更新を行ったことで、検査の遅延を発生させずに効率的な運用につながり、修理費用を抑制するとともに内視鏡9本分の大幅なコスト削減に貢献できたと考えています。
当院ではESDとEUSを1つのシステムで運用していたため、ESDが終わらないとlnterventional EUSができないといった「待ち」がたびたび発生し、残業になってしまうことがありました。働き方改革の影響もあり、その対応が必要となっている中で、主にダブルバルーン内視鏡で使用していた富士フイルムの内視鏡システム1台が2024年に更新時期を迎えました。そこで、ダブルバルーン内視鏡だけでなくルーチンの検査や処置、EUSでも富土フイルムの内視鏡システムを活用する機会が増えることを想定し、AMESのデータを用いて検討・提案を行いました。
その結果、ELUXEO8000システムと拡大スコープ、処置用スコープ、超音波スコープを導入することとなり、併せてARIETTA850も導入しました。導入後は、 ESD等での待ち時間がなくなって検査室の運用が効率化したことで残業が減り、医師・スタッフのストレスも大きく軽減したと実感しています。
機器更新時にAMESを活用して分析・検討を行うことで、現場主導で資材課や経営層に提案ができます。これにより、現場としては適正な更新による余剰資金を他の装置等の購入に充てられます。故障・修理への対応においても、AMESのスコープの使用回数と修理状況をすり合わせすることができるので、例えば細径スコープの故障が多いのであれば先端保護チューブを導入するといった適切な対応が可能です。また、AMESで分析して、使用年数が長いスコープほど故障回数が多い場合は古いものから更新していったり、使用年数が長くても故障が少ないスコープは更新を後回しにするといった戦略的な対応が可能になります。さらに、このような提案をデータとして示せることもAMESの大きな強みだと思っています。やはり内視鏡業務に関しては現場でしか分からないことも多くあるので、それを経営層の先生方や資材課の方々に理解していただくためには、データで分かりやすく示すことが重要だと感じています。
対象期間を選択すると、自動的に検査数や検査装置稼働数などをデータ分析してくれる「トレンドレポート」を確認するところから始めると良いと思います。トレンドレポートを見ると、必ず自分の施設の課題が1つは見えてくると思うので、まずはその対策から始めることをお勧めします。具体的な活用法として、例えばスコ—プが1番から10番まである場合、その使用回数をAMESで確認して、1番から10番の順に使用回数が多いのであれば、10番から使う運用に変えてみてください。そうすると、全体の使用回数がフラットになっていくので、故障の頻度が平均化されて運用しやすくなると思います。その後は半年に1回、順番を入れ替えると、フラットな状態が維持されます。
NEXUSをバージョンアップすると、各スタッフがどの検査に入っているか等の情報が把握できるようになるので、その情報を活用して人材配置の適正化にも取り組んでいきたいと考えています。
高い製品開発力と内視鏡、超音波、X線、IT等の総合カを活かした製品・技術開発に期待しています。また、これからも現場の声をしっかりと吸い上げて、より使いやすい装置・システムを追求していただければと思います。
- 内視鏡情報管理システムNEXUSのカタログ
- 本記事のPDFデータ













