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日本
みはま成田クリニック 院長 村上 康ー 氏と「富士ドライケムNX700」​

導入事例みはま成田クリニック

腎・泌尿器科領域に特化したクリニックの専門医療・予防医療を生化学検査装置による検査の効率化が支援

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

医療法人社団誠仁会の分院として開業したみはま成田クリニックは、慢性腎臓病、血液透析治療に特化した専門施設としてグループ施設と共に千葉県印旛エリアの地域医療の一端を担っている。慢性腎臓病診療や血液透析患者の急変処置など様々な医療シーンに迅速かつ効率的に対応するため、新たな生化学検査装置として「富士ドライケムNX700」を導入して検査体制の発展につなげている。

POINT
  1. 同時測定検体数・検査項目数が十分な「富士ドライケムNX700」を導入して検査環境を改善
  2. グループ内で同一装置を運用し、検査データの均質化と組織横断業務の円滑化を実現
  3. 慢性腎臓病の診療や人工透析患者の急変処置を測定速度が特長の検査装置がサポート

みはま成田クリニック(右から)
村上 康ー 院長 岩井 典子 臨床検査技師検査科
大橋 靖 東邦大学佐倉病院腎臓内科教授

腎・泌尿器科領域の専門施設としてグループ施設と連携した高水準の医療を提供
みはま成田クリニックの特長は。

村上氏 腎・泌尿器科領域の専門クリニックとして、30年以上にわたり地域医療に携わっています。慢性腎臓病、血液透析治療に特化した専門施設で、手術室、CT室、100床近い透析ベッドなどを設置しています。腎・泌尿器科領域に特化したクリニックベースの有床診療所としては全国有数の規模です。
慢性腎臓病や血液透析治療の患者様はわずかな症状や体調の変化が命に関わるため、医師、看護師、臨床工学技師、臨床検査技師、栄養士、放射線技師、薬剤師が一丸となってチーム医療の実現に取り組んでいます。患者様に末永く人生を歩んでいただけるよう、新たな知見・技術を習得するための勉強会や講習会にも積極的に参加し、個々のレベルアップにも励んでいます。

みはま成田クリニック
住 所 千葉県成田市飯田町129-1
設立年 1987(昭和62)年

医療法人社団誠仁会グループの特長は。

村上氏 本院のみはま病院と、みはま佐倉クリニック、みはま成田クリニック、みはま香取クリニックの分院で構成される包括医療体制のもと、千葉県印旛エリア周辺の地域医療に従事しています。4施設は電子カルテで連携され、施設間で患者様の血液透析や治療に関する情報を共有することで、グループ全体で継続的かつ一貫した診療を実現しています。

岩井氏 臨床検査技師は4施設を横断的に回り検体検査・生理検査を行っています。当グループはエリアー帯の地域医療を担う立場のため検査件数は多く、スタッフは迅速で効率的な作業で日々の診療をサポートしています。

腎不全外来などの診療ニーズが高まるなか、生化学検査装置を見直し検査効率の改善を図る
みはま成田クリニックが抱えていた課題は。

岩井氏 私が着任した2010年前後は常勤の検査技師がおらず、検体検査室や生理検査室もなかったため、ドライケミストリ一方式の生化学検査装置の導入や各種検査室の開設など、ーから検査体制を整備しました。その結果、一定水準の検査対応は可能になりましたが、泌尿器科外来や腎不全外来を開始して当クリニックが発展するにしたがって、現状の検査体制では円滑な対応が難しくなりました。
 検査体制における大きな課題は、生化学検査装置の性能不足でした。当時運用していた生化学検査装置は1度に1検体しか測定できず、試薬の設置数も限られていたため、1検体の測定に40分以上かかることもありました。検査結果が判明するまで医師の皆さんは待機せざるを得ないため、当クリニック全体の診療効率に影響が出ていました。また、患者様を長時間お待たせするため、当クリニック・患者様双方の非効率さを解消できるよぅ、新たな生化学検査装置を導入することにしました。

臨床化学分析装置「富士ドライケムNX700 」を導入した経緯は。
みはま成田クリニック 臨床検査技師検査科 岩井 典子 氏​

岩井氏 新たな生化学検査装置を選定していくなかで、「富士ドライケムNX700」に興味を抱きました。同装置を運用する内科クリニック様に使用感を聞いたところ高く評価していたため本格的に検討を始めました。
 旧装置と比較して、「富士ドライケムNX700」に優位性を感じたのは同時測定検体数、検査項目数、使いやすさです。最大5検体を同時に測定できるので、課題になっていた検査効率の改善が期待できました。測定項目は腎・泌尿器科診療や血液透析治療で主に測定する電解質3項目のほか、比色27項目が測定可能です。また、旧装置は試薬のセットに手間取ることが多く、複数の試薬をしっかりと固定してセットできる同装置は滞りのない検査につながると思いました。これらの検査性能・仕様を有する同装置であれば効率的な検査を後押しし、当クリニックが今後注力していく腎不全外来にも寄与すると判断し、村上院長に推薦しました。

村上氏 当クリニックでは富士フイルムの超音波診断装置を運用しており、富士フイルムの機器装置には信頼を置いていますので、「富士ドライケムNX700」の品質・機能性に疑う余地はありませんでした。泌尿器科医の立場としても、検査データの再現性において富士フィルムは確かな水準にあると実感しています。
 加えて、当クリニックの検査体制の礎を築き、検査現場の課題と解決手段を熟知する岩井技師が薦める生化学検査装置ということもあり導入を決めました。チーム医療を実践して腎不全外来などに対応するには、スタッフにとって働きやすい検査環境が不可欠です。腎不全外来の患者数が増えている状況のなか、医療水準を保ちつつ検査効率を高めていく上で、岩井技師が推薦する「富士ドライケムNX700」は必ずや当クリニックの発展につながると判断しました。また、同装置は当クリニックと併せて同グループのみはま佐倉クリニックも導入しました。

慢性腎臓病の診療や透析患者の急変対応など地域医療の一端を担うクリニックとしての役割を遂行
「富士ドライケムNX700」の運用状況は。

大橋氏 慢性腎臓病を診療する際に、クレアチニンの測定と推算糸球体濾過量の計算などに使用しています。慢性腎臓病の診断には医師による診察や問診だけでは不十分で、腎臓の状態を推定するためには血液・尿検査データが重要です。ただし、検査データを得られれば良いというわけではなく、採血・採尿当日の検査結果をふまえて対処するのが望ましいです。「富士ドライケムNX700」は生化学検査結果が検体採取当日に出るため、その日のうちに治療や指導を行うことができます。

村上氏 慢性腎臓病診療は当クリニックが重要視する領域のひとつであり、「富士ドライケムNX700」はその診断に使用しています。私は「千葉県CKD対策協力医」として腎臓専門医と連携して慢性腎臓病を診療しており、健康診断などで腎機能障害や腎機能低下を指摘された患者様の再検査・精密検査を担当しています。疾患を早期に発見して専門医に速やかに紹介するため、カリウムやカルシウムの測定値を迅速に得たい場合に同装置を活用しています。

「富士ドライケムNX700」の測定時間は。

岩井氏 採血してから20分ほどで検査結果が出ます。旧装置と比較すると測定時間は半分に短縮できており、日々優れた速さを実感しています。

「富士ドライケムNX700」の使用感は。

岩井氏 操作方法が分かりやすい簡便な検査装置だと思います。当クリニックでは臨床検査技師だけでなく看護師も状況に応じて検査業務を行うため、多くの人にとって使いやすい仕様は大変助かっています。旧装置運用時の課題だった試薬スライドのセットについても、「富士ドライケムNX700」は試薬スライドを設置しやすく、20項目ほどをまとめて検査できるため、使用感においては満足しています。

「富士ドライケムNX700」と試薬スライドの収納棚

「富士ドライケムNX700」の運用効果は。

村上氏 有床診療所として400名近い血液透析患者を抱える当クリニックでは、日々発生する透析中の急変対応が求められます。貧血、消化管出血、黄疸、胆石などが想定されるなか、一刻も早く適切に診断するために、CT検査と併せてカリウムや総ビリルビンなどの生化学検査を行います。「富士ドライケムNX700」は測定速度が比較的速く、近隣の大病院に依頼するか否かを迅速に判断できるため、地域医療におけるクリニックの役割を果たす上で同装置は貢献していると感じています。

大橋氏 大学病院や総合病院と遜色のない検査環境の構築に貢献していると思います。私は東邦大学佐倉病院の腎臓内科医として診療に従事しており、採血当日に検査結果を得られる環境は、疾患の重症化や急変を未然に防ぎ、患者様の不安を和らげるメリットがあると考えています。大病院では設備や人員を駆使してスムーズに検査できますが、クリニック規模で迅速な検査体制を実現するのは容易ではありません。その点、「富士ドライケムNX700」は採血当日に検査結果を得られるため、患者様の最新データにもとづき適切な治療や指導が可能になります。
 クリニックが医療水準を向上させ、多くの患者様から頼りにされる存在になるということは、地域医療の安定化につながります。大病院に受診ニーズが偏る状況は大病院のみならず地域医療全体をひっ迫させかねません。「富士ドライケムNX700」をクリニックや診療所を運用して慢性腎臓病をはじめとした疾患を迅速かつ適切に診療することは、地域における高水準医療の裾野を広げる意味でも有意義だと思います。

岩井氏 患者様に負担をかけない医療を提供する上で、迅速性が高い院内検査体制が寄与する部分は大きいです。当クリニックはより良い検査体制を追求し続けた結果、慢性腎臓病の患者様から「クリニックのレベルがこれほど高いとは思わなかった」というお褒めの言葉をいただけるまでになりました。

東邦大学佐倉病院 腎臓内科 教授 大橋 靖 氏​
同グループ内で「富士ドライケムNX700 」を複数台運用するメリットは。

大橋氏 誠仁会グループの4施設は電子カルテで連携しているため、診療水準を一定にする上で同じ検査装置で測定したデータを評価するのが望ましいです。医師としては検査装置別の特性を念頭において検査データを見るのは負担がかかるため、同ー検査装置を運用して検査データを均質化できることは、グループ内を横断して診療する立場としてはありがたいです。

岩井氏 同グループに所属する12名の検査部スタッフは施設間を移動して検査を行うため、グループ内で装置が統一されているとスムーズに運用できます。多くの検査業務に対応する上で、ミスなく円滑に作業できる環境は重要であり、「富士ドライケムNX700」をグループ内で複数台運用するのは有益に働いていると思います。

謙虚な診療姿勢を徹底して、地域の医療施設と地域住民から信頼されるクリニックを目指す
みはま成田クリニックの将来展望は。

村上氏 予防医療が重要視されている今だからこそ、当クリニックは慢性腎臓病の予防・早期治療に関する啓蒙活動を一層強化していきたいです。慢性腎臓病においては未受診の見込み患者が多い状況ですので、推算糸球体濾過量の測定値をもとに早期発見・早期治療介入を行うことで進展予防を実現することがまず達成したい目標です。そのためにも、当クリニックが慢性腎臓病の受け皿であることを地域の皆様に認知いただけるよう診療に努めていきます。

大橋氏 慢性腎臓病患者様の血液透析導入を遅らせて、1年でも長く負担の少ない生活を送っていただくためにも、多職種が連携して行う療養指導を推進したいと思っています。大学病院や総合病院では始動している取り組みである一方、クリニックや一般開業施設にはハードルが高いと感じていましたが、迅速な測定性能を有する「富士ドライケムNX700」を用いることで実現できる可能性が生まれました。血液透析の導入を遅らせることは国の医療費削減にもつながりますので、個々のスタッフがレベルアップを図りながら多職種連携を実現していきたいです。

開業を志す医療従事者さまにメッセージを。

村上氏 地域医療に携わるクリニックとして、良好な病診連携・診診連携を構築するためには、常に謙虚な姿勢で診療にあたることが大切だと思います。慢性腎臓病を例にすると、急性期の患者様を適切に診療するためには大病院の力を借りなければなりませんので、患者様をスムーズにご紹介できるよう紹介先には丁寧な情報共有が必要になりますし、また紹介先の先生方との日々の情報交換も大切です。当クリニックは地域医療の一員として責任感のある対応を継続したことで、他施設から患者様を紹介されるようになり、患者様からの信頼も日に日に増しています。地域の皆様や医療施設から信頼されるクリニックづくりは一朝ータでは実現できません。開業を検討している皆様には、謙虚な行動の積み重ねが理想の実現につながることをこの場を借りてお伝えしたいです。

みはま成田クリニック 院長 村上 康ー 氏​
NX700
販売名

富士ドライケム NX700

承認番号

14BlX10022000125

製造販売業者

富士フイルム株式会社

販売業者

富士フイルムメディカル株式会社

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