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CAD EYEの活用で健診領域における大腸内視鏡検査の質向上に期待

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

山永 義之 氏(左)松隈 秀峻 氏(右)

福岡和白総合健診クリニック
院長 山永 義之 氏
副院長 松隈 秀峻 氏

PETドック・人間ドック、各種健康診断をはじめとする予防医学のための専門施設として、年間約5万人の受診者に質の高い総合健診を提供する福岡和白総合健診クリニック。
内視鏡画像診断支援機能「CAD EYE」の使用感や可能性などについてお話をうかがった。

福岡和白総合健診クリニックの特長は。

山永氏 2005年4月に地域の中核病院である福岡和白病院から独立するかたちで開設し、「笑頻と真心で、より質の高い総合健診をめざす」ことを基本理念としています。

そして、私自身が福岡和白病院で内科部長、副院長を務め、急性期医療に注力してきた経験を活かし、最新の医療機器を用いて早期発見・早期治療へとつなげることを日指しています。

年間の内視鏡検査数は。

山永氏 当クリニックでは、がんの早期発見という観点から内視鏡検査に注力しており、年間に上部約2万件、下部約5,000件の検査を実施しています。

CAD EYEを導入した経緯は。

山永氏 2020年11月の日本人間ドック学会でAIに関するシンポジウムを拝聴し、AI技術を用いた医療機器への興味をさらに高めました。そうした時に、富士フイルムさんからAI技術を活用して病変の検出および鑑別をサポートする「CAD EYE」をご紹介いただき、内視鏡検査の質向上や医師の技術向上に期待して導人を決めました。

CAD EYEを用いた大腸内視鏡検査のフローは。

松隈氏 白色光で挿入し、抜去・観察時にLCIでCAD EYEを使用しています。平均検査時間は約12分で、CAD EYEの導入前後で変化はありません。

CAD EYEの使用感は。

松隈氏 まず、CAD EYEは音とマーキングで検出を支援しますが、当然ながら検査に支障はなく、まったく違和感なく使用できています。

そして、検出支援機能については、わずかな隆起や水泡にも反応するため“感度が良すぎる”と思うこともありましたが、検出箇所の取捨選択は瞬時に行えますし、最終的な判断は医師が行うので、感度が良すぎるくらいでちょうど良いと感じています。

大腸内視鏡検査は屈曲やひだの多い管の中を直視鏡で観察するため、スコープの操作と病変の検出を同時に行うには丹念な操作と集中力を要し、場合によっては検出に集中できない可能性もあります。そうした中で、CAD EYEによる検出支援は非常に便利な機能ですし、医師の負担軽減につながる可能性もあると感じています。

印象に残った症例は。

松隈氏 導入初日に、白色光では見落とす可能性が非常に高い表面型の小さな腺腫をLCIで発見しました。

そこで、白色光でも確認したところ、しっかりとマーキングされたため、CAD EYEの検出能の高さを実感するとともに、LCIとCAD EYEを組み合わせることで見落としの防止に大きく寄与するのではないかと感じました。

白色光でCAD EYEが検出した不鮮明な隆起性病変。

微小な同病変はLCIでの観察においても速やかに検出。

LCIでの拡大像。

BLIで鑑別支援機能。
黄色のvisual assist circleで腫瘍性病変であることを示す。

CAD EYEの教育ツールとしての可能性は。

松隈氏 検出支援機能については、若手医師の教育に役立つだけでなく、経験年数や個人差を補うことでADR(Adenoma detection rate)を向上させる効果が期待できると考えています。

鑑別支援機能は、現状では腫瘍性・非腫瘍性の鑑別のみですが、今後、腫瘍性病変の異型度、深達度などの判定もできるようになれば、初学者にとっては非常に良い学習支援ツールになるでしょう。

個人的には、今後どれだけAIが発達したとしても最終的には人間が判断しなければいけないと考えていますので、CAD EYEを“良きパートナー”として、ともに学び、ともに成長していくことが大切だと考えています。

健診でCAD EYEを使用する意義は。

松隈氏 健診の対象は症状のない方や健康な方ですので、たとえ病変があったとしても微小であったり、表面型であったりと、非常に見落としやすいものばかりです。そうした病変をきっちりと検出して早期発見につなげていく上で、CAD EYEの検出支援機能は非常に有効なツールだと考えています。

CAD EYEが病院全体にもたらした効果は。

山永氏 医療のデジタル化という流れの中で、当クリニックではスタッフのデジタル化に対する意識改革に力を入れてきました。

今回、AI技術を活用したCAD EYEを導入したことでスタッフの意識がさらに高まり、医療においてもAIの時代を迎えつつあるという認識が広まったのではないかと思っています。